世界のマネーの流れを、一社で映し出す決算です。ブラックロックが発表した2026年4〜6月期決算は、売上が前年比31%増となり、運用資産は15.3兆ドルと過去最高を更新しました。企業は大きくなるほど成長が鈍る——その常識が、世界最大の資産運用会社には当てはまらないようです。
マーティン・スモールCFOは「エコシステムの混乱は、動くお金と、勝ち取れる価値を増やす」と述べました。世界の分断が深まるほど、資金の置き場所に迷う投資家はかえって同社に近づくという見立てです。実際、上半期の資金流入は前年同期の2倍を超えています。
注目は、成長の中身が変わりつつあることです。低コストの運用商品で巨大化した同社はいま、AIデータセンターの建設マネーから、スマホの中の「デジタルの財布」まで、かつての勝ちパターンとは異なる領域に踏み込み始めました。

15.3兆ドルの巨人は、これから何で稼ぐようになるのか。そして、その歩みに死角はないのか。決算説明会で語られた経営陣の言葉から、変貌の輪郭をたどります。