オリックス 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 2兆8465億9400万 円
銘柄コード 8591(市場第一部(内国株))

オリックスは東京都港区に本社をおく企業。
1964年に各種動産・不動産の賃貸借を目的として設立される。
1973年に東証一部上場、1998年にニューヨーク市場へ上場。
事業投資事業を中心に、リース事業やリテール事業、海外事業と多角的に事業展開している。
独創性を意味する「ORIGINAL」と柔軟性や多様性を象徴する「X(無限大)」が社名の由来であり、近年水族館や高齢者住宅の運営等も手掛けている。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

オリックスは東京都港区に本社をおく企業。1964年、日綿実業(現・双日)、日商(現・双日)、岩井産業(現・双日)の3商社および三和銀行(現・三菱UFJ銀行)、東洋信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)、日本勧業銀行(現・みずほ銀行)、神戸銀行(現・三井住友銀行)、日本興業銀行(現・みずほ銀行)の5銀行を株主として創立された。その目的を「各種動産、不動産の賃貸借及び売買」「前号に関連する一切の事業」「前各号に関連する事業に出資し、その事業を営む他会社の株式を保有し及びその発起人となること」として、大阪市中央区高麗橋にオリエント・リース株式会社が立ち上がった。

設立時の社員は13人、米国のU.S.リーシング社からリースビジネスを学び、米国から帰国したばかりの宮内義彦氏(現 シニア・チェアマン)もそのメンバーの一人であった。

1973年に東証一部へ株式上場を果たし、1998年にニューヨーク市場にも上場した。事業投資事業を中心に、リース事業やリテール事業、海外事業と多角的に事業展開している。

独創性を意味する「ORIGINAL」と柔軟性や多様性を象徴する「X(無限大)」が社名の由来であり、近年水族館や高齢者住宅の運営等も手掛けている。

事業内容

オリックスグループはオリックス、連結子会社923社(変動持分事業体及び特別目的事業体等を含む)及び関連会社204社から構成されている。オリックスは金融サービス等の顧客への提供を中心とした様々な事業を展開している。

事業部門は、法人金融サービス事業部門、メンテナンスリース事業部門、不動産事業部門、事業投資事業部門、リテール事業部門、海外事業部門の6つからなる。

法人金融サービス事業部門

オリックス株式会社や弥生株式会社などにより、金融サービス、各種手数料ビジネスを展開する。

法人金融サービス事業部門では、競争の激しいリースや融資では収益性を重視した案件を選別して実行する一方、国内の中堅・中小企業に対して生命保険、環境エネルギー、自動車リース関連などの商品・サービスを幅広く提供する手数料ビジネスにも注力している。

また、国内各地域に根差した営業ネットワークを活用した事業承継支援や新機軸の創生、業務ソフトウエアサービス会社である弥生の顧客基盤拡大なども進め、利益成長を図っている。

メンテナンスリース事業部門

オリックス自動車株式会社やオリックス・レンテック株式会社などにより、自動車リース事業、レンタカー事業、カーシェアリング事業、電子計測器・IT関連機器等のレンタル事業およびリース事業を展開する。

メンテナンスリース事業部門の主力を占める自動車関連事業においては、業界トップの車両管理台数と自動車に関するあらゆるサービスをワンストップで提供することで競争優位性を高め、大口法人市場に加え中小法人や個人市場におけるシェアの拡大を図っている。

また、将来的な自動車業界の産業構造の変化を新たな収益機会に転換すべく、新たな商品・サービスの開発にも取り組んでいる。

「オリックス・レンテック」が行うレンタル事業においては、電子測定器やIT関連機器に加え、ロボットやドローンなどの新たなサービスを拡大するなど、エンジニアリングソリューション事業を強化している。

不動産事業部門

オリックス株式会社、オリックス不動産株式会社、オリックス不動産投資顧問株式会社、株式会社大阪シティドーム、オリックス・アセットマネジメント株式会社、株式会社大京などにより、不動産開発・賃貸・管理事業施設運営事業、不動産の資産運用事業を展開する。

不動産事業部門では、好調な不動産市場を捉えて賃貸不動産等を売却する一方で付加価値を生みだせる不動産開発案件への投資により資産の入れ替えを進め、REIT(Real Estate Investment Trust:不動産投資信託)や投資顧問といったアセットマネジメント事業の規模を拡大し、不動産市況に影響されにくい収益基盤を築いている。

