神戸物産 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 1兆1710億800万 円
銘柄コード 3038(市場第一部(内国株))

株式会社神戸物産は、兵庫県加古郡に本社を置く企業。1985年設立。業務スーパー・フランチャイズ本部として経営ノウハウを統合・指導するほか、食品スーパー及びキャッシュアンドキャリーの店舗運営、核家族化・高齢化時代の需要をとらえキッチンパワーアップと作業の標準化を確立した、惣菜・物販のテイクアウト店舗とお客様の食卓代行業として複合メニューのイートイン店舗拡充、海外での原材料調達から販売までのサプライチェーン・マネジメントによる商品の供給援助などを主な事業とする。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

株式会社神戸物産は、兵庫県加古郡に本社を置く小売・中食・外食企業。1985年に沼田昭二氏が食品スーパー「フレッシュ石守」を開業したのが始まり。2006年6月、大阪証券取引所市場第二部へ株式上場を果たす。

業務スーパー・フランチャイズ本部として経営ノウハウを統合・指導するほか、食品スーパー及びキャッシュアンドキャリーの店舗運営、核家族化・高齢化時代の需要をとらえキッチンパワーアップと作業の標準化を確立した、惣菜・物販のテイクアウト店舗とお客様の食卓代行業として複合メニューのイートイン店舗拡充、海外での原材料調達から販売までのサプライチェーン・マネジメントによる商品の供給援助などを主な事業とする。

事業内容

神戸物産グループは、株式会社神戸物産、連結子会社37社、非連結子会社13社で構成されている。主な事業は、業務スーパー用商品の製造、卸売、および小売業の運営、業務スーパー店舗をFC(フランチャイズ)方式で展開するほか、外食・中食事業と再生可能エネルギー事業も展開している。

業務スーパーの事業内容・ビジネスモデル

業務スーパー事業では、「業務スーパー」のFC方式で本部として商品の企画、開発および調達などを行っている。また、食材供給拠点として、国内外の連結子会社で食品の生産も行い、「食の製販一体体制」を確立している。

「業務スーパー」は、業務用ユーザーをターゲットとしてスタートした食品スーパーブランド。顧客の求める容量、サイズ、品質の食材を中心に品揃えし、エブリデイロープライス(E.D.L.P)による価格政策によって展開している。

取り扱い商品

取り扱い商品は、NB(ナショナルブランド)とPB(プライベートブランド)に区別される。

NB商品はいわゆるメーカー品。生産者がほかの流通業者にも販売している商品だ。PB商品は神戸物産グループの生産工場での商品と海外に拠点を置く協力工場であるメーカーから直輸入している商品である。

両商品ともに、業務用ユーザーを想定した販売戦略を行っており、完成品的な商品ではなく、焼く、煮る、蒸す、炒める、揚げるといった最終の調理工程を必要とする半加工品が主体となっている。

このことは一般ユーザーにとっても、単に出来合いの商品を食卓に並べるのではなく、いくらかの調理工程を経ることで、手創り感や出来たて感を実感できるものとなっている。

ビジネスモデル

FC方式の契約形態には、直轄エリア内(17都道府県)に出店される際に締結する「業務スーパーFC契約」と地方エリア内(その他30県)において業務スーパーのチェーン化を許諾する業務スーパーエリアライセンス契約がある。

業務スーパーFC契約

「業務スーパー」の経営に関する経営ノウハウを各フランチャイジー(加盟店)が用い、神戸物産の指導援助のもとに業務スーパーのFC店を経営するためFC契約を締結する。ロイヤリティは総仕入高の1%相当額とし、保証金は1店舗当たり1,000万円としている。

契約期間は、契約店舗の開店日から5年経過した日を契約終了日とする(ただし、以降は1年間の自動更新)。

業務スーパーエリアライセンス契約

「業務スーパー」の経営に関する経営ノウハウを活用し、地方エリア内で業務スーパーを展開することを許諾すると共に、各フランチャイジー(加盟店)に対して継続的に指導援助を行うことを締結する。ライセンスフィーは商品の仕入高の1%相当額とし、契約1件当たり保証金は当該エリアの人口×5円としている。

