農業機械メーカー「クボタ」に逆風。稲作向けでアジア首位、欧米向けトラクター拡販にも本腰
今回取り上げるのは、大手農業機械メーカーの「クボタ」だ。
クボタは1890年、鋳物メーカーとして創業。「鋳物」とは金属を溶かして液体状にし、型(鋳型)に流し込んで成形した製品のことだ。1893年には水道用鋳鉄管の製造も始めた。
1922年には「農工用石油発動機」などの製造を開始。「クボタ石油発動機」は1930年に商工省(現在の経済産業省)によって優良国産品に認定された。
優良国産品とは文字通り、舶来品(輸入品)よりも優れていると政府が認めるもの。ブリヂストン(1932年)やパナソニック(1930年)も同時期に優良国産品として認定されている。
Finboard
1939年に株式公開後、1947年には「耕うん機」を開発。1953年には建設機械業界にも進出した。「国つくりから米つくりまで」というスローガンを掲げ、戦後の高度経済成長や食糧増産を支えた。
2000年からはグローバル進出も本格化し、現在の海外売上比率は約八割。今回の記事では、そんなクボタの現在と成長戦略について紹介する。