本記事では、数ある上場企業の中から20%を超える高い営業利益率を誇る、日本の製造業5社を紹介します。一般的に収益性の維持が難しいとされるモノづくりの領域において、これらの企業がいかにして傑出した数字を叩き出しているのか、その事業実態を解説します。 今回取り上げる5社に共通して見られるのは、特定の市場において他社の追随を許さない独自の地位を築いている点です。しかし、その実現手段は一様ではありません。ある企業は徹底した製品の絞り込みによって効率を極め、またある企業は「日本製」へのこだわりを通じてブランド価値を高めるなど、各社が異なる戦略で高収益体制を構築しています。 各社の具体的な事業内容と、その数字の裏側にある戦略を見ていきましょう。 高い薄膜技術「サムコ」
半導体の性能を左右する「最先端材料」で、世界屈指のシェアを持つ日本企業があります。それが、山梨県上野原市に拠点を構えるトリケミカル研究所。2025年に入ってからも前期のV字回復からさらに加速。生成AI需要を背景に躍進を続けています。 11月28日に発表された2025年2〜10月期決算は、売上高が前年比37.4%増の180億円、営業利益は同30%増の45.6億円でした。好調の背景にあるのは、生成AIの普及に伴うデータセンター投資の拡大や、AI機能を搭載したPC・スマートフォンの登場による最先端半導体の需要増です。 同社は、半導体製造の前工程に不可欠な高純度化学化合物の開発・製造に特化した研究開発型企業。多品種少量生産を強みとし、半導体の微細化で重要性が増す高誘電率材料やエッチング材料などニッチ分野で独自の地位を確立しています。今回の記事では、半導体サプライチェーンで不可欠な存在となったトリケミカル研究所について、その歴史から紐解きます。