ニトリ2Q決算は前年比1.7倍の大幅営業増益:特需はひと段落、市場は沈静傾向
ニトリホールディングスが2020年10月2日に発表した上半期(2020年2〜8月)決算で、同社が受けている追い風が改めて明らかになった。
2020年6〜8月期の営業利益は434億円と、前年比1.7倍を超える水準だ。売上高についても1,887億円に急増し、前年比での成長率は22%を超えた。
上場して日が浅いベンチャー企業ならいざ知らず、ニトリほどの大企業でこの追い風だ。後述するが、日本の家具販売市場は横ばいだった。それにも関わらず、この増収は記録的である。
今回の記事では、ニトリHDの足元の状況について整理した上で、国内外で顕在化している非常に大きな「家具需要」の現在についてご紹介したい。
まずは早速、ニトリの決算概況について確認していこう。
月次の既存店売上のトレンドを見ると、緊急事態宣言が解除された2020年6月に前年比147%と極めて大きな需要増があった。
その後はやや落ち着き、7月まで前年比123%、8月にも115%という水準が続いた。9月には前年比マイナスの98.4%まで失速しているが、これは前年に消費増税による駆け込む需要のピークだったことも関係する。
実際に、9月の客数は前年比112%と拡大トレンドだ。減ったのは客単価の方で、消費増税前に買い込みが促進されたときと比べて87.5%になった。
ニトリHDにおいて足元の売上を促進しているのは、やはり「通販」チャネルである。