また、ホテル、旅館などの多様な施設運営により専門性を蓄積することで安定収益の獲得を目指している。

大京との一体化による相互補完をはかり、不動産開発・賃貸を始め、アセットマネジメント、施設運営、マンション管理、ビル管理、工事請負、不動産流通に至るまで多様なバリューチェーンを活用し、総合力を生かした新規事業を創出している。

事業投資事業部門

オリックス株式会社、オリックス環境株式会社、オリックス債権回収株式会社などにより、環境エネルギー事業、企業投資事業、コンセッション事業を展開する。

環境エネルギー事業では、総合エネルギー事業者として再生可能エネルギー事業や電力小売事業を推進することで、サービス収入の拡大を目指している。太陽光発電事業では、国内最大級の出力規模を確保しており、順次稼働を進めている。今後は、国内での経験を活かし、再生可能エネルギー事業の海外展開を加速していくことを目指す。

企業投資事業では、投資先からの安定した利益の取り込みと、ポートフォリオの入れ替えによる継続的なキャピタルゲインの獲得を目指している。今後は、投資手法の多様化と注力業種への投資拡大を図る。

またコンセッション事業では、3空港(関西国際空港、大阪国際空港、神戸空港)の運営体制を強化するほか、空港以外の公共インフラの運営へも積極的に取り組んでいる。

リテール事業部門

オリックス生命保険株式会社、オリックス銀行株式会社、オリックス・クレジット株式会社などにより、生命保険事業、銀行事業、カードローン事業を展開する。

生命保険事業は、代理店販売と通信販売を中心にシンプルでわかりやすい商品を提供することで、新規保険契約の伸長と生命保険料収入の増加を目指している。

銀行事業では、収益の主軸である投資用不動産ローンの残高を積み上げることで金融収益の増加を図っている。

またカードローン事業では、与信ノウハウを生かし、自ら貸付を行うことで金融収益の増加を図ることに加え、他の金融機関への保証事業を拡大することで、保証料収入の増加を図っている。

海外事業部門

オリックス株式会社、ORIX Corporation USA、ORIX Corporation Europe N.V.、ORIX Aviation Systems Limited、ORIX Asia Limited、ORIX Leasing Malaysia Berhad、PT. ORIX Indonesia Finance、ORIX Australia Corporation Limited、欧力士(中国)投資有限公司、ORIX Capital Korea Corporation、Thai ORIX Leasing Co.,Ltd.、ORIX Auto Infrastructure Services Limitedなどにより、アセットマネジメント事業、航空機・船舶関連事業、企業投資事業、金融事業を展開する。

米国では、法人向けファイナンスや債券投資などのアセットビジネス、エクイティ投資に加え、サービシング、アセットマネジメント、ファンドマネジメントなどの手数料ビジネスにも注力して、さらなる事業の拡大を目指している。

ORIX Europeは、顧客から受託した資金を株式、債券等に投資する資産運用事業において、受託資産の拡大を目指している。また欧州における戦略的事業拠点として、幅広くビジネス機会の獲得に取り組んでいる。

航空機関連事業では、オペレーティング・リースや国内外投資家向けの機体売却、第三者保有機のアセットマネジメントサービスなど、幅広い収益機会の獲得に注力している。今後は、海外現地法人におけるさらなる機能の拡充と収益性を重視した事業の拡大を推進していく。

経営方針

オリックスはグループとして、企業理念、経営方針、行動指針を定めている。

企業理念

「オリックスは、たえず市場の要請を先取りし、先進的・国際的な金融サービス事業を通じて、新しい価値と環境の創造を目指し、社会に貢献してまいります」

4つの経営方針

「オリックスは、お客様の多様な要請に対し、たえず質の高いサービスを提供し、強い信頼関係の確立を目指します」

「オリックスは、連結経営により、すべての経営資源を結集し、経営基盤の強化と持続的な成長を目指します」

「オリックスは、人材の育成と役職員の自己研鑽による資質の向上を通じ、働く喜びと誇りを共感できる風土の醸成を目指します」

「オリックスは、この経営方針の実践を通じて、中長期的な株主価値の増大を目指します」

2つの行動指針

「Creativity(先見性と柔軟性を持って、たえず創造力あふれる行動をとろう)」

「Integration(お互いの英知と情報を結合させ、人間的なふれあいを通じて、グループ力を高めよう)」

経営指標

オリックスは持続的な成長に向けて、収益力の観点からオリックス株主に帰属する当期純利益を、資本効率の観点からROE(株主資本・オリックス株主に帰属する当期純利益率)を、健全性の観点から信用格付を経営指標としている。

