超薄板ガラスやチップレットなど!直近3ヶ月で株価上昇の素材5社が示す産業トレンド

日東紡績

今回の記事では、直近3ヶ月で株価が大きく上昇した「素材」メーカーの中から、5社をピックアップしてご紹介します。一見すると関連性の薄い5社ですが、その事業を紐解くと、AIや半導体のパッケージング技術といったデジタル社会の進化や、環境規制への対応など、現代を象徴するテーマが浮かび上がってきます。「今、求められている素材とは何か」を映し出す5社の動向に、ぜひご注目ください。

赤字超えのAI期待「三井金属鉱業」

まず1社目は、非鉄金属の製錬や加工を源流とし、現在は電子材料や自動車部品など、幅広い分野に高機能な素材を提供する三井金属鉱業(5706)です。同社は1874年の創業以来、時代のニーズに応えるかたちで事業を変革させ、日本の産業発展を支えてきた歴史を持ちます。

現在の事業は、電子材料や排ガス浄化触媒などを扱う「機能材料」、亜鉛や銅などを扱う「金属」、自動車用ドアロックを扱う「自動車部品」、「その他の事業」の4つです。特に機能材料事業では、スマートフォンやデータセンターのサーバーに不可欠な「電解銅箔」で高い技術力を有しています。

同社の株価は、8月に入り大きく変動しました。8月8日に2026年3月期第1四半期の減収減益と純損失を発表したにもかかわらず、株価は上昇基調に転換。

さらに8月20日には高周波基板用電解銅箔「VSPTM」、翌21日には薄型基板内蔵キャパシタ材料「FaradFlex®」の生産体制増強を相次いで発表。株価は一段高となり、9月にかけて一時10,000円を超える水準に達しています。

第1四半期の純損失は、子会社株式の譲渡に伴う約197億円の特別損失計上が主な要因です。一方で、通期の業績予想はAIサーバー向け先端分野での電解銅箔販売増などを織り込み上方修正され、その後、実際にその中核部材である銅箔やキャパシタ材料の増産が発表されています。

超薄板ガラスがスマホに続々採用「日本電気硝子」

続いては、特殊ガラスで世界トップクラスの技術力を持つ日本電気硝子(5214)です。1949年に滋賀県大津市で創業し、70年以上の歴史の中で特殊ガラスの技術と実績を磨き上げてきました。

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