エリアライセンス契約は締結と同時に成立し、契約終了日は契約店舗の開店日から5年経過した日となる(ただし、以降は1年間の自動更新)。

SV(スーパーバイザー)体制

神戸物産はSV(スーパーバイザー)体制を構築している。SVは加盟店における店舗オペレーションの指導並びに援助を実施する。また、新規出店店舗の立ち上げ業務及び各FC店舗への巡回等を行っている。SVは1人あたり15~20店舗を担当し、店舗の品質・売上改善を図る。

神戸クック事業の内容

神戸クック事業では、業務スーパーで構築された原材料から商品に至るまでのローコスト体制を最大限に活かし、外食・中食の分野に進出することを目的に、「神戸クック・ワールドビュッフェ」と「馳走菜」を展開している。

神戸クック・ワールドビュッフェ

席数が250席以上あり、世界各国のメニューをゆったりとした空間で時間無制限(一部店舗除く)で楽しめる大型ビュッフェレストラン。

馳走菜

日常の食卓代行をコンセプトとして安全・安心・価格にこだわった惣菜店。

クックイノベンチャー事業の内容

クックイノベンチャー事業は、安全・安心で顧客に満足してもらえる商品提供への取り組み強化に併せ、ブランド力が高い業態への業態転換、新規出店やFC加盟開発の強化に努めている。

「平禄寿司」などの寿司業態、「村さ来」などの居酒屋業態、「国産牛肉食べ放題 肉匠坂井」などの焼肉業態、「長崎ちゃんめん」などのファーストフード業態・レストラン業態による外食事業を主に展開している。

エコ再生エネルギー事業

神戸物産はエコ再生エネルギー事業として、北海道や和歌山で太陽光発電など、再生可能エネルギーを活用した発電事業を行っている。

経営方針

神戸物産は「食の製販一体体制」の確立を達成するため、積極的なM&Aを行い、原材料の調達からオリジナル商品の開発、販売に至るまでを一貫して行えるよう、経営を進めていく方針を定めている。

中期的な経営戦略

神戸物産は、基幹事業である業務スーパー事業のさらなる拡大を計画している。

商品においては、品質を維持しながらも安価に提供するため、サプライチェーンや店舗運営の仕組みの改善、「食の製販一体体制」の拡大に注力し、他社との差別化を図る。

また、外食・中食事業でも、「食の製販一体体制」の強みを活かし、競争力のある業態の開発と拡大を目指す。

経営環境

これから世界が直面する「食糧難」や日本の「少子高齢化問題」など先行きが不透明な状況のなか、食品業界では、消費者の低価格志向は引き続き強い。

為替の急激な変動、EC事業者やドラッグストアなどの他業態による食品の取り扱い拡大や都市部のオーバーストアによる競争の激化など、企業の経営環境は今後も厳しい状況が続くと予想している。

対処すべき課題

商品開発及び商品管理体制の強化

神戸物産は、食にかかわる総合食品会社として、顧客に「プロの品質とプロの価格」で「安全・安心」な商品を安定して供給するべく取り組んでいる。これまでも、品質保証部による衛生管理体制の充実や、品質管理強化のため取扱商品の自主検査の徹底を図る等の施策を講じてきた。

神戸物産は引き続き、独自の厳しい品質保持システムをより一層強化するとともに、トレーサビリティーの構築に注力する。また、商品開発部、海外商品部では商品開発体制の強化を図っている。「食の製販一体体制」の更なる拡大に向け、独自の発想を持って常に新しいことにチャレンジし、PB商品の競争力を高めている。一人でも多くの顧客の健康と笑顔の源となるべく、新たな商品の開発に注力していく。

ESGへの取り組みの強化

神戸物産は、社会と企業の持続可能な発展のために、「食」を通じた社会貢献活動や環境に配慮した事業を行いESG(Environment:環境、Social:社会、Governance:ガバナンス)の取り組みを推し進めている。また、訪日外国人の増加傾向が続いてきたことから、安心して食事を行っていただけるよう、ハラール商品等の充実に注力している。

