AIブームの恩恵といえば、半導体メーカーに集まるのが通説です。しかしいま、その中心に立っているのは、意外にもガラスの老舗です。スマートフォン画面の「ゴリラガラス」で知られるコーニングが発表した2026年4〜6月期決算は、売上高が前年比17%増と、会社予想を上回りました。
決算説明会で、ウェンデル・ウィークスCEOはこう宣言しました。「私たちは、加速する成長の新たな局面に入りつつあります」。成熟産業の代表格ともいえる素材メーカーには、似つかわしくないほど強気の言葉です。
牽引役は、AIデータセンターの内部をつなぐ光ファイバーなどの光通信事業です。注文は生産能力を超えて積み上がり、受注はなお加速しているといいます。スマホの画面を守ってきたガラスの技術が、いまはAIの計算力を運ぶ側に回っています。
ただ、足元の数字はこの会社で起きている変化の一部にすぎません。世界最大級のテック企業は、なぜいま一素材メーカーに歩み寄るのか。急増した利益は、本当に値上げの産物なのか。その答えの先に、老舗が描く大きな絵が見えてきます。