ランディックス 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 54億 円
銘柄コード 2981(マザーズ(内国株))

事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

株式会社ランディックスは、東京都世田谷区に本社を置き、住宅の売買から建築マッチングまでをワンストップで提供する、不動産プラットフォーム企業。2001年、岡田和也氏により不動産の売買・賃貸・コンサルティング業を目的として株式会社アーバン・ライフの名称で設立された。2002年、株式会社コスモプランニングに商号変更。2003年、ランディックスに商号変更。2017年、ランディックスのITメディア『sumuzu(スムーズ)』をプレオープンし、翌年にリリース。2018年、不動産テック協会に加入。2019年、東京証券取引所マザーズ市場へ上場する。

事業内容

ランディックスグループは、不動産の仕入から販売、売買に係る仲介、オーダーメイド住宅のマッチング、建築後のアフターフォローに至るまでのプロセスを、ワンストップソリューションで提供する事業を展開している。事業の展開に当たっては、支店・見学・イベント等を活用した対面接客と、他社サイト・自社サイトを活用し、オムニチャネルで集客を行っている。特徴として、リセールバリュー(取得した住宅を売却する時の価値)が高いオーダーメイド住宅をお客様に届けることを目的としている。ランディックスグループは、ランディックス及び連結子会社(株式会社グランデ)の計2社で構成されている。セグメントは、『sumuzu』事業と、「賃貸」事業を展開している。

『sumuzu』事業

『sumuzu』事業では、住宅用地等を仕入れて分譲することによる売買収入、不動産仲介収入、オーダーメイド住宅建築に伴う建築業者からの紹介手数料収入を得ている。

事業遂行にあたっては、ランディックスグループ内で連携し、不動産の仕入から販売、売買に係る仲介、住宅用地販売後のオーダーメイド住宅のマッチング、建築後のアフターフォローに至るまでのプロセスをワンストップソリューションで提供している。取引の主体は、子会社のグランデが不動産仕入・開発分譲、ランディックスが不動産売買・仲介及びオーダーメイド住宅建築に伴う土地保有顧客と施工業者、建築デザイナー等とのマッチングを行っている。

賃貸事業

ランディックスグループは、収益用不動産を購入し、賃料収入を継続的に得ることで、安定収益の基盤を形成している。

『sumuzu』事業の特徴

オーダーメイド住宅建築のワンストップサービス

住宅金融支援機構の「2019年度における住宅市場動向について」によると、購入希望者が住宅事業者選びで重視するポイントは、1位が「建物の性能」、2位が「住宅の立地」、3位に「デザイン」となっている。ランディックスグループは、お客様のご要望に応え、且つデザイン性に優れたリセールバリューの高いオーダーメイド住宅を実現すべく、デザイン性に優れた施工業者、デザイナーをアレンジするコンサルティングを実施している。

建築業者と注文住宅購入希望者の間には、売り手側と買い手側の所有している情報に差がある。また、購入希望者は業者決定のために判断材料となる十分な情報を得ることが難しいと、ランディックスは考えている。『sumuzu』には、土地購入希望のお客様がオーダーメイドで住宅建築を検討される際に、外観デザインや内装デザイン、坪単価情報などの条件を選ぶことにより、その条件に該当する建築デザイナーなどがリストアップされ、そのままオーダーメイド住宅購入希望者と建築デザイナーなどが問い合わせなどを通じて繋がるマッチング機能を有している。土地購入からオーダーメイド住宅建築をワンストップで提供することにより、土地購入とオーダーメイド住宅の提供に係る紹介手数料の両方の収益化につなげる流れとなっている。

顧客満足を背景としたリピート・紹介の獲得

ランディックスグループは、東京23区でも富裕層の多いと言われる城南エリアを中心に、主に富裕層を対象として、リセールバリューの高い不動産の売買仲介、ならびに住宅用地販売後のオーダーメイド住宅のマッチングサービスを行っている。

一般的に「不動産取引は一生に1度である。」と考えられているが、ランディックスグループのメインターゲットである富裕層のお客様は、1度取引した後も買い替え、家族分の購入等を目的として複数回の取引を行うと分析している。ランディックスは、この富裕層顧客における複数回の不動産取引を起点とした顧客データの蓄積を行っており、累計顧客データ数は2020年3月末時点で約13,000件となっている。この富裕層データに基づいて効率的な営業活動が可能となり、ランディックスグループの土地在庫の平均保有期間は期末時点で4.0カ月となっており、仕入から販売までのサイクルを半年未満で維持している。

また、既存顧客の他、地域の建築事業者等からの顧客紹介獲得に力をいれており、この事による営業効率の高さが強みの1つ。ランディックスは自社内に販売部門と仕入部門の両方を保有していることから、売主に対して当該エリアの実際の成約価格をすぐに参照し、スピーディーで適切な不動産価格を提示できる。この為、常に一定量の不動産を保有しており、建築業者等からは「顧客を紹介することで、顧客の気に入る不動産が見つかり購入までつなげることが可能である。」と認識されている。