人財の確保と人財育成

昨今の人財不足に対し、人財採用において積極的な情報開示により、神戸物産の経営方針に共感する人財の確保に努め、従業員の満足度向上により企業の生産性を高め、企業と従業員が共に成長できる体制を整備していく。

事業等のリスク

法的な規制等について

神戸物産グループは、日本国内においては食品安全基本法、食品衛生法、食品表示法、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律、関税法、製造物責任法(PL法)、中小小売商業振興法等の法的規制の適用を受けている。また、海外においても各国の法的規制の適用を受け遵守している。神戸物産グループとしては、法的手続きによる権利の保全にも万全を期している。しかし、今後神戸物産グループに関する法的な制度変更等が発生した場合、グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

食材の安全性について

神戸物産グループは、業務スーパー事業を中心に4,000アイテム前後の食材を扱っており、それらを業務スーパーで販売するほか、中食・外食業態の展開も行っている。昨今の食を取り巻く環境として、安全で安心して利用できる食材の供給はもちろん、それらの各種情報(アレルギーや産地等)の情報が強く求められている。神戸物産グループとしては、品質保証部を設け、食材の各種情報管理体制を強化するとともに、自社品質管理室での理化学検査や微生物検査等十分な品質管理体制を整えているが、今後予期せぬ事態が発生した場合、グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

グループの事業を取り巻く外部環境について

神戸物産グループはカテゴリーキラー(特定の商品分野のみを豊富に品揃えし、低価格で提供する小売店)としての特徴を有する店舗展開を進めており、業務用ユーザーをターゲットとしているため、景気動向、消費者に係る税制の変更、気象状況等の影響は受けるものの、一般的な小売業店舗との比較において、その影響度は少ない。しかしながら、今後神戸物産グループと同様に、カテゴリーキラーとしての特徴を有する企業が増加することにより、それらと競合関係が激しくなった場合、グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

為替変動の影響について

神戸物産グループは世界各国より輸入を行っており、商品を輸入する際は主に米ドルにて決済している。神戸物産グループでは、為替ヘッジ等によるリスクヘッジを適時行っているが、急激な為替変動が起こった場合、グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

不測の事態による仕入価格の変動等について

BSE(牛海綿状脳症)問題や鳥インフルエンザの発生、食品偽装問題における風評被害、テロ・暴動・紛争等の政治的混乱あるいは食品添加物使用基準や残留農薬基準の改正等により、日本国での輸入規制措置が講じられた場合、神戸物産グループの仕入商品の一部について、急な代替品確保が困難になる可能性がある。また、急激な為替変動等の影響により、仕入商品の品薄状態が発生した場合、商品仕入価格が大幅に変動する可能性がある。

価格優位性のある輸入製品は、容易に国内品に代えられないことが多く、結果として店舗での販売価格の上昇や欠品となる恐れがあり、このような状況が発生した場合、グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

物流拠点が集中していることについて

神戸物産グループの物流拠点は、輸入品が荷受される神戸港と横浜港の2か所、自社保有の配送センターも神戸港に隣接した場所にあり、それぞれ関西、関東での直轄エリアへの物流拠点として、2019年時点で十分にその機能を果たしている。しかし、当該港湾が地震等の自然災害により崩壊等の被害にあった場合、近隣の港湾で緊急避難的に荷受することになるが、陸送や別の倉庫の手配等のコスト増が発生し、グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

FC(フランチャイズ)戦略について

FC(フランチャイズ)戦略が停滞する背景としては、既存店売上の伸び悩みによる出店意欲の後退が考えられる。売上に関する要因としては、取扱商品の商品力(価格・品質・利便性等)の低下、新規商品の導入の遅れ等が考えられ、神戸物産での商品開発力並びに各協力工場への指導力の成果が問われることになる。

また、FC店舗は全て神戸物産の認可により出店され、神戸物産ではFC店舗間の競合が発生しないよう出店地域の調整を行っているが、今後のFC店舗の出店状況によっては、将来的に出店候補地が制限される可能性がある。さらに、FC契約先には、現在、複数の店舗を出店している企業もあり、万一これらの企業が経営方針を変更する等の理由により、業務スーパー事業を縮小する等の状況になった場合、グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

