クリーマ 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 100億9800万 円
銘柄コード 4017(マザーズ(内国株))

クリーマは東京都港区に本社を置く企業。2009年3月に「赤丸ホールディングス」を設立。2014年6月に「クリーマ」に商号変更。2020年11月に東京証券取引所マザーズに上場。主な事業として、マーケットプレイスサービス、プラットフォームサービス、イベント・ストアサービスを展開。「本当にいいものが埋もれてしまうことのない、フェアで新しい巨大経済圏を確立する」をビジョンとする。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

株式会社クリーマは東京都港区に本社を置くハンドメイドEC企業。2009年3月、慶應義塾大学在学中の丸林耕太郎氏によって創業された多世代型コミュニティマンション事業「赤丸ホールディングス」を起原とする。翌2010年5月、ハンドメイドマーケットプレイス『Creema』をリリース。同年12月にはドイツ・ベルリンで初のリアルイベントとなる「Hand Made In Japan AWARD by Creema」を開催した。

2013年からは日本最大級のクリエイターの祭典『Hand Made In Japan Fes'」をスタートする。2016年、『Creema』中国語版の提供開始により香港・台湾事業をスタート。『全国いいもの発見プロジェクト』をきっかけに外部広告サービスを開始したほか、新潟県糸魚川市『匠の里創生事業』とクリエイター支援における連携など地方創生領域にも進出している。

2017年11月にクリエイター向けに「スピード振込サービス」を、2018年9月には「作品プロモーション」機能による内部広告サービスの提供を開始するなど会員サービスを強化。2020年6月にクラウドファンディング『Creema SPRINGS』をリリースし、クリエイターの創造的な活動を支援するサービスを拡充している。

2020年11月、東証マザーズへ株式上場を果たした。

事業内容

クリーマグループは、クリーマおよび海外子会社1社で構成されており、クリエイターエンパワーメント事業の単一セグメントを展開している。「本当にいいものが埋もれてしまうことのない、フェアで新しい巨大経済圏を確立する」をコンセプトに、創作活動に取り組む全国のクリエイターと生活者(ユーザー)が、オンライン上で直接オリジナル作品を売買できるCtoCのハンドメイドマーケットプレイス『Creema』の運営を軸とする。

また2013年以降は、来場者数5万人を誇る、日本最大級のクリエイターの祭典『Hand Made In Japan Fes’(東京ビッグサイト)」等の大型イベント開催や、常設ショップ『Creema Store(新宿・札幌)』『暮らしとクリーマ(二子玉川)』の運営等、『Creema』に出店するクリエイターにさらなる活躍の場を提供すると同時に、生活者(ユーザー)がリアルの場で作品に触れられる機会を数多く創出することで、日本のクラフト文化を創造・牽引しながら、クリエイターの活動支援に長年注力している。

クリーマグループの事業活動はクリエイターの活動支援に注力してきた関係から、本業として作家活動を行うクリエイターや、これから本格的に作家としての活動を志望しているクリエイター等、プロ志向のクリエイターから支持を得ている。

品質の高いプロ志向のクリエイターの作品が多く集まるため、クリーマグループのマーケットプレイスでは高品質の作品を求める生活者(ユーザー)の安定的な集客が可能となっており、これが感度の高い良質なコミュニティの構築につながり、クリーマグループのサービスの明確な独自性・競争優位性のひとつとなっている。

クリーマグループの収益は、マーケットプレイスサービスにおける『Creema』上での販売手数料収入に加え、プラットフォームサービスにおける各種広告収入、イベント・ストアサービスにおける出店料・入場料、及び販売手数料収入、そして、クラウドファンディングサービスの成約手数料等から構成されている。

マーケットプレイスサービス

『Creema』はオンライン上で個人が直接、オリジナルのハンドメイド作品を売買できるCtoCマーケットプレイス。『Creema』は日本国内におけるハンドメイドマーケットプレイスの先駆的サービスでもあり、2010年5月のリリース以降、多くのクリエイターの支持を獲得してきた。

『Creema』では、クリエイターが自身の作品をマーケットプレイスに出品し、ユーザーがその作品を購入する際、クリーマが決済の仲介を行い、購入代金から一定の販売手数料をクリーマが差し引き、その残金を売上金としてクリエイターに入金するというビジネスモデルとなっている。

『Creema』では、各クリエイターのページに掲示板を設けており、掲示板を使ってユーザーがクリエイターに直接連絡を取ることができる。作品に関する質問をしたり、オーダーメイドや発注数の相談をしたりといったコミュニケーションも可能となっており、オンラインでの購買でありながら「つながる楽しさ」も提供している。

