今週は気になった決算を1週間分をまとめて見てみたいと思います。
あまり数が多くなかったというのもありますが、特に気になるもの5社だけに絞ってみました。テクノロジー業界のオールスターとも言うべき顔ぶれです。
まずは総合モーターメーカーとして世界を目指す日本電産です。
【日本電産】平成30年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結) https://t.co/MMQDJGFPto
— 決算短信bot (@tanshin_bot) 2018年1月24日
売上高1兆1059億2100万円(前年比+27.4%)
営業利益1271億2700万円(前年比+19.7%)
営業利益率11.5
3Qまでの売上が1.1兆円とかなり順調に伸びています。2020年度の目標売上2兆円に向けていい感じのペースで成長していると言えます。
中でも大きく伸びているのは、車載や家電、産業向けなど、中型のモーター製品グループです。
前年同期時点での売上は4007億円だったのが、5982億円と49%以上増加しています。
内訳を見ると、車載ようよりも家電・商業・産業用が2倍近くに増えていることが分かります。
これは、最近買収した新規連結会社の影響が大きいようです。
前4Qに買収した日本電産ルロア・ソマーホールディング社、日本電産コントロール・テクニクス社、当2Qに買収した日本電産グローバル・アプライアンス・コンプレッサー社などの影響は売上高で約1,356億円、営業利益で約53 億円とのこと。
続いてMonotaROです。
【MonotaRO】平成29年12月期決算短信〔日本基準〕(連結) https://t.co/HjqUwRvjHn
— 決算短信bot (@tanshin_bot) 2018年1月25日
売上高883億4700万円(前年比+26.9%)
営業利益118億3700万円(前年比+24.7%)
営業利益率13.4%
相変わらず順調に成長しており、通気売上で883億円、営業利益は118億円となっています。
検索エンジンへのリスティング広告や、SEOなどを主軸とした新規顧客の獲得や、ファックスや郵送チラシによるダイレクトメール、日替わり特価販売、カタログの送付などによる販促活動を展開。
また、4月に本格稼働させた「笠間ディストリビューションセンター(約17,000坪)」では、自立搬送型ロボットを導入。
1年で53万口座(アカウント)もの新規顧客を獲得し、273万口座となりました。
2018年には売上1040億円を計画。MonotaROについてはまた改めてじっくりとチェックしたいですね。
続いてサイバーエージェント。
【サイバーエージェント】2018年9月期 第1四半期決算短信[日本基準](連結) https://t.co/gWPSXCH2sT
— 決算短信bot (@tanshin_bot) 2018年1月25日
売上高979億1400万円(前年比+13.1%)
営業利益82億4600万円(前年比+29.8%)
営業利益率8.4
売上成長率は13%ですが、営業利益率が30%近く成長しています。前年同期はAbemaTVへの巨額投資により営業利益が51%減益でした。
セグメントの売上高を多い順に書くと、インターネット広告事業が572億円(+17.4%)、ゲーム事業が337億円(-2.7%)、メディア事業が74億円(+24.5%)、その他が40億円(+41.9%)、投資育成が8.4億円(+830%)という結果でした。
ゲーム事業が横ばいとなったのが売上成長率の鈍化につながっていると言えます。
今年度も引き続き、AbemaTVへの投資を強化するとのこと。
サイバーエージェントが今後数年でどこまで爆発的に伸びるかは、やはり「AbemaTV」がどのくらいデカくなれるかにかかっていると思います。
四半期の営業利益(右側)を見ると、既存のブログやマッチングなどのメディアで7.5億円の利益を出しつつ、AbemaTVなどの新規事業に40億円の赤字を踏んでいます。
AbemaTVは開局1年9ヶ月で2600万ダウンロードを突破。
1ヶ月あたりの利用者数は1000万人を突破しています。
課題であった女性ユーザーの比率も改善。
また、今期はテレビやパソコンなど、大画面での視聴数が増えたことも特徴的です。より生活に馴染んできたということでしょうか。
今後はさらに制作費を踏み込み、収益の多角化を図るとのこと。
ここで、主要テレビ局の売上を見てみましょう。
上記の売上のうち、どのくらい(の広告費)をサイバーエージェントが奪うことができるか、というのが現実的な勝負になってくる気がします。
このグラフをみていると、「1000億円くらいだったら近いうちに取れるんじゃね?」と個人的には思えてきます。
自身も言っていますが、この分野は現時点でほとんど競合が存在しない、というのが大きな強みです。
続いて、ファクトリーオートメーション・ロボットの主要プレイヤーであるファナックです。
【ファナック】平成30年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結) https://t.co/MMsyvTwcGJ
— 決算短信bot (@tanshin_bot) 2018年1月26日
売上高5359億9400万円(前年比+37.3%)
営業利益1692億3500万円(前年比+51.6%)
営業利益率31.57
売上は前年から1.4倍、営業利益は1.5倍と、鬼のように成長しています。
あまり話題になっていない気もしますが、今回の5社では一番成長しています。
売上の内訳をみると、FA機械からロボット、ロボマシンと全てのセグメントで売上が増加しています。
昨年から2倍以上と特に成長の大きなロボマシンは、売上の61%が中国になっています。
四半期売上1884億円のうち、中国は549億円と29%を占めています。
通期の業績予想を見てみましょう。
売上高は33%増、営業利益は47%増加と強気の予想です。
最後にエムスリーです。
【エムスリー】2018年3月期 第3四半期決算短信 [IFRS](連結) https://t.co/bzcHeFPSQn
— 決算短信bot (@tanshin_bot) 2018年1月26日
売上高685億6000万円(前年比+21.8%)
営業利益224億9800万円(前年比+20.7%)
営業利益率32.82%
売上、営業利益ともに1.2倍に増えています。
「エビデンスソリューション」の収益がわずかに減益ですが、他の部門は軒並み成長しています。
特に注目したいのは、海外売上が112億円から168億円へと1.5倍に増加していること。海外の利益は2倍以上に伸びています。
報告セグメントは5つありますが、エムスリーの事業は土台となる「メディカルプラットフォーム」、そこから派生する「PF派生」、そして海外事業の3つに大きく分類することができます。
つい6年前まではメディカルプラットフォームで収益の大半を占めていたのが、他の派生事業や海外事業が急速に発展していることがわかります。
現在の利用企業数はおよそ50社で、平均すると5億円ずつを費やしています(すごすぎる。。)。
将来的には100社、各社8億円以上にまで拡大することを見込んでいるとのこと。
より具体的には、医療関連企業のマーケティングを、各プロセスに従って助けるようなサービスになっています。
そして、エムスリーではこのプラットフォーム事業を土台として治験や人材などの事業を展開しています。
中でも、人材キャリア事業は単独で105億円規模の売上を予想しています。人材サービスとしては利益率もかなり高いですね。
海外事業に目を向けると、エムスリーは世界中に400万人もの医師会員を抱えています。
中でも中国の会員医師は202万人と、全体の半分を占めています。中国全土の医師の大半をカバーしているとのこと。
海外企業も単独で220億円もの売上が予想されています。
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