AI特需やハイブリッド接合など!直近3ヶ月で株価が上昇した半導体企業5社から見る市場の潮流

トーメンデバイス

今回は、直近3ヶ月で株価の上がった半導体関連企業5社を紹介します。各社の動向を俯瞰すると、生成AIの普及を追い風とした需要の急拡大や、それに対応するための次世代技術への投資が、市場評価を高める要因となっている様子がうかがえます。一方で、その事業領域は最先端の露光プロセスを支える検査技術から、商社機能によるサプライチェーンの維持、さらには性能向上を左右する後工程の実装まで幅広く分散しています。それでは、各社の具体的な事業内容と直近の動向を見ていきましょう。

“ACTIS”新型機投入「レーザーテック」

まず一社目は、半導体検査装置の開発・製造を手がけるレーザーテック(6920)です。1960年の創業以来、光応用技術をコアに独自の検査・計測ソリューションを提供。「世の中にないものをつくり、世の中のためになるものをつくる」を理念に、グローバルニッチトップ企業として成長してきました。

現在のレーザーテックが主力とするのは、半導体の微細化に不可欠な「フォトマスク」関連の検査装置。特に最先端のEUV(極端紫外線)リソグラフィ工程で使用されるマスク欠陥検査装置においては、2019年に世界初のアクティニックEUVパターンマスク欠陥検査装置「ACTIS A150」をリリースするなど、リーディングカンパニーとして貢献しています。

市場の評価が一変したのは10月31日のことでした。2026年6月期第1四半期決算とともに新製品「ACTIS A200HiT」を発表すると、株価は上昇基調を強め、12月初旬には31,760円に達しました。

好調な業績の理由は、AI向け半導体などの需要拡大に伴う検査装置への投資継続です。第1四半期の営業利益は前年同期比67.9%増の267億円で着地。新製品「ACTIS A200HiT」はEUVマスクの品質管理の生産性を大幅に向上させ、11月にはSiCウェハ向けの「OPTELICS UXM」も発表するなど、EUVによる微細化技術とパワー半導体の両面でソリューションを提供しています。

メモリー好調で大幅増配「トーメンデバイス」

次に紹介するのは、半導体・電子部品の専門商社であるトーメンデバイス(2737)。1992年に当時の株式会社トーメン(現・豊田通商)から半導体商権を継承して設立された企業で、世界的な半導体メーカーであるサムスン電子社製品の販売特約店として強固な基盤を築いています。

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