また、クリエイターはこうしたコミュニケーション機能を通じて、クリエイター自身のファン構築をすることもでき、本業としての活動を広げることが可能となっている。

海外展開

2016年7月には、海外展開の第一歩として、中国語版『Creema』をリリースするとともに、海外子会社「可利瑪股份有限公司」を台湾(台北市)に設立した。中国語版『Creema』のリリースにより、日本国内で活動するプロ・セミプロのクリエイターが、台湾・香港のユーザーに向けて自身の作品を簡単に出品することが可能となった。また、日本にいるユーザーも、台湾・香港のクリエイター作品を手軽に購入できるようになっている。

国境を越えての出店はすべて事前審査制としているため、作品品質を維持しつつ、越境取引でもユーザーに安心してお買い物を楽しんでいただける仕組みとなっている。サイト、出品、取引メッセージまで、中国語版『Creema』はすべて中国語(繁体字)化しており、出品やメッセージのやりとりには自動翻訳機能が対応しているため、安心でスムーズに取引できる。

さらに、日本語・中国語が堪能かつ、台湾・香港のECに精通したスタッフが、出品や取引に関するコミュニケーションに対して全面的なサポートを行っている。そのため、クリエイター・ユーザーともに、利用しやすい環境が実現されている。

プラットフォームサービス

クリーマは、『Creema』のプラットフォームを活用し、出店クリエイター・企業・地方公共団体のマーケティング支援等を行うプラットフォームサービスも提供している。会員向けサービスには、広告機能やスピード振込、コンサルティングサービス等がある。

内部広告

クリーマは「作品プロモーション」と呼ばれる広告機能を2018年9月にリリースし、内部広告サービスの提供を開始した。これにより、クリエイターは自身の作品の広告を『Creema』上にある所定の広告枠に表示することができるようになった。本サービスにより、クリエイターは、自身の作品を効果的に多くのユーザーに認知させることが可能となり、『Creema』出店クリエイターの売上増に貢献している。

なお、本広告機能はクリック課金型の収益モデルとなっており、表示された広告作品をユーザーがクリックするごとに、設定されたクリック単価をクリエイターがクリーマに支払う仕組みとなっている。

外部広告

また、『Creema』のプラットフォーム上で蓄積された、巨大なユーザー基盤を活用し、企業や地方公共団体をクライアントとする広告サービスである外部広告サービスも提供している。

地方創生を目的として全国各地で市を開く『Creema Craft Caravan』や、Creemaプラットフォームを活用した伝統工芸士団体のデジタルシフト支援、また、玩具、ジュエリー、日用品等の様々な業種のメーカーとコラボレーションしてクリーマのクリエイターが作品を制作する広告企画など、クリーマでしかできない独自性のある広告商品を多数提供している。

会員向けプレミアムサービス

上記のほか、会員向けのサービスとして、『Creema』での売上金の受け取りを、通常の振込日である月末まで待たずに早期に行いたいというクリエイターのニーズに対応する「スピード振込サービス」を提供している。本サービスは、振込対象金額に所定の料率を乗じた手数料を受け取っている。

また、クリエイターに対し、販売やプロモーションに留まらず、商品企画等創作活動全般に関するコンサルティングを行う「プレミアムコンサルサービス」も提供している。なお、プレミアムコンサルサービスでは『Creema』での通常の販売手数料率に加え、サービス分を上乗せした料率での契約を、対象クリエイターと個別に締結している。

イベント・ストアサービス

クリーマは、クリエイター作品の販路として、ハンドメイドマーケットプレイス(オンライン)の提供だけでなく、直接クリエイターとユーザーとをリアルの世界で結びつけるクラフトイベントやエディトリアルショップ(常設店舗)も積極的に展開している。

イベントやストアサービスの展開は、クリーマサービスの認知度向上はもちろんのこと、クリエイターやユーザーとのエンゲージメント強化にも意味を持つと同時に、ハンドメイド市場やハンドメイドカルチャーの拡大にも貢献している。そのため、イベント・ストアサービスは、クリエイターの支援、クリーマの収益源としての位置づけにとどまらず、PR活動のひとつとしても取り組んでいる。

『Hand Made In Japan Fes'』

「クラフトの市場/カルチャーを日本に確立するために、ミュージシャンにとっての音楽フェスと同様に、クリエイターにも祭典とよべるステージをつくりたい」という想いから、クリーマは2013年から東京ビッグサイトにて『Hand Made In Japan Fes'』を開催している。イベント名称には「日本発のクリエイティブカルチャーを国内外に大きく発信していこう」という想いが込められている。

