農業従事者の高齢化と深刻な後継者不足。日本の農業は今、持続可能性が問われる大きな岐路に立たされています。 この構造的な課題を解決する切り札として、AIやロボット、ドローンといった先端技術を活用し、生産性と収益性を抜本的に高める「スマート農業」に大きな期待が寄せられています。 各社がどのようにして「省人化」と「高付加価値化」を実現し、「儲かる農業」への転換を支援しているのか。本記事では、こうした個性豊かなプレイヤーたちの戦略を紹介していきます。 データと自動化で農業の変革を目指す「クボタ」
日本の食文化に深く根ざし、経済の基盤とも言えるコメ。その生産から流通、消費に至る各段階は、今、大きな変革の波に直面しています。農業従事者の高齢化や後継者不足が進む国内において、スマート農業技術の導入による省力化・効率化は喫緊の課題です。同時に、地球温暖化に伴う気候変動は作柄に影響を与え、より強靭で持続可能な生産体制への転換を迫っています。 このような業界動向の中、コメ関連企業は、伝統的な強みを活かしつつ、技術革新や新たなビジネスモデルの構築を通じて、これらの課題解決と持続的成長を目指しています。本記事では、そうした取り組みを進める代表的な企業を紹介し、その戦略と将来性に迫ります。 スマート農業ソリューション”KSAS”の推進「クボタ」 finboard
今回取り上げるのは、大手農業機械メーカーの「クボタ」だ。 クボタは1890年、鋳物メーカーとして創業。「鋳物」とは金属を溶かして液体状にし、型(鋳型)に流し込んで成形した製品のことだ。1893年には水道用鋳鉄管の製造も始めた。 1922年には「農工用石油発動機」などの製造を開始。「クボタ石油発動機」は1930年に商工省(現在の経済産業省)によって優良国産品に認定された。 優良国産品とは文字通り、舶来品(輸入品)よりも優れていると政府が認めるもの。ブリヂストン(1932年)やパナソニック(1930年)も同時期に優良国産品として認定されている。
今回ご紹介するのは、農業機械メーカーとして世界有数の地位を誇る「クボタ」だ。2021年12月期には売上高2.2兆円に迫り、税引前利益は2500億円を超えた。
2016年12月期の売上高は1兆5961億円、税引前利益が1970億円。 事業の概要は次の通り。