「Box」から「Okta」まで一気に8社!海外SaaS企業の最新決算まとめ

最近発表された海外決算の中から、「Box」「Coupa Software」「DocuSign」「Zscaler」「Cloudera」「Domo」「Palo Alto Networks」「Okta」のSaaS企業8社を一気にチェックしていきたいと思います。


クラウドストレージ「Box」

Boxは個人や企業向けにファイルを保存・管理できるクラウドストレージを提供しています。

「SaaS40%ルール」を割ってしまったアメリカのクラウドストレージ企業「Box」2019/1期Q1決算


今四半期の売上高は1.5億ドルで、前年からの増収率は20.6%となりました。

営業損失は3,721万ドルとなり、損失額は前年同期から縮小しています。


Boxは既存顧客に対する売上指標として、売上純増率(Net Expansion Rate)とリテンションレートを掲げています。

売上純増率は既存顧客への追加販売による売上増加率を表します。

そして、売上純増率に解約した顧客の売上高を加味したものがリテンションレート(売上維持率)です。

リテンションレートは少しずつ低下しており、今四半期は108%となっています。

販売増加率は12%で、こちらも低下傾向です。

また、顧客企業数は8万7,000社まで増加しましたが、解約率(チャーンレート)は4.5%と上昇傾向にあります。


企業の支出管理「Coupa Software」

Coupaは企業は支出管理サービスを展開しており、購買、経費管理、請求書管理を一元管理できるプラットフォームです。

まるでネット通販のように物資を調達!年間32兆円を取り扱う費用効率化SaaS「Coupa Software」

売上推移をチェックしてみましょう。




売上高は右肩上がりの6,165万ドルです。

40%近くの高い成長率を維持しています。

今四半期は1,062万の赤字となっていますが、前年同期と比べると少し黒字化に近づいています。


Coupa Softwareでは、「Spend Under Management(管理コスト総額)」をKPIとしています。

顧客がCoupa Softwareのプラットフォーム上で支払った管理コストは合計で950億ドル。

1か月あたりに換算すると約3.5兆円となっています。

顧客数が717社なので、1社あたり49億円ほど利用している計算となります。


オンライン契約書「DocuSign」

DocuSignはオンライン上で契約締結や書類管理を行なうことができるサービスを提供しています。

2018年5月にNASDAQへ上場しました。

ユーザー数およそ37万人!オンラインで契約書のやりとりを完結する「DocuSign」が新規上場

日本では弁護士ドットコムが「クラウドサイン」という同種のサービスを展開しています。

売上高は前年同期から33%増収の1.7億ドルとなりました。

前四半期は上場に伴うコストが増加したため、赤字が2.7億ドルに拡大。

今四半期は3,772万ドルの損失となっています。

DocuSignは9月4日、同じく契約管理サービスを展開する「SpringCM」の買収を発表しました。

SpringCM

契約の発生から締結、その後の更新、解約を含めた契約ライフサイクル・マネジメント(CLM)に強みを持っており、Salesforceとの連携も充実しています。


ネットワーク・セキュリティ監視「Zscaler」

Zscalerは企業のネットワークなどをクラウド上で監視できる「Security as a Service」を提供しています。

導入社数2,800以上!クラウド社会に適した「Security as a Service」を提供する新規上場企業「Zscaler」

2018年通期の決算が発表され、年間の売上高は1.9億ドルとなっています。

前年度からの増収率は51.6%と、50%を超える高い成長を続けています。

営業損失は3,462万ドルで、前年からわずかに赤字が縮小しました。

海外売上比率は50%を超えており、ヨーロッパはアメリカ国内と同等の売上となっています。

シーメンスなどの大企業も顧客に抱えています。


ビッグデータ処理「Cloudera」

Clouderaはビッグデータを処理するためのデータウェアハウスなどを提供しています。

導入支援として機械学習を活用するためのコンサルティングなども行なっています。

【米国IPO】ビッグデーターのリーダーClouderaが上場

売上高は1.1億ドルとなりました。対前年の増収率は22.8%です。

営業損失は3,885万ドルと、前年から48.5%減少しています。

セグメント別売上高を見てみると、定期課金による売上高が9,312万ドルまで増加しています。

売上全体に占める割合は、2017年度1Qの72%から84.4%まで増加しています。


データ・ビジュアライゼーション「Domo」

Domoはさまざまなデータソースを集約してダッシュボードなどを作成できるBIツールを提供しています。

公式HP

2018年6月の上場後、初の決算発表となりました。

まだ売上規模はそれほど大きくなく、今四半期の売上高は3,427万ドルです。

増収率は32.3%となっており、50%前後の成長を続けていた2018年度と比べて少しずつ低下しています。

営業損失は4,348万ドルで、売上高を上回る損失を計上しています。


次世代ファイアウォール「Palo Alto Networks」

外部からの不正なアクセスを遮断するファイアウォールを提供するPalo Alto Networksです。

次世代ファイアウォールとはWebアプリケーションの制御機能を搭載したもので、Palo Alto Networksが世界で初めてセキュリティ市場に製品を投入しました。

次世代セキュリティで急成長!他社との連携によるプラットフォーム化を図る「パロアルトネットワークス」

売上高は前年から29%増収の22.7億ドルとなっており、通期の売上高が初めて20億ドルを突破しました。

営業利益は出ていませんが、損失額は前年から28.2%縮小しています。

セグメント別売上高を確認してみましょう。

定期課金による収益が14億ドルで、売上全体の60%を占めるまでに成長しています。

2016年にソフトウェア販売の売上を上回り、定期課金モデルへの転換が順調に進んでいることがわかります。


社内ID管理「Okta」

最後にチェックするのは、シングル・サインオンなど企業の認証システムを提供する「Okta」です。

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今四半期の売上高は9,459万ドルにまで達し、1億ドルの大台が見えてきています。

50%以上の増収率が続いており、まだまだ成長は止まりそうにありません。

営業損失は3,843万ドルとなっています。

顧客企業5,150社のうち、年間契約額(ACV)が10万ドルを超える大口顧客は前年から55%増の837社となっています。

売上ベースのリテンションレート(顧客単価の上昇を加味した既存顧客の定着率)もチェックしてみます。

リテンションレートは120%以上を維持しています。

既存顧客の売上純増率が低下して成長が鈍化しているBoxとは対照的に、Oktaは既存顧客のバリューアップによって60%近い成長を続けることができているのだとわかります。