今回取り上げるのは、あのメタプラネットです。日本を代表する「ビットコイントレジャリー戦略企業」を標榜し、とにかくビットコインを保有するというシンプルな戦略を核に、株式市場での注目を集めてきました。 以前ご紹介したように、会社としての祖業は他にありました。昔はインディーズCDの流通やホテル事業を手がけてきましたが、2022年にサイモン・ゲロヴィッチ氏が代表取締役社長に就任。2023年には現社名へと変更、資産を切り崩してビットコインを購入する方針を打ち出しました。 「ビットコイントレジャリー」というモデルは、同社のオリジナルではありません。米国ではストラテジー(旧マイクロストラテジー)という会社が、2020年に当時2.5億ドル相当のビットコインを購入し始めました。その後の株価高騰と急落も、メタプラネットとよく似ています。 大幅希薄化を伴い巨額資金を調達
暗号資産(仮想通貨)は、単なる投機対象から、企業の事業戦略を左右する重要な要素へと進化しています。この潮流を受け、日本の上場企業もWeb3時代を見据えた多様な戦略を展開し始めました。 単に暗号資産交換所を運営するだけでなく、巨大なポイント経済圏と融合させて独自の生態系を目指す企業も現れています。また、インターネットインフラという自社の強みを活かし総合力で市場に挑む企業や、企業資産そのものをビットコインに置き換えるという先進的なモデルを追求する企業も見られます。 本記事では、それぞれ異なるアプローチで暗号資産市場に挑む企業を分析し、その独自の戦略と今後の可能性を探ります。 ビットコインを企業の価値中核に据える「メタプラネット」
株式市場には、後から見たものに「どうしてこうなった」と怪訝に思わせるような出来事が時折発生する。このところ奇妙な事例に思われるのが、東証スタンダード市場に上場するメタプラネットだ。 Finboard 同社の業績推移をみれば、会社として苦境にあえぎ続けてきたことが容易にうかがえる。そんなメタプラネットの株価は今年半ばから急上昇、時価総額は執筆時点で400億円前後にのぼる。 メタプラネットのホームページを見ると、「ビットコインと未来へ」と香ばしいメッセージが並ぶ。たまにはこんな会社を調べてみるのもいいだろうと思って紐解くと、なんとも興味深い変遷が見えてきた。今回はメタプラネットがなぜこんなことになっているのか、同社の来歴を中心に紹介する。