値上げは、客を遠ざける行為だと考えられてきました。コストが上がれば価格に転嫁し、客はそれを嫌って足が遠のく。外食業界にとって、この因果は疑いようのない常識でした。 ところが、その常識をあえて手放した企業があります。回転寿司を米国で展開するくら寿司USAです。 同社が2026年3〜5月期に発表した決算には、奇妙なねじれがあります。店を訪れる客の数は目に見えて減りました。にもかかわらず、事業の稼ぐ力はむしろ強まっています。客足が鈍った四半期に、なぜ利益率は上向いたのか。その答えは、値上げをめぐる同業他社との距離の取り方にあります。 くら寿司USAは、日本のくら寿司が米国事業を切り出して上場させた企業です。店舗数はまだ約94で、年20%を超えるペースで出店を続ける成長途上の外食チェーンです。日本の本体とは別に、米国の消費者と向き合いながら独自の戦略を描いています。
回転寿司チェーン「くら寿司」の米国子会社であるくら寿司USA(KRUS)が4月7日、2026年度第2四半期(12〜2月)の決算を発表しました。売上高は前年同期比23.3%増の8,000万ドル、既存店売上高は+8.6%と、市場予想を上回る着地となっています。関税や食材インフレといった逆風が語られ続けてきた外食セクターの中で、数字の伸びそのもの以上に、その中身に目を引く要素が多い決算となりました。 特に印象的なのが、労働コスト比率の改善幅です。前年同期比で410ベーシスポイントという、外食チェーンの単四半期としては異例とも言える水準で、会社自身が期初の目標を「保守的すぎた」と認めるに至っています。しかもこの数字には、同社が導入を進める店舗ロボットの効果がまだほとんど織り込まれていません。伸びしろの在処が明確に示された格好です。 一方で、食材原価には関税とシーフード高騰の二重の逆風が吹いています。それでも同社は実効値上げ率を4.5%に抑えたまま、客数を+4.3%伸ばすという結果を出しました。インフレ局面を競合との価値ギャップを広げる機会と捉える姿勢が、数字の裏側から浮かび上がってきます。価格戦略をめぐる経営陣の踏み込んだ発言にも注目です。
回転寿司チェーン「くら寿司」の米国法人、Kura Sushi USAが株式市場での注目度を高めている。4月4日に発表された決算で、2023年11月〜翌2月の売上高は5,730万ドル(前年比30.5%増)だった。 くら寿司は2009年、カリフォルニア州アーバインに米国初となる店舗を出店。Kura Sushi USAとして2019年にナスダック市場へ上場、コロナ禍を乗り越えながら事業を拡大してきた。 未だ完全な黒字化には至っていないものの、株式市場における評価はうなぎのぼりだ。上場時と比べ株価は4倍以上に高騰、時価総額は11.6億ドル(≒1,740億円)。本家くら寿司(2,010億円)とそう変わらない水準に迫っている。
日本の回転寿司「くら寿司」の米国法人、「くら寿司USA(Kura Sushi USA)」が1Q決算を発表しました。この米国法人は2008年に設立され、2019年8月にナスダックへの新規上場を果たしています。