経営環境

世界経済は米中貿易摩擦の激化を主因に減速したものの、米国金融政策が積極的な金融緩和に転じたことに加え、徐々に米中貿易摩擦緩和の期待が高まり景気持ち直しの兆しが見られた。

しかし、2020年初めからは、新型コロナウイルス感染症の感染が世界中に拡大し、その防止策として各国政府が人の移動制限等の措置を取ったことから需要消失やサプライチェーン寸断に直面し、景気後退懸念からグローバルにリスク資産の価格は大幅に変動した。

一方、雇用の急激な悪化や企業の資金繰り悪化に対し、各国金融当局による金融緩和ならびに各国政府が大胆な財政政策を打ち出した結果、リスク資産の価格は年度末にかけやや落ち着きを見せた。新型コロナウイルスの感染拡大により世界経済は大きく下振れし、収束時期を巡り予断を許さない状況が続くと予想される。

経営戦略

オリックスの事業は世界経済と景気動向、資産価格などの動向に大きく左右される、2020年3月期において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による特筆すべき影響はなかったが、いくつかの事業分野で事業環境の悪化や、収益悪化の兆候が見られた。今後の世界経済の動向次第では、オリックスの業績に影響が表れる可能性がある。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるマイナス影響を受けた事業

2020年上半期時点において、不動産事業部門におけるホテル・旅館等の施設運営事業では、国・地方自治体の要請による各施設の臨時休館や観光需要の減少等による運営収益の悪化が見られる。

事業投資事業部門におけるコンセッション事業の空港運営事業では、損益取込時期の違いにより当連結会計年度への影響は軽微でしたが、航空旅客需要の低下に伴う発着便数・旅客数の減少による運営収益の悪化が見られる。

また、海外事業部門における航空機リース事業でも、当連結会計年度への影響は軽微でしたが、航空会社の収益悪化に伴うリース料の支払猶予要請の発生等の影響を受けており、海外事業部門における将来的な減益要因となる可能性がある。

これらの3つの事業に関しては、その影響が一時的なものに留まらない可能性が高いと考えているが、この影響の程度と期間は、オリックスのコントロールが及ばない要因に左右される。

注視が必要な事業

法人金融サービス事業部門、メンテナンスリース事業部門、海外事業部門のうち米国及びアジア地域の現地法人で手掛けているファイナンス・リース、オペレーティング・リース並びに営業貸付金の各事業においては、今後、与信先の業況悪化に伴う不良債権の増加が生じる可能性がある。さらに、不動産事業部門における不動産賃貸事業において、一部のテナントから賃料の支払猶予や減額の要請が出ており、注視が必要である。

また、第4四半期にリスク資産の価格が大幅に変動したことから、「ORIX Corporation Europe N.V.」が手掛けている資産運用事業の受託資産額の減少が見られたため、受託資産額の回復が遅れた場合には、アセットマネジメント収入が減少する可能性がある。

対処すべき課題

オリックスは、経営環境に柔軟かつ迅速に適応していく企業体質を、常に維持し進化させていくことが重要だと考えている。持続可能な成長に向けて、サステナビリティの推進、統合リスク管理の強化、情報セキュリティの強化とデジタルトランスフォーメーションと、3つの取り組みを進めている。

サステナビリティの推進

サステナビリティ推進チームを設置し、「サステナビリティポリシー」「人権ポリシー」「サステナブル投融資ポリシー」を制定し、投融資案件の選定や事業部門の目標(KPI)にサステナビリティの要素を加え、定着化を図っている。

統合リスク管理の強化

2017年6月に設置したERM本部では、内部統制に加え主に非財務リスクの管理の高度化を推進し、当連結会計年度は投資案件の審査・モニタリングのプロセスに非財務リスクチェックを組み込み、リスク管理対象を広げた。

情報セキュリティの強化とデジタルトランスフォーメーション(情報化推進)