SV(スーパーバイザー)等の人財確保について

神戸物産におけるSV(スーパーバイザー)の主たる業務として、加盟店における店舗オペレーションの指導並びに援助がある。また、新規出店店舗の立ち上げ業務及び各FC店舗への巡回等を行っている。

SV1人あたりの最適な担当店舗数は15~20店舗としており、これ以上担当店舗が増加した場合、適切な巡回ペースを維持できなくなる可能性がある。このため、店舗の増加と共にSV等の人員を増員する必要があり、その人員を確保できない場合、FC店舗の管理が不十分となる等の要因から、結果としてFC店舗の売上を低下させてしまうことになり、グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

業務スーパーのブランドイメージが損なわれる恐れについて

神戸物産は業務マニュアルの整備及びFCの店舗への指導等の徹底により、店舗のオペレーションには万全を期している。しかしながら、神戸物産グループの加盟店の中には神戸物産を通じた仕入品以外の商品(青果・鮮魚・酒類等)を販売しているFC店舗があり、これらの商品の瑕疵を原因とした問題等が発生した場合、グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

PB(プライベートブランド)商品への依存度について

神戸物産グループでは、売上総利益に占めるPB(プライベートブランド)商品の割合が高い水準にある。このため、今後何らかの要因により、PB商品の売上が減少した場合、グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

事業インフラである情報システムについて

神戸物産は、ソフトウェアの新規導入にあたって厳重に再レビューを行っており、システムの導入前に欠陥を発見できる可能性が高い。また、導入後に欠陥が発生した場合には、欠陥部分に関連した数値に差異が発生する可能性があるが、整合性チェック等を行っており、欠陥そのものが継続することはない。

ハードウェアに関しては、物理的ダメージによる機能停止、故障によるデータの欠落が考えられる。物理的ダメージについてのインフラに関しては、外部委託による24時間体制の監視を行っており、機能停止時には即座に担当者に連絡が入るが、災害等によるものであれば、復旧までの間、機能停止することが考えられる。故障によるデータ欠落については、ソフトウェア同様、整合性のチェックを行っているため、部品交換までの短期的な不具合にとどまると想定される。

神戸物産グループでは、ハードウェア(サーバー、UPS:無停電装置、クライアント含む)、ソフトウェア、バックアップ、電源、回線について冗長化を行い、2拠点でのデータ相互管理を行っており、災害時の機能停止のリスクは軽減できると想定している。このように情報システムについては十分な体制を構築しているが、想定外のシステム上のトラブルが発生した場合、グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

新規事業について

神戸物産グループは、「業務スーパー事業」において国内食品製造拠点を拡大し、「神戸クック事業」並びに「クックイノベンチャー事業」では中食・外食事業の多店舗化を図っている。また、「エコ再生エネルギー事業」では全国各地に太陽光発電を中心とした電力販売を行っている。それらに対する経営資源の集中と効率化により、競争力の強化・売上の拡大と収益率の向上を目指している。しかしながら、新規事業が想定どおりの成果を得られない場合や何らかの要因により想定外の問題等が発生した場合、グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

有利子負債への依存について

神戸物産グループは、2019年10月期末時点で591億9,500万円の有利子負債残高(リース債務除く)を有している(対総資産比39.4%)。今後もM&A等への投資を行い、事業拡大を進めていくことを計画しているが、有利子負債残高につきましては圧縮に努めている。なお、神戸物産は、既存の長期借入金については、大半を固定金利で調達しており、将来の金利変動リスクをヘッジする施策を講じている。しかしながら、将来において金利が急速かつ大幅に上昇した場合や、既存の固定金利借入の借り換え時の金利情勢によっては、資金調達コストの増加により、グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

自然災害について

地震、風水害、火災、雪害による災害等が発生した場合、神戸物産の食品製造拠点の設備等が大きな被害を受け、その一部又は全部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延する可能性がある。また、物流に支障が生じた場合、店舗への配送が困難になることで業績に悪影響が及ぶ可能性がある。

2019年10月期 有価証券報告書(提出日:2020年1月31日)


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