オムロン 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 2兆3346億9200万 円
銘柄コード 6645(市場第一部(内国株))

オムロン株式会社は京都市下京区に本社をおく企業。1933年に立石一真が大阪市都島区東野田に立石電機製作所として創業し、レントゲン写真撮影用タイマの製造を開始。1959年に商標をOMRONと制定し、1960年には世界初の無接点近接スイッチを開発。1990年に現在の社名に変更。現在は、制御機器・FAシステム事業、電子部品事業、車載電装部品事業、社会システム事業、健康医療機器・サービス事業などを展開。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

オムロン株式会社は京都府京都市に本社を置く電子機器メーカー。1933年に立石一真氏が大阪市都島区東野田に立石電機製作所として創業し、レントゲン写真撮影用タイマの製造を開始。1959年に商標をOMRONと制定し、1960年には世界初の無接点近接スイッチを開発。1996年に東京証券取引所第一部に上場。1990年に現在の社名に変更。

事業内容

オムロングループは、オムロンおよび子会社129社(国内27社、海外102社)、関連会社19社(国内7社、海外12社)により構成。電気機械器具、電子応用機械器具、精密機械器具、医療用機械器具、およびその他の一般機械器具の製造・販売およびこれらに付帯する業務を中心とした事業を営む。製品の範囲は産業用制御機器コンポーネントの全分野およびシステム機器、さらには生活・公共関連の機器・システムへと広範囲に及んでいる。

オペレーティング・セグメントごとの主要な事業内容、および主な関係会社は次のとおり。

インダストリアルオートメーションビジネス

業界随一の幅広い制御機器とユニークな制御技術でモノづくり現場を革新し、世界の製造業の生産性向上に貢献。

エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネス

汎用アプリ(民生)機器、車載機器、環境/エネルギー機器、産業機器に内蔵する制御コンポーネントやモバイル機器に内蔵するコンポーネントなど幅広い分野で、グローバルに電子部品を提供。

ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス

安心・安全・快適に生活し続ける豊かな社会の創造に向け、センシング&コントロール技術およびソフトウェア、メンテナンスのトータルサービスでソリューションを構築し、顧客とともにより良い社会づくりに貢献。

ヘルスケアビジネス

家庭で測る身近なものから医療機器まで、生活習慣病の予防・改善、疾病管理に役立つ数多くの商品やサービスをグローバルに提供し、人々の健康とすこやかな生活への貢献をしている。データサービス事業においては、さまざまな健康・医療関連の他社アプリケーションとデータ連携が可能な『OMRON connect』を提供。また、コーポレートウェルネス、遠隔診療などのサービスを提供し、人々の健康管理をサポート。

その他

事業の育成・強化や新規事業の探索・育成を目的とした事業を行う。

経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

オムロングループは、2011年にスタートした10年間の長期ビジョン『Value Generation 2020』(以下、『VG2020』)に基づき、「質量兼備の地球価値創造企業」を目指した経営を推進している。その中で、『VG2020』の最終ステージである中期経営計画『VG2.0』(以下、『VG2.0』)を2017年度よりスタートした。オムロングループが『VG2.0』において捉えた労働力不足、少子高齢化、気候変動などの社会的課題は年々顕在化している。

オムロングループでは、『VG2.0』全社方針を「技術の進化を起点に、イノベーションを創造し、自走的成長を実現」としている。コア技術である『センシング&コントロール+Think』を進化させ続け、技術革新をベースに新たなソーシャルニーズを創造することで、持続的な成長を目指していく。

2019年度の結果

『VG2.0』の3年目は、「逆風下で、したたかに“自走的な成長構造の確立”を進める。『収益力』『成長力』『変化対応力』の強化」を基本方針に掲げて取り組んだ。2020年3月期は、売上高8,300億円、営業利益650億円、売上総利益率(GP率)42%を期初の目標に掲げた。その後、2019年4月に車載事業の株式等譲渡を発表したことに伴い、通期見通しを車載事業を除く継続事業の売上高7,090億円、営業利益575億円、GP率45.5%に修正した。

車載事業を株式等譲渡した目的は、同事業が大変革期にある自動車産業の中で発展し生き残っていくため。加えて、オムロンの事業ポートフォリオをより強化し、絞り込まれた事業領域に対して経営リソースを集中させ、競争戦略と成長戦略を加速させるため。その後、2019年10月には、米中貿易摩擦による事業環境の悪化を受け、売上高6,700億円、営業利益450億円、GP率44.5%に改めて修正した。2020年1月以降に新型コロナウイルス感染症の拡大によるマイナス影響を受けが、結果は、売上高6,779億80百万円、営業利益547億60百万円、GP率44.8%と、見通しを大きく上回って達成することができた。