深刻な経営リスクとなりつつあるサイバー攻撃リスクに対応するため、2018年6月に情報セキュリティ統括部を設置し、セキュリティ対策を高度化した。また、ビジネス環境の変化や、世の中の新技術が既存事業の脅威となるような状況に対応するため、2019年8月にデータ改革部とデジタルイノベーション促進部を設置し、これまでに蓄積した膨大な取引データの有効利用、AIの活用による課題解決を進め、新規事業開発や既存事業の収益向上を図っている。

事業等のリスク・業績変動要因

新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響

2020年初めから、新型コロナウイルス感染症が世界中に拡大し、その防止策として各国政府が外出禁止、渡航、出入国制限など人の移動制限や興行場・店舗の営業制限等の要請・指示措置をとったことにより、世界経済や企業の事業活動に影響が出てきている。特にこれらの影響を大きく受ける事業として、旅行・レジャー関連、旅客運送、外食、宿泊等の個人消費に関連する各事業がある。新型コロナウイルス感染症の感染拡大により世界経済は大きく下振れし、収束時期を巡り予断を許さない状況が続くと予想される。

このような状況のなか、オリックスグループのいくつかの事業は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により影響を受けている。不動産事業部門におけるホテル・旅館等の施設運営事業では、国・地方自治体の要請による各施設の臨時休館等による運営収益の悪化、事業投資事業部門におけるコンセッション事業の空港運営事業では、航空旅客需要の低下に伴う発着便数・旅客数の減少による運営収益の悪化、ならびに海外事業部門における航空機リース事業では航空会社の収益悪化に伴うリース料の支払猶予要請の発生などの影響を受けており、その影響が継続する可能性がある。

また、その他の事業においても経済の減速に伴う収入の減少、与信先の業績悪化に伴う与信関係費用の増加、市場の価格変動による資産価値の減少、感染拡大防止対応のための費用増加による収益の悪化といった影響を受けることが考えられる。

オリックスグループでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため、在宅勤務、対面式の会議の制限、国内および海外の出張の制限などの予防策を実施している。これらの対策により、オリックスグループの事業活動の低下、効率性の悪化などの影響が考えられる。

オリックスグループは、グローバル企業として世界37ヵ国・地域にわたり多種多様な事業を行っている。そのため、今後、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大が続いた場合、オリックスグループの全ての事業に対して同時多発的に影響を及ぼす可能性がある。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックが長期化した場合には、与信先の業績悪化に伴う不良債権の増加、受託資産額の減少等が生じる可能性があり、収入の減少、費用の増加が発生する可能性がある。また今後の感染拡大の動向次第では、流動性リスクの増加や調達コストの上昇が生じる可能性があり、想定外のリスクが高まる可能性がある。さらに、新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、現時点では認識していない、または予想していない事業、経営および財務結果に影響を与える可能性がある。

外部環境に関するリスク(予測不能な事象のリスク)

世界経済の低迷や政治情勢の混乱などによる影響:
オリックスグループは日本のみならず、米州、欧州、アジア、大洋州、中東などにおいても事業を行っている。これらの国や地域およびこれらに影響を与える他の国々における経済状況および政治情勢の悪化、例えば、財政および金融政策の変化、商品市況の大幅変動、消費者需要の落ち込み、貿易摩擦などが生じた場合には、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性がある。オリックスグループでは、リスク管理手法を不断に改善し、上記のような経済環境からの影響が最小限にとどまるよう努めているが、今後、世界経済の低迷や政治情勢の混乱などが生じた場合には、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性がある。

他社との競争によるマーケットシェアや利益への影響:
オリックスグループは、価格設定、取引条件、取引の仕組み、サービスの品質等において、他社との競争にさらされている。競合他社は、オリックスグループより原価や資金調達コストが低い、あるいは収益性を度外視した、顧客に有利な取引条件を提示する可能性がある。オリックスグループがこのような他社と競り合う場合、マーケットシェアが低下したり利益が減少する可能性がある。

風評による影響:
オリックスグループの事業は、顧客や市場関係者からの信頼を基盤としている。オリックスグループの活動や、関連する業界、取引先について否定的な評判が広まった場合、その内容が事実かどうかに関わらず、オリックスグループの評判や事業に対する信頼が低下する可能性がある。その場合、顧客や事業機会を失い、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性や、株価に不利な影響が及ぶ可能性がある。

