本記事では、直近3ヶ月において株価が顕著な上昇を見せた化学関連の企業5社を紹介します。素材や中間財を扱うこれらの企業は、グローバルな市場環境や原材料価格の変動といった外部要因の影響を受けつつも、独自の強みを発揮することで投資家の評価を高めています。 今回取り上げる各社の動向からは、奇しくもAIや半導体といった先端産業向けの需要獲得や、環境規制への対応が高収益化の鍵となっている様子が見えてきます。一方で、長年培った技術を活かして既存事業のコスト構造を見直し、筋肉質な体質へと転換を図るなど、置かれた局面に応じて柔軟に戦略を実行している点も共通項と言えるでしょう。 それぞれの企業がどのような背景で市場の関心を集めたのか、具体的な発表内容と業績推移を紐解いていきましょう。 韓国大手と資本提携「中国塗料」
沖縄の南東にある絶海の孤島「ラサ島」をご存知でしょうか。正式には「沖大東島」という名前のこの島は元々、珊瑚礁に囲まれた無人島でした。農商務省肥料砿物調査所初代所長・恒藤規隆らによる「リン鉱石」の発見を契機に生まれたのが、今回紹介する「ラサ工業」です。 リン(P)は人体中に核酸の成分として細胞に含まれ、歯や骨の成分でもあり、体重の1%ほどを占める必須元素です。植物を育てるための肥料成分にもリンは不可欠で、金属製品の表面加工、燃料電池、半導体などの工業分野にも使われています。 動植物中にあまねく存在する「リン」ですが、肥料や工業材料に必要な量を確保するには「リン鉱石」が必要。そんな中で1913年、リン鉱石採掘を目的として「ラサ工業」が生まれました。同社は肥料メーカーとして日本の近代農業を支え、100年を超える歴史の中で大きな事業転換を遂げています。