Chatwork 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 415億7500万 円
銘柄コード 4448(マザーズ(内国株))

2000年7月、山本敏行氏が「EC studio」を創業。
2004年11月に有限会社化すると、翌年12月に株式会社化。2011年3月よりビジネスチャット「Chatwork」をスタートすると、翌年4月に社名も「Chatwork」に変更。
2019年9月、東証マザーズに上場。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

Chatwork株式会社(Chatwork Co., Ltd.)は大阪府大阪市に本社を置く企業で、ビジネスチャットツール『 Chatwork』を運営している。

2000年7月、山本 敏行氏が「EC studio」を創業。2004年11月に有限会社化し、翌年12月に株式会社化。2011年3月より『Chatwork』をリリース。2012年4月に社名も「Chatwork」に変更。

2018年6月1日付けで、山本 敏行氏は代表取締役を退任し、弟の山本 正喜氏が代表取締役(兼社長執行役員CEO兼CTO)に就任。2019年9月、東証マザーズに上場。

Chatworkでは、自社開発のビジネスコミュニケーションツール『Chatwork』の開発・運営を行なっている「Chatwork事業」と、セキュリティソフトの販売代理を行う「セキュリティ事業」も展開している。

Chatwork事業

Chatwork事業では、ビジネスチャットツール『Chatwork』の開発・運営を行なっている。また、付随する広告サービスや『Chatwork』をサービスプラットフォームとして活用した各種サービスも提供している。

日本では、将来における労働人口減少の見通しもあって政府主導で「働き方改革」が進められており、企業経営において労働生産性の向上が課題となっている。

Chatwork社は、こうした社会的環境の中で、企業における業務時間の多くを占める「コミュニケーション」に焦点を当てて、効率化を図り、業務効率や労働生産性の向上に貢献することを目指し、事業を推進している。

ビジネスチャットツール『Chatwork』は、主要なコミュニケーションツールとして広く一般に普及している「チャット」サービスを、ビジネスコミュニケーション向けに提供するサービスだ。

基本となる「チャット」機能に加えて、「タスク管理」「ファイル共有」「音声・ビデオ会議」など、ビジネスコミュニケーションに必要となる各種機能をワンストップで提供。

さらに、通信データの暗号化などによるセキュリティ対応や、管理機能の提供によって、高い機密性・安全性が要求されるビジネス利用に対応したサービスを構築している。

主な特徴として以下が挙げられる。

シンプルで直感的なユーザー・インターフェース

Chatwork社では、ITリテラシーに関わらず幅広い業種・業態で利用されるコミュニケーションツールを目指しており、誰にでも使いやすいユーザーインターフェースの構築に留意して開発を進めている。

また、PCブラウザでの利用だけではなく、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末向けアプリケーションを提供。これによって、社内外を問わずに色々な環境で、ビジネスコミュニケーションを行うことができる。

セキュリティ体制

Chatwork社では、第三者からの盗み見や改ざんを防ぐため、添付ファイルを含む通信内容を全て暗号化している。さらに、データ管理の厳格化や、適切な監視体制の構築によって、情報漏洩の防止にも務めている。

Chatwork社の情報管理・運営体制は、国際規格であるISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)や、ISO27017(クラウドサービスセキュリティ)、ISO27018(クラウドサービスの個人情報管理)の各認証を取得している。

さらに、一層のセキュリティ強化を進めるため、自社および外部機関における定期的な調査・監査を行っているほか、「バグバウンティ」プログラムの公開も実施している。

「バグバウンティ」プログラムとは、企業が一般人に対してシステムのバグや脆弱性(セキュリティ上の弱点)を発見して報告すると、問題の重要度に応じて報奨金が支払われる制度。FacebookやGoogleなどの海外テクノロジー企業で広く利用されている。

社外ユーザーと円滑にコミュニケーションできる

一般的に、ビジネスチャットツールは「社内」でのコミュニケーションを前提としているケースが多い。しかしChatwork社では、取引先を中心に「社外」とのコミュニケーションも想定している。

社内外でスムーズなコミュニケーションを促進できる設計となっている。その一方で、管理機能を提供することで外部接続における制限設定も可能。セキュリティと利便性を両立させている。

多数の他社サービスとの機能連携

『Chatwork』は、外部プログラムとの連携のためのAPI(Application Programming Interface)を公開しており、他社が提供するカレンダーやメール、経費精算、ワークフロー、出退勤管理、チャットボットなど、各種ツールとのサービス連携が可能。

多言語対応

『Chatwork』の利用言語は、日本語に加えて英語、中国語、ベトナム語、タイ語、スペイン語に対応。海外企業やユーザー企業の海外展開におけるビジネスコミュニケーションも可能となっている。

ビジネスモデル

『Chatwork』サービスは、インターネット上でブラウザを介して機能を提供する「SaaS(Software as a Service)」形式によって提供しており、有料プランについて、利用ID数ごとの定額利用料(サブスクリプション型課金)を受け取っている。

『Chatwork』は顧客企業における導入に際してシステム投資を必要とせず、初期投資が限定的であることや、月額利用料をユーザーIDあたり数百円と負担が少ないことなどから、導入企業における継続利用によって、安定的なストック収益が可能となっている。

また、有料ユーザーになる前には、ストレージ容量やグループチャットの作成数などに一定の制限を設けた無料プランも提供。ストレージやユーザー管理機能などが必要になるに応じて、企業は有料プランへと移行する仕組みだ。

『Chatwork』の料金プランは大きく4つに分けられ、主な機能は次の通り。

  • フリー(月額無料):グループチャット数を上限14件、ストレージは5GBまでなど、基本機能のみ
  • パーソナル(月額400円/ID):グループチャット数は無制限、ストレージは10GBまで拡大
  • ビジネス(月額500円/ID・年間契約は約417円):ユーザー管理機能を追加
  • エンタープライズ(月額800円/ID):IPアドレス・モバイル端末制限やファイル受送信制限など、大企業向けの企業を搭載

Chatwork事業におけるユーザー開拓は、企業自らがオンラインで申し込む「フリーミアム」が主体となっている。

Web広告や口コミなど、オンラインで『Chatwork』を知ったユーザー企業が、まずは無料でサービスを試し、特定時点で有料会員に転換するという仕組み。無料ユーザー向けには広告が表示されることで、Chatwork社の運営負担を下げるような仕組みとなっている。

近年では、導入企業の拡大を加速するため、Chatwork社では、自社営業による直接販売や、販売代理店による顧客開拓も開始している。

直接販売は首都圏(都市部)を主なターゲットとしており、Chatwork社自身がセミナーを主催したり、各種イベントに出展。接点を持った企業に対して、サービス導入に関する営業活動を展開している。

代理店販売は、2018年1月から本格的に開始しており、2019年8月時点において一次販売代理店は49社、二次販売代理店は16社となっている。

また、KDDI(株)に対してChatworkサービスのOEM提供も行なっており、同社から「KDDI Chatwork」としてサービスを提供している。KDDIのエンタープライズ(大企業や官公庁)顧客を中心としており、Chatwork社のエンタープライズプランと同等の機能を提供している。

KDDIからは、ID数に応じたレベニューシェアによる利用料の一部と、システム運用に関する業務委託料を受け取っている。

有価証券報告書(提出日:2020年3月27日)