天災等の影響:
予測不能な事象には、地震、暴風雨、洪水、津波などの自然災害、気候変動の影響等による異常気象、火災、感染症の大流行や、事故、戦争、暴動、テロなどの人的な事象などが含まれる。このような事象が発生した場合、市場価格が想定を超えて変動したり、特定の国や地域の経済状況が予期せず悪化したり、オリックスグループの役職員、事務所、設備、運営施設などに被害が発生する可能性がある。その結果、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性がある。

大株主による株式処分の影響:
2019年6月26日から2020年6月29日までの間に、オリックスグループの株主のうち2社が金融商品取引法に基づく大量保有報告書を提出しており、その提出時点においてオリックスグループの発行済株式総数の5%を超える株式を保有している。オリックスグループの株主は、戦略上、投資上、またはその他の理由から、オリックスグループ株式の保有割合を減少させる可能性がありる。特にこのような大株主が株式を処分した場合、オリックスグループの株価に不利な影響が及ぶ可能性がある。また、国内外の経済環境や政治情勢の変動によって外国人投資家が日本株式の保有割合を減少させた場合、外国人持ち株比率が高いオリックスグループ株式はその影響を受けやすく、オリックスグループの株価に不利な影響が及ぶ可能性がある。

信用リスク

(信用リスクの定義:「与信先のデフォルト、もしくは信用状態の悪化に伴う、債権回収の不確実性」)

オリックスグループは、ファイナンス・リースおよび営業貸付金に対して貸倒引当金を計上しているが、この残高が、将来の貸倒損失を補填するのに十分であるという保証はない。オリックスグループが事業を行っている国内外の経済環境が悪化した場合、もしくは特定の業界や市況、顧客が悪化した場合、現在の貸倒引当金では不十分となる可能性がある。

オリックスグループでは、ポートフォリオを管理しリスク分散に努めているが、景気動向などによっては、貸倒引当金の追加繰入が必要となる可能性がある。また、金融、経済情勢の変化によって担保や中古物件の価値が下落した場合や、その他保全措置からの回収見込額が減少した場合に、その他の与信関係費用が増加する可能性がある。このような場合、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性がある。

ビジネスリスク

(ビジネスリスクの定義:「事業や投資先の投資回収の不確実性、提供する商品・サービスの品質の低下・陳腐化や、商品市況の価格変動性」)

事業拡大やM&A、他社との合弁、提携などの不確実性による影響:
オリックスグループは、国内外で積極的に事業を拡大しているが、新たなリスクや複雑化したリスクに直面した場合、これらのリスクに十分に対応できず、予期しない多額の費用が発生する、あるいは損失を被る可能性がある。このような費用や損失は、規制上、技術上またはその他の要因により、買収を通じて事業拡大する際には特に重大な問題となる可能性がある。また、事業や事業機会が想定どおり拡大しない場合や、他社との競争により収益性が損なわれる場合などは、期待した結果を得られない可能性もある。

オリックスグループは、事業拡大の一環としてM&Aを実施することがあるが、買収後の収益が、買収時に見込んだ将来の予想収益を大幅に下回る場合、M&Aに伴い発生したのれん(営業権)等について、多額の減損処理が必要となる可能性がある。オリックスグループの投資先の事業は多岐にわたっており、なかには金融サービス事業とは大きく異なっているものもある。これらの事業が失敗すると、財務上の損失を被るだけではなく、将来の事業機会を失う、あるいは、当初想定した時期や価格で売却できない等の可能性がある。また、これら投資先の財政状態が悪化した場合、信用補完や追加投資などの財政支援が必要となる可能性もある。

また、オリックスグループは、他社との合弁や提携などによる事業も行っている。これらの成否は、当該パートナーの事業遂行能力、財務の安定性、事業を取り巻く法的環境などに依存するが、それらが悪化した場合、追加投資が必要となる、損失が発生する、さらには事業を中止せざるをえなくなる可能性がある。このような場合、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性がある。