ランディックスでは建築業者等からの紹介は、既存顧客からの紹介と同じく重要な集客源と位置づけており、建築業者等に最新の土地の情報等を提供すると共に、ランディックスから送客を行うといったアクションをとることでパートナーシップを強固なものにしている。

ITを活用した効果的な不動産集客

ランディックスグループは、ネットとリアルを融合したマーケティング活動で集客を行っている。ランディックスでは、42.2%(2020年3月期実績)がインターネットからの集客による成約。『sumuzu』は不動産や住宅に関する情報メディアとしての性質も持ち合わせており、有用な不動産情報を提供している。2019年7月にリリースした土地相場の可視化サービス『相場ウォッチャー』は同年11月に新機能を追加し、坪単価変化推移やエリア別比較が可能。このような取り組みを通じて『sumuzu』の会員数は増加している。

また、非対面での不動産相談、現地案内を可能にした新サービス『無料オンラインビデオ相談・現地案内』が2020年4月にスタート。対面接客と比較し問い合わせへのハードルが下がり、潜在層の獲得が可能となる。潜在顧客へは、適切なアプローチを行い、見込み客に育成した上で営業部門に引き継ぎ、営業部門ではより確度の高い顧客との接点が生まれる流れになっている。

経営方針

「富裕層顧客からのリピート・紹介率の向上」という基本戦略を維持しつつ、富裕層顧客データの蓄積およびその活用による効果的アプローチを行うことで、さらなるリピート・紹介の獲得を加速し、効率的な収益力を確保することで、より盤石な営業基盤の構築を図る。

経営指標

グループ社員1人あたりの売上高、グループ社員1人あたりの営業利益、土地成約案件に占める建物請負紹介成約比率、保有する累計顧客データ数を重要な経営指標として捉えている。

経営戦略

不動産テック企業として建築業者と顧客の自動マッチングプラットフォームの強化、データビジネスの拡充を武器とし、リアル不動産とITの融合を強力に推し進めていく。具体的な戦略内容は以下の通り。

データの整備と活用

ランディックスで不動産を購入した顧客データ活用による成約率の向上、およびリピート・紹介率の向上を推進する。また、ランディックスグループのプラットフォーム事業強化に繋がるさまざまなサービスを展開し、顧客との接点を拡大していく。

『sumuzu』事業の拡充

『sumuzu』事業は、土地の仕入れから住宅の完成・引渡に至るまでの全てのプロセスをワンストップでサポートしている。基幹サービスである「sumuzu Matching」の推進を行うことで『sumuzu』事業を成長させていく。

事業エリアの拡大

東京におけるさらなる富裕層顧客のシェア拡大を目指す。培ってきた事業ノウハウをベースに、地方の主要都市へ事業展開を行う。店舗展開時には、多店舗展開を行わず、インターネット集客に注力し、少数店舗で効率的な営業活動を行う。

対処すべき課題

エンジニア採用

ITサービス構築のためにより優秀な人材を確保することが急務。エンジニア採用については、今後も積極的な採用に取り組み、教育制度を整備することで、優秀な人材の確保・育成に取り組む。

システムの強化

ランディックスグループの事業は、通信ネットワークを利用しており、自然災害や事故等により切断されると、グループの事業に影響を及ぼす可能性がある。このため、セキュリティ対策やシステムの安定性確保に取り組んでいく。

安定的かつ継続的な仕入の実施

独自の販売用不動産を安定的に仕入れ、『sumuzu』サイト等により早期売却を実現する。また、その時の市況に合わせた仕入検討を行う。在庫リスクへの対応として、グループ内の仕入部門と販売部門を横断する稟議によって判断を行う体制を構築する。

営業人材の育成

「コミュニケーション能力」を重視した採用活動を行い、質の高い提案が出来る営業体制を構築する。また、ダイレクトリクルーティングにも力を入れており、よりランディックスグループの社風にマッチした人材の確保と、採用費用の削減を実現する。さらに、入社1~2年目の新人に対しては社内研修を実施している。研修は2週間に1度行い、テーマごとに講師の選定を行い、外部講師も招聘しつつ新人育成に力を入れる。

内部管理体制の強化

継続的にランディックスグループが成長を遂げていくためには、経営上のリスクを適切に把握し、当該リスクをコントロールするための内部管理体制の強化が重要な課題と考えている。具体的には、監査役と内部監査担当者との積極的な連携、定期的な内部監査の実施、有効かつ効果的な監査役監査の実施、社内経営陣によるコンプライアンス委員会の開催を通じて内部管理体制を強化する。


2020年3月期 有価証券報告書(提出日:2020年6月26日)