AIブームの恩恵といえば、半導体メーカーに集まるのが通説です。しかしいま、その中心に立っているのは、意外にもガラスの老舗です。スマートフォン画面の「ゴリラガラス」で知られるコーニングが発表した2026年4〜6月期決算は、売上高が前年比17%増と、会社予想を上回りました。 決算説明会で、ウェンデル・ウィークスCEOはこう宣言しました。「私たちは、加速する成長の新たな局面に入りつつあります」。成熟産業の代表格ともいえる素材メーカーには、似つかわしくないほど強気の言葉です。 牽引役は、AIデータセンターの内部をつなぐ光ファイバーなどの光通信事業です。注文は生産能力を超えて積み上がり、受注はなお加速しているといいます。スマホの画面を守ってきたガラスの技術が、いまはAIの計算力を運ぶ側に回っています。 ただ、足元の数字はこの会社で起きている変化の一部にすぎません。世界最大級のテック企業は、なぜいま一素材メーカーに歩み寄るのか。急増した利益は、本当に値上げの産物なのか。その答えの先に、老舗が描く大きな絵が見えてきます。
光ファイバーやGorilla Glassを手がける素材メーカーのCorningが発表した2026年第1四半期決算は、売上高が前年比18%増の43.5億ドル、非GAAPベースのEPSが同30%増の0.70ドルで、いずれもガイダンス上限に着地しました。これで前年比増収は8四半期連続です。 ウェンデル・ウィークスCEOは「当社の175年の歴史で最もエキサイティングな成長期の一つに入っている」と総括しました。同社は1月に発表したばかりの中期成長計画を、わずか3カ月で再び上方修正する方針も明らかにしています。 成長を牽引するのは、AIデータセンター向けの光通信事業と、ソーラー素材事業の2つです。光通信は前年比36%増の18億ドル、ソーラーは同80%増の3.7億ドルといずれも急伸しました。