資産価値変動による影響:
オリックスグループは、事業運営に必要な様々な資産を保有するとともに、国内外において、不動産、航空機、船舶などへの投資も行っている。これらの保有資産や投資資産の価格は変動する可能性があり、その価値は将来著しく下落する可能性がある。保有資産や投資資産に評価損が生じた場合は、会計基準に準拠してその認識時点における公正価値に基づき計上さるが、流動性需要が突然発生した場合、あるいは顧客のクレジットイベントの対応として、当該資産を売却した場合の損失は、必ずしもこれら評価損の範囲内に収まるとは限らない。

また、一部のリース取引においては、リース開始時にリース契約終了時の物件の残存価額を見積もる。リース物件の残存価額は、中古市場における時価、物件陳腐化の時期や度合いなどの想定に基づいて算出するが、物件価格と中古市場のトレンドが想定と異なる場合、その見積額を回収できずに損失を被る、あるいは評価損の計上が必要になる可能性がある。

そのほか、オリックスグループは、資産運用事業を行っているが、市場において株式などの資産価格が変動した場合、運用成績に影響が及び、受託資産残高や手数料が減少し、オリックスグループの収益が低下する可能性がある。このような場合、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性がある。

その他のビジネスによる影響:
オリックスグループは、金融サービス事業をはじめとして、国内外で多種多様な事業を展開している。新たな事業へ参入した後の業績には様々な不確実性を伴うため、想定を超えるリスクが発生した場合、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性がある。

市場リスク

(市場リスク:「金利、為替、株価などの市況の変動によって保有する資産と負債の公正価値が変動するリスク」)

金利および為替相場の変動による影響:
オリックスグループの事業は、国内外の金利や為替相場の変動リスクにさらされている。オリックスグループでは資産と負債の状況をモニタリングし、統合管理(ALM)を行っているが、金利水準や為替の変動により影響を受ける可能性がある。金利の急激な上昇もしくは上昇懸念時には、調達コストが上昇する一方で、ファイナンス・リースおよび営業貸付金などの新規取引において、市場金利の上昇に見合うリース料や貸付金利の引き上げを実現できない可能性がある。

貸付金利が変動金利の場合、金利の上昇時には、当該貸付に対する顧客の支払負担が増加し、顧客の支払能力や財政状態に悪影響が及ぶ可能性がある一方、金利の低下時には、営業貸付金の期限前弁済を促進させ、オリックスグループの資産が減少する可能性があり、金利水準の変動がオリックスグループの資産の信用状況や資産の構成に影響を与える可能性もあり、オリックスグループの収益創出力に影響を与える可能性がある。

オリックスグループは、外貨建ての営業取引や、海外投資に伴う為替リスクに対してすべての為替リスクをヘッジしているわけではない。したがって、金利や為替の水準が大きく変動した場合、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性がある。

デリバティブ取引によるリスク管理が機能しない場合の影響:
オリックスグループは、主に投資資産の価格変動リスク、金利変動リスクおよび為替変動リスクをヘッジするために、デリバティブ取引を利用することがある。しかしながら、ヘッジ対象資産の評価額の把握やデリバティブ取引の執行が適切に行われないことや、市場環境の急変により継続取引や反対取引が困難になり、意図した経済効果が得られない等、デリバティブ取引によるリスク管理が十分に機能しない可能性がある。また、デリバティブ取引の相手方が契約上の債務を履行できない可能性もある。

一方、オリックスの信用格付が引き下げられた場合は、既存のデリバティブ契約や、新規のデリバティブ取引に不利な影響が及ぶ可能性がある。これらの場合、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性がある。

株価および債券価格の変動による影響:
オリックスグループは国内外において、上場、非上場の株式(持分法適用関連会社を含む)および債券への投資を行っている。これらの投資資産の価格は変動するものであり、その価値は将来著しく下落する可能性がある。価格の著しい下落があった場合、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性がある。

流動性リスク(資金調達に関するリスク)

(流動性リスク:「市場の混乱やオリックスグループの財務内容の悪化などにより必要な資金を確保できない、または資金調達にあたり、著しく高い金利でしか調達できなくなるリスク」)

オリックスグループの主な資金調達方法は、銀行およびその他の金融機関からの借入、資本市場からの調達(例えば、社債、ミディアム・ターム・ノート、コマーシャル・ペーパーおよびリース債権や営業貸付金等の証券化)、ならびに預金などがある。その中には、コマーシャル・ペーパーや一部の金融機関からの短期借入等の短期負債、および一年以内に返済予定の長期負債も相当額ある。コミットメントラインには、財務制限条項の遵守などの条件を含むものがある。

