世界最大の運用会社BlackRockは、2026年7〜9月期の決算説明会で、創業者のラリー・フィンクCEOが「50年の職業人生で初めて、本物の資本不足を見ている」と語りました。顧客から預かる資産は15.5兆ドルに達し、四半期の資金流入は2,050億ドル。お金を集める側の企業が、お金が足りないと言い出したのです。 その言葉の裏には、国の借金とAI投資が同じ資本を奪い合う新しい構図があります。フィンクCEOはAI半導体を「住宅ローンのように」束ねて売る市場をつくると宣言し、ロバート・カピート社長は債券に「英雄的な相場は要らない」と語りました。資本が足りない世界で、BlackRockは何で稼ごうとしているのでしょうか。 国とAIが資本を奪い合い、金利は下がらない フィンクCEOが資本不足を語る根拠は、借り手が一気に増えたことにあります。政府は歴史的な規模の財政赤字を抱え、企業は一世代に一度のAI投資を賄う資金を必要とし、個人は退職後の備えを求めている。この三者が同時に資本市場へ資金を取りに来たため、15兆ドルを預かるBlackRockから見ても資本は「足りない」側に回ったというわけです。
世界のマネーの流れを、一社で映し出す決算です。ブラックロックが発表した2026年4〜6月期決算は、売上が前年比31%増となり、運用資産は15.3兆ドルと過去最高を更新しました。企業は大きくなるほど成長が鈍る——その常識が、世界最大の資産運用会社には当てはまらないようです。 マーティン・スモールCFOは「エコシステムの混乱は、動くお金と、勝ち取れる価値を増やす」と述べました。世界の分断が深まるほど、資金の置き場所に迷う投資家はかえって同社に近づくという見立てです。実際、上半期の資金流入は前年同期の2倍を超えています。 注目は、成長の中身が変わりつつあることです。低コストの運用商品で巨大化した同社はいま、AIデータセンターの建設マネーから、スマホの中の「デジタルの財布」まで、かつての勝ちパターンとは異なる領域に踏み込み始めました。
世界最大の資産運用会社ブラックロックが発表した2026年第1四半期決算は、売上が前年比27%増の67億ドル、営業利益は同31%増の27億ドルでした。営業利益率は44.5%と前年から130ベーシスポイント拡大しています。2026年3月は株式・債券が同時に大きく下落する荒れた相場でしたが、純流入は1,300億ドルと過去5年で最高の四半期スタートとなりました。 ラリー・フィンクCEOは「これはブラックロック史上最も力強い年初の一つだ」と総括し、「資本が動き、プロバイダーとの関係が見直される局面で、ブラックロックが選ばれている」と述べました。マーティン・スモールCFOは業界フローの8割超が上位5社に集中している現状を指摘し、不安定な相場が大手への資金集約を加速させているとの見方を示しています。 ETF純流入は1,320億ドルと四半期過去最高を記録し、中でも新興国や単一国などのプレミアム商品が牽引しました。2025年に買収したインフラ投資のGIPとプライベートクレジットのHPSはいずれも統合が順調に進み、ダイレクト・インデックスのAperioは130億ドルの四半期最高流入を記録しています。
BlackRockと言えば、世界で5.1兆ドル(日本円で571兆円)もの資金を運用する最大の資産運用会社であり、時価総額も745億ドルとなっています。 BlackRockはもともと、PEのBlackstoneの債券運用を行う資産運用会社として1988年に設立されましたが、1995年にPNC Financial Service Groupに売却されます。
BlackRockはアメリカにある世界最大の資産管理会社だと言われている。近年の業績推移をグラフにしてみる。