IBMが2026年4〜6月期の決算を発表しました。売上高は前年比1%増にとどまり、同社は正式発表に先立って未達を予告する異例の対応も取っています。生成AIの投資ブームに市場が沸くなか、その渦中にいるはずのIT大手がつまずいた形です。
アービンド・クリシュナCEOは「求められるのは実行であり、この四半期はそこで及ばなかった」と率直に認めました。ただ、決算の中身をみると事業の大半は堅調で、綻びはソフトウェアの特定の契約形態に集中しています。全面的な失速とは異なる、輪郭のはっきりした未達でした。
同じ決算には対照的な光景も同居しています。一部のインフラ事業は過去最高の伸びを記録し、世界の金融大手が早くも名を連ねる新サービスの存在も明らかになりました。未達の裏で、次の成長に向けた布石が同時に打たれています。

焦点は、期末の数週間で止まった数十件の大型契約の行方です。経営陣は「需要は消えていない」との見立てを崩していませんが、その根拠は何か。そもそも直前まで進んでいた商談を止め、大企業の予算を一斉に動かしたものは何だったのでしょうか。