オリックスグループにとって流動性リスクが増加することは、新規の資金調達や既存の調達資金の期日更新が困難になる、調達コストが上昇するといった可能性が高まることを意味する。流動性の制限や、必要な資金を適正なコストで調達できなくなるなどの事態が発生した場合、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に重大な影響が及ぶ可能性がある。

また、オリックスは格付機関から信用格付を取得している。市場の混乱やオリックスグループの財務内容の悪化などにより、オリックスの信用格付が引き下げられた場合、オリックスグループの金利負担が増加する可能性がある。コマーシャル・ペーパーや社債の発行コストの上昇、銀行およびその他の金融機関からの借入コストの上昇や借入可能額の減少、エクイティ調達条件の悪化など、資金調達力に不利な影響が及ぶ可能性があり、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に重大な影響が及ぶ可能性がある。

コンプライアンスリスク

(コンプライアンスリスク:「オリックスグループの事業や企業経営に適用される法令を遵守しないことや、オリックスグループの社内方針、社内規程および社会規範等に違反することから生じる損害、損失、不利益または風評による影響を受けるリスク」)

オリックスグループでは、法令や社内規程を遵守するため、適切なコンプライアンス体制を構築し、コンプライアンスプログラムを実施するなど、コンプライアンスの徹底を図っているが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限らない。

また、オリックスグループの事業は広範囲に及んでおり、新規事業への進出やM&Aなどによる事業の拡大に伴い、内部統制が効果的に機能しない可能性がある。このような場合、オリックスグループ(役職員を含む)が制裁や罰則の適用を受けることがあり、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績ならびに評判に不利な影響が及ぶ可能性がある。

法的リスク

(法的リスク:「オリックスグループの事業や企業経営に適用される法令およびそれらの法令の制定や改正ならびに規制当局の監督、または契約の不備により、オリックスグループの事業活動への制限や法的責任、法的不利益が発生するリスク」)

法規制による影響:
オリックスグループは、各国の会社法、企業開示規制法、独占禁止法、個人情報保護法、腐敗行為防止法など一般に適用される法令のほかに、金融商品取引業、貸金業、割賦販売業、保険業、銀行業、信託業、宅建業、建設業など業態ごとに適用される各国の法令の規制や、さらには事業種別に応じて規制当局の監督を受けている。また、オリックスグループの事業に関連して提訴されたり、規制当局などの調査対象となった場合、法令違反の事実の有無に関わらず、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性がある。

法令や会計基準などの制定や改正、変更による影響:
法令、規則などの制定や改正、変更が行われた場合、オリックスグループの各事業の遂行方法や、商品やサービス、またはオリックスグループの投資先や融資先、資金の調達先の活動に制限が加わる等の悪影響を及ぼす可能性がある。また、これらの制定や改正、変更に対処する費用が増大する可能性がある。

昨今では、個人情報保護、腐敗行為防止、反競争的行為防止等の分野において、日本国内での事業活動に直接適用されるような諸外国の法令が制定されており、今後もこのような法令が増え続ければ、一つの分野においても複数国の異なる法規制に対処しなければならないために、把握すべき法規制の数が大幅に増えるほか、費用が増大する可能性がある。

会計基準の制定や改正、変更が行われた場合は、オリックスグループの収益性や財務の健全性に変わりはなくても、関連業界、取引先や金融市場にネガティブな影響が及ぶ可能性がある。その結果、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性がある。

契約不備による影響:
各種取組の際、必要な契約を締結しなかったり、オリックスグループの意図した取組内容が契約条件に正しく反映されていない場合、権利侵害等の不法行為や契約違反を理由として契約の相手方や第三者からクレームを受けたり、想定していた権利が得られずに取組に支障を来す等、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性がある。

情報リスク

(情報リスク:「情報の紛失・滅失・毀損・漏洩や情報システム障害により損失を被るリスク」)

情報の紛失・滅失・毀損・漏洩の影響:
オリックスグループは、個人情報を含む顧客情報およびオリックスグループの財務情報や人事情報など、様々な情報を保有している。これらの情報を適切に管理するため、社内規程の制定や役職員への教育などを実施している。また、サイバー攻撃対策として情報システムの脆弱性対策やネットワーク防御等の技術的施策も実施している。しかし、これらの対策が必ずしも有効に機能するとは限らず、情報を紛失、滅失、毀損あるいは漏洩する可能性がある。