全国のクリエイターによる作品販売ブースやワークショップがあつまる「クリエイターエリア」、人気バンドのステージ等を楽しめる「ミュージック&プレイエリア」、手作りにこだわった「フードエリア」等で構成され、イベント出店者と来場者の感性が直接触れ合い、うねりを起こす、クリエイティブな2日間のフェスティバルとなっており、普段はオンライン上で作品の売買を行っているクリエイターとユーザーのリアルでの接点の場にもなっている。

2013年の開催以降、動員数を着実に伸ばし続けており、2013年開催時点では出店数約1,960店、来場者数約2万6,000人だったが、2019年夏の開催時には出店数で約3,000店、来場者数は約5万人を記録した。現在では日本最大級のクラフトイベントと呼べる規模にまで成長している。

『Creema Craft Party』

『Creema Craft Party』は、丁寧であたたかなクラフトの世界が感じられる空間で、ものづくりの魅力を体感できる大規模クラフトイベントであり、大阪・台北(台湾)の2箇所で継続的に開催している。

クリエイターがオリジナル作品を販売する「マーケットエリア」、手作りにこだわった焼き菓子やパン等を販売する「フードエリア」、人気クリエイターによる「ワークショップエリア」、実力派アーティストのライブパフォーマンスを楽しめる「ミュージック&プレイエリア」等を設けている。

『Creema Craft Party』は、『Hand Made In Japan Fes'』に続いて2014年冬に大阪で始まり、2018年は過去最大規模となる約3,000名の出店と約1万8,000人の来場となった。こちらも関西最大級のクラフトイベントとしての地位を確立している。 また、2017年と2019年には台湾でも同様のイベントを開催しており、日本のクラフト文化を世界に発信する象徴的なイベントとなっている。

ストアサービス

クリーマは『Creema』出店クリエイターの作品を展示販売する常設エディトリアルショップの企画、運営を行っている。クリエイターの作品出品料は無料とし、販売手数料を設定のうえ、クリーマにて販売受託を行っている。

出店期間とテーマを決め、クリエイターからの出店の募集を実施。クリエイターの作品の世界観やクオリティ、価格等を重点的に評価した上で、出店の可否を決定している。そのため、エディトリアルショップのテーマに沿った高品質な作品が常時ショップに並ぶ仕組みとなっている。

エディトリアルショップでの作品の販売はクリーマ社スタッフがクリエイターに代わり行っているが、クリエイターからの要望がある場合には、クリエイターがエディトリアルショップのブースに立合い、接客を行うことも可能としている。

2014年にアクセサリーを主軸とした『Creema Store 新宿』をオープン後、2018年9月には二子玉川ライズにて『暮らしとクリーマ』をオープンした。『Creema Store 新宿』が女性向けのアクセサリーを中心に扱っているのに対し、『暮らしとクリーマ』では「物語と暮らす、世界にひとつのおうち時間」をコンセプトに、器や生活雑貨、インテリア、フード等、毎日を彩るハンドメイド作品がずらりと並ぶクリーマグループ初のライフスタイル特化型エディトリアルショップとなっている。2019年3月には北海道に『Creema Store』の2号店となる『Creema Store 札幌』をオープンした。

今後も、『Creema』で構築した豊富な作品基盤・ユーザー基盤を活用し、より一層リアルの世界での展開を強化していく。

クラウドファンディングサービス

クリーマ社は、2020年6月に、ハンドメイドに限定することなく、あらゆるジャンルのクリエイターの創造的な活動を応援することに特化した、購入型クラウドファンディングサービス『Creema SPRINGS』を立ち上げた。

『Creema』に登録しているクリエイターをはじめ、クリエイターが「新しいブランドをつくりたい」「工房・アトリエを作りたい」「海外で個展を開催したい」など様々なアイディアや夢、想いをかたちにするプロジェクトを発信し、その想いに共感する支援者(ユーザー)からプロジェクト実現のための資金を募ることができる場を提供している。

支援者は、自身が応援したいクリエイター・プロジェクトを見つけて資金提供を行い、そのリターンとして、複数のプランから任意に選択した作品・商品またはサービスの提供を受けることができる。

本サービスは、目標金額に到達した場合のみプロジェクトの実施及び商品の提供が決定する「目標達成型」のプロジェクトと、目標金額に到達しない場合でもプロジェクトの実施及び商品の提供が行われる「実行確約型」プロジェクトの2つが存在しており、クリエイターは任意の方法で必要資金の調達が可能となっている。


有価証券届出書(新規公開時)(提出日:2020年10月23日)