基本方針に掲げた「成長力」「収益力」「変化対応力」強化の取り組みも着実に進捗させた。具体的には次に述べる通り。『VG2.0』前半の2年間(2017~2018年度)で構築した商品力、技術力、事業インフラなどの資産を成果に結びつける取り組みを加速した。具体的には制御機器事業では、を推進、加速している。そのために、製造現場の課題を顧客とともに解決する拠点である、オートメーションセンタをグローバルで37拠点まで拡大した。2020年1月には、世界最大のオートメーションセンタをATC-TOKYOとして東京の品川に開設し、東京という立地を活かして、世界中の顧客の経営トップや工場長を招待し、顧客との共創を実現している。また、共創によるソリューションを具現化するアプリケーションエンジニアの人員数を2割増強し、顧客の課題を解決する力を強化。

ヘルスケア事業では、重篤な循環器疾患イベントをなくすことを目指し、革新的なデバイスによるソリューション展開を進めている。血圧を常時計測できる世界初となる腕時計型の「ウェアラブル血圧計」を日米欧で発売した。また、血圧と心電の同時計測を実現する「心電計付き血圧計」を米国で発売した。いずれの製品も米国のFDA(Food and Drug Administration/アメリカ食品医薬品局)をはじめとする医療機器認証を取得した世界初の商品。今後、グローバルでの販売拡大を見込んでいる。

また、再生可能エネルギー領域においては、エネルギーマネジメントにおけるトータルソリューションを提案できる体制を構築した。こうした取り組みの結果、売上高が減少する中でもGP率は向上しており、稼ぐ力は確実に高まっている。これは、ソリューション提案による単価アップや競争力の高い新商品の上市、変動費や製造固定費削減など生販開企が一体となって取り組んだ結といえる果。例えば、電子部品事業では、拠点の統廃合や生産ライン集約によって、製造固定費の効率化を図った。また、本社機能部門では、法人・拠点の集約を進めた。同時に、各社が保有していた経理、人事、総務などの業務集約による標準化、日本・中国を中心とした間接材の集中購買によるコストダウン、グローバルでの物流インフラの見直しなどを行い、固定費の効率化を実現した。

オムロングループは、今後の事業環境の変化を見据えて、事業ポートフォリオの最適化を進めてきた。具体的には、基幹商品や参入障壁があり高いシェアを持っている、ファクトリーオートメーション、ヘルスケア、ソーシャルソリューションの3事業と、これらを支えるデバイス/モジュール事業に経営リソースを集中させることを決心。これに伴い、長期的な競争優位構築を目指して車載事業の売却とバックライト事業の収束を実行した。

期中に拡大した米中貿易摩擦やコロナショックなどに起因する事業環境悪化の影響を受けたとはいえ、売上高が前年を下回ったことは、自走的成長構造の確立が道半ばであることを表している。例えば事業別では、電子部品事業は事業環境の影響を受け、大きく売上と利益が減少しており、構造改革の継続が必要。また、全社ではデジタライゼーションを見据えたITインフラ投資を継続し、将来を見据えた強固な事業基盤の構築を進めている。

次期(2020年度)の計画

2020年度は長期ビジョン『VG2020』の最終年度であり、ビジョン実現に向けた取り組みを完遂する年度。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中で、その対策と収益確保を最優先した有事モードで運営する。具体的には、社員の安全確保と感染症の拡大防止を徹底したうえで顧客への製品の供給責任を果たす。また、年間200億円規模の固定費削減を前提とした計画を4月からスタートし、収益確保を実現する。同時に、コロナショック後の新たな社会的課題を見据え、VG2020期間で積み上げてきた強い財務基盤を活用した投資を継続していく。今回のコロナショックによって、人の価値観や産業構造が変化し、様々な社会変革が加速する。新たな社会的課題が生まれ、ビジネスチャンスが拡大する可能性がある。

オムロンは、3つの注力ドメインでコロナショック後のビジネスチャンスを見据えた取り組みを加速していく。例えば、「ファクトリーオートメーション領域」では医療品・食料品の安心・安全を支えるトレーサビリティ、次世代の社会インフラである5Gに求められる高密度実装の品質の改善・確保。「ヘルスケア領域」では遠隔医療サービスを中心に社会的課題を解決し、成長につなげる。また、「ソーシャルソリューション領域」では、社会システム事業と環境事業の統合によって、エネルギーマネジメントをはじめとするレジリエントな社会の実現に貢献していく。


2020年3月期 有価証券報告書(提出日:2020年6月24日)