このような場合、オリックスグループが個人情報保護法や欧州一般データ保護規則のような関連法令により政府による調査、訴訟またはその他の手続を受けたり、損害賠償請求を受けたりする可能性がある。さらに顧客やマーケットの信頼を失い、オリックスグループの評判が悪化するなど、事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性がある。

システム障害等による影響:
オリックスグループは、事業の意思決定やリスク管理の一環として、財務取引や個人情報の管理、事業のモニタリングおよび業務処理を行うにあたり、情報システムを活用している。また、これらの業務処理を外部へ委託することもある。

このようなシステムは、停止や誤作動などの不測の事態、役職員や外部委託先、第三者による誤操作や不正行為、サイバー攻撃によるハッキング、不正アクセス、業務妨害や、大規模自然災害などが発生した場合、入出金に関する障害の発生など業務活動へ悪影響が生じたり、機密情報や個人情報が、滅失、毀損または漏洩する可能性がある。また、事業の意思決定やリスク管理に利用する情報が誤っていたり、顧客に提供しているサービスが中断したり、企業活動そのものが中断したりする可能性もある。

このような場合、オリックスグループの資金の流動性、あるいはオリックスグループからの資金調達や支払に依拠している顧客の資金の流動性への悪影響が生じる可能性もある。さらに、事業を復旧させるのに多額の費用が必要となる、または、関連法令に違反するとして事業を行う管轄区域における規制当局から罰則を受けたり、損害賠償の対象となる可能性があり、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性がある。

オペレーショナルリスク

(オペレーショナルリスク:「業務執行にかかる内部プロセスの不備や、必要な人材が確保できないこと、人が適切に機能しないこと、または災害などの外生的事象によりオペレーションが適正に機能しなくなることから生じる損害、損失、不利益、または風評による影響を受けるリスク」)

財務報告にかかる内部統制に指摘を受けた場合の影響:
オリックスグループは、法令などの遵守のために、財務報告にかかる内部統制の構築とその評価に注力しているが、オリックスグループの内部統制関連部門や当社の会計監査人がオリックスグループの財務報告にかかる内部統制について重要な欠陥を指摘し、財務報告にかかる内部統制が有効でないとの報告を行う可能性がある。このような事態が発生した場合、オリックスグループの財務報告に関する投資家の信頼低下などにより、オリックスグループの株価が下落し、オリックスグループの評判が悪化するなど、事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性がある。

リスク管理が十分効果を発揮しないことによる影響:
オリックスグループは、リスク管理の強化に注力しているが、事業が急速に拡大したり、外部環境が大きく変化した場合、リスク管理が必ずしも十分な効果を発揮しない可能性がある。その結果、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性がある。

人的資源を確保できないことによる影響:
オリックスグループの事業では、国内外の市場で他社と競争し成功するため、多様な人的資源を安定的に確保する必要がある。オリックスグループが必要な人材を育成または雇用できない場合や、雇用している人材が退職した場合、専門家の雇用に関わるコストが追加発生したり、または商品やサービスの品質が低下したり、安定的な業務運営が継続できなくなるなど、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性がある。

その他のオペレーショナルリスクによる影響:
オリックスグループの多様な業務の遂行には、様々なオペレーショナルリスクが伴う。例えば、不適切な販売行為や顧客クレームへの対応不備、社内での重要情報の共有不足、役職員、代理店、フランチャイジー、取引先、外部委託先および第三者による不正行為、資金決済事務におけるミス、または、労務管理および職場環境での問題発生などのリスクが考えられる。

また、新たに商品やサービスを提供する際に、業務を適切に処理する体制とオペレーションを遂行する能力が求められるが、体制に不備のある場合またはオペレーションの遂行能力が不足していた場合は、マーケットや顧客からの信頼を損ない、収益の悪化や事業の撤退に繋がる可能性がありる。

オリックスグループの経営陣は、オペレーショナルリスクを管理し、適正と考える水準を維持するように努めているが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限らない。このようなリスクが顕在化した場合には、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性がある。


2020年3月期 有価証券報告書(提出日:2020年6月29日)