住友不動産 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 1兆9210億700万 円
銘柄コード 8830(市場第一部(内国株))

住友不動産株式会社は東京都新宿区に本社をおく企業。1949年、財閥解体により(株)住友本社を継承する会社として設立。1957年に住友不動産に商号変更。1962年には東京都文京区に高級賃貸アパート「目白台アパート」を完成。オフィス、マンション、リフォーム、注文住宅からホテル・スポーツ施設やイベントホール・レストランまでを広く扱う。代表的なビルに泉ガーデンタワー、新宿住友ビル、渋谷ガーデンタワーなど。


事業内容とビジネスモデル

事業内容

住友不動産の企業集団は、住友不動産および連結子会社48社ほかにより構成されている。その主要な事業は、以下の5つである。

1つは、「不動産賃貸事業」である。主にオフィスビルや高級賃貸マンションなどの開発・賃貸事業を行っている。また子会社である住友不動産ヴィラフォンテーヌ株式会社がホテル事業を、さらに、住友不動産ベルサール株式会社がイベントホール・会議室等の賃貸事業を行っている。

2つ目に、「不動産販売事業」である。マンション、戸健住宅、宅地などの開発分譲事業を行い、その販売業務は主に住友不動産の住宅分譲事業本部と住友不動産販売株式会社が行っている。なお、マンション分譲後の管理業務は、住友不動産(住宅分譲事業本部)および住友不動産建物サービス株式会社が行う。

3つ目に、「完成工事事業」である。新築そっくりさん事業本部および注文住宅事業本部が、建替えの新システムである「新築そっくりさん」事業、ならびに戸建住宅等の建築工事請負事業を行っている。

4つ目に、「不動産流通事業」である。住友不動産販売株式会社等が、不動産売買の仲介・住宅などの販売代理・賃貸仲介を行う。

最後に、「その他の事業」である。住友不動産エスフォルタ株式会社が、フィットネスクラブ事業を、泉レストラン株式会社が飲食業を行っている。

経営方針

住友不動産は、中期経営計画の達成を経営における最重要課題としている。

住友不動産の主力事業は、「不動産賃貸事業」や「不動産販売事業」である。それらの事業では、用地の取得から建物の完成、収益計上までに、短くても2〜3年がかかる。さらに、再開発事業などの大規模な開発では、5年以上を要するケースも少なくない。

よって、年度計画だけでは、土地の再有効活用を図り収益を最大化するという、不動産業本来の最も重要な視点が損なわれる恐れがある。そのため、住友不動産は、3年ごとの中期経営計画を策定し、その着実な実行を経営の最大眼目としている。

事業戦略

「不動産賃貸事業」では、好調な市場環境に支えられた利益成長を目指す。また、空室率の低下と賃料上昇により拡大した既存ビルの収益力をより強化していく。さらに、既存ビルの通期稼働と、新規竣工ビルの稼働による収益を、確実に取り込んでいく方針である。

「不動産販売事業」では、高水準の利益規模を維持することを目指す。量を追わず、あくまでも利益重視で販売ペースをコントロールしていく。また、競争激化の用地取得環境が続く中、「好球必打」で着実に確保する方針を継続していく。

「完成工事事業」におけるリフォーム(新築そっくりさん)は、良質な住宅ストック形成を目指す国策と合致する市場であり、需要の拡大を見込んでいる。また、注文住宅については、施工・品質管理体制を一段と整備し、事業基盤を強化することで成長の足場を固める方針だ。

「不動産流通事業」においては、完全子会社化による効率化の推進などにより、グループ全体の連携を一層強化し、将来の成長基盤を構築していく。

中長期経営計画

住友不動産のこれまでの成長を支えてきた原動力は、東京都心のオフィスビルを中核とした「不動産賃貸事業」である。営業利益は住友不動産全体の7割近くを占めており、まさに、大黒柱として企業価値の根幹を成している。

住友不動産は、これまで首尾一貫して、①資産売却による一時的な利益は追わず、②開発用地を自ら創り出して建設したビルを、③保有賃貸して長期安定的な賃貸収益を蓄積する、という経営方針を継続してきた。その結果、2020年3月現在、東京都心で230棟超のビルオーナーに成長。2020年3月期の賃貸キャッシュフロー(不動産賃貸事業の営業利益 + 減価償却費)は2,000億円に達している。

「オフィスビル賃貸事業」は、用地取得から商品企画、テナント募集や入居テナントへのサービス、管理に至るまで、総合的な事業遂行能力が必要とされる。その中でも、用地取得は最も重要であり、住友不動産は、土地を買いまとめたり、地権者の権利関係を調整する再開発の手法で、言わばメーカーのようにビル用地を創り出してきた。

加えて、ビル管理やテナント募集でも直接主義を重視し、顧客や現場の実態を的確に把握した上で、常に商品企画の改善や業務の効率化などに鋭意取り組んできた。その結果、高い収益性を実現し、保有不動産の資産価値を高め、企業価値を増大させてきたと自信を見せている。

また、住友不動産は、東京都心における新規ビルの開発を着実に進めている。新規ビルを順次完成、稼働させることにより、さらなる収益基盤の拡大、企業価値の向上、株主利益の増大を目指している。