Link-U 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 185億1200万 円
銘柄コード 4446(市場第一部(内国株))

Link-Uは、東京都千代田区に本社をおく企業。2013年創業。
2014年12月、(株)小学館との協業により、アプリ「マンガワン」をリリース。
サーバープラットフォーム事業として、新規サービス立ち上げ、既存サーバー乗り換えなどの業務を、将来の運用保守・サービス拡大を見据えてワンストップで提供。
「電子書籍」「動画配信」など、コンテンツ配信の分野に強み。


事業内容とビジネスモデル

事業内容

Link-Uは、インターネットサービス事業として、自社設計のオリジナルサーバーを基軸としたデータ配信と、そのデータを適切に蓄積・分析・処理するAIソリューションを合わせて、ワンストップで提供するサーバープラットフォームビジネスを展開している。

その中で培ったサーバーインフラ技術、データ処理技術、コンテンツ処理技術などが強み。

Link-Uデータセンター運営のイメージ図

有価証券報告書より

Link-Uのサーバープラットフォーム技術には、次のような特徴がある。

① ユーザビリティ

ハウジングで利用しているデータセンターにおいて、インターネット回線が集積する東京・大手町からLink-Uのみが利用する専用線を引き込んでおり、自社のみで使用できる高速なインターネット回線を通じて配信している。

そのため、他社の利用状況による影響を受けることなく、安定した高速配信によって快適なユーザー体験を提供することができる。

Link-Uは、高性能なサーバーを自社で保有していることをメリットとし、仮想化やルーティングによるオーバーヘッドなくサーバーを稼働させることができている。

ユーザーに快適な使用環境を提供することは、スキマ時間の活用や、サービスへの接触機会の増加につながり、ユーザー満足度の向上に寄与すると言われている。

コンテンツ処理においては、マンガに適した画像とするためのトーンをグラデーションにする処理技術、画像圧縮技術mノイズリダクション技術アップコンバート技術を有している。

そのほか、パソコン上のブラウザやスマートフォン上での快適な画面閲覧が可能となる画像表示ソフトウェア(ビューワー)、データの大量配信に対応した電子認証システムなどの技術も有している。

動画についても画像と同様、圧縮処理技術・ノイズリダクションなどの技術を持っている。

また、通信量の削減のため、ユーザーの読書履歴やお気に入り登録などから、大量のデータによって学習した情報をもとに、ユーザーが読むであろうコンテンツを予測し、充電中かつWifiに接続しているときに事前の配信を可能にしている。

これによって、キャリア回線に接続している時にはダウンロードが不要となり、画像表示に要する時間・通信量が削減される。電車の中など、電波状態の悪い環境におけるコンテンツ閲覧に要する通信環境のハードルが下がり、パケット制限に繋がるリスクを回避しやすくなる。

さらに、ユーザーの回線状態に合わせてコンテンツのクオリティを自動調整することもでき、通信量を削減する。

② 安定したサービス運用

Link-Uでは、サーバーを3重化、ネットワークを2重化した、単一障害点のない冗長化構成を基本としている。

単一障害点とは、その単一箇所が停止するとシステム全体が停止してしまうような箇所のこと。冗長化とは、システムの一部に何らかの障害が発生するケースに備えて、障害が発生してもシステム全体の機能が維持できるよう、予備装置を配備・運用しておくこと。

突発的なサーバーダウンが発生したとしても、ダウンしたサーバーを自動で除外。残りの2台のサーバーが相互補完する仕組みとなっており、サービスを中断することなく提供することが可能な体制となっている。

同様に、ネットワークダウンが発生したとしても、予備のネットワークに自動で切り替えられる。

さらに、データベースサーバーにおいても、「マルチタスク方式」を採用。

一般的には、マスター・スレーブ方式が使われることが多い。そこでは、単一の「マスター」データを更新してから、その後に「スレーブ」データが更新されるという構成が使われるケースが多いが、マスターデータの更新からタイムラグが発生してしまうため、マスターサーバーに不具合が発生すると、マスター・スレーブの切り替え処理が必要というデメリットがある。

マルチタスク方式では、複数のデータベースサーバーが全て「本番」データベースとして構成され、更新が全てのデータベースに遅延なく反映され、常に同じデータが格納される。障害発生時には、自動的にフェイルオーバー(切り替え)が起こり、サービスの継続が可能となる。

③高コストパフォーマンス

コンテンツの電子配信事業者は、AWSなどのクラウドサーバー事業者を活用することが通常だが、Link-Uは用途・配信量に応じたサーバーハードウェアを自社設計する方針としている。

画像・動画の高速大量配信に特化したオリジナルサーバーを高性能・低コストで調達することができ、コスト優位性がある。

通常、サーバー台数が増加するほど、サーバー間の連携を取るためのシステムは複雑になり、サーバーの監視に要する人的コストも高まる。

Link-Uの運用では、サーバー1台の性能を高めることにより、少数サーバーでの運用を可能としている。そのため、複雑なシステムを構築する必要性がなく、監視対象が少ないため、保守のための労力も削減している。

さらに、Google社が開発しているオープンな静止画フォーマット「WebP」を使っている。WebPは圧縮率が高いフォーマットであることで知られ、コンテンツの容量を削減することで、サーバー構築のために必要な容量を削減している。

④マーケティング

Link-Uは、高速なデータベースの集計処理を可能とする技術を開発している。

それにより、データ分析を比較的容易に行うことができ、リアルタイムで取得したユーザーの動向を、サービスに対して迅速にフォードバックすることができる。

⑤ セキュリティ

動画コンテンツにおいては、DRM(動画などデジタルコンテンツを保護する技術の総称)として、Googleが提供する「WideVine」を採用した実績がある。

サービスの内容

Link-Uでは、上記のような技術的な強みを生かして、大きく「リカーリングサービス」「初期開発・保守開発サービス」「その他サービス」を展開している。

① リカーリングサービス

「リカーリングサービス」は、Link-Uにとって持続的な収益基盤となるレベニューシェア収益や、月額固定収益で収益をあげている。

その中では、「サーバーの調達、システムの構築・データセンター設置のサーバー保守運用」「継続するスマホアプリの開発・アップデート」「サービス運用+広告運用」の組み合わせ、もしくは単体でサービスを提供する。

顧客の事業領域としては、「電子書籍」の配信サービスに注力しており、コンテンツホルダー(配信者)または配信者からサービス運営を受託した企業とのレベニューシェア契約を結んでいる。

Link-Uトラヒック量

具体的には、小学館の漫画アプリ「マンガワン」、スクウェア・エニクスの「マンガUP!」、白泉社による「マンガPark」などで、それぞれサービスを提供している。

② 初期開発・保守開発サービス

「初期開発・保守開発サービス」は、リカーリングサービス案件獲得のために、受託開発を提供するというもの。

取引先の新規サービス立ち上げや、既存サーバーからの乗り換え時に、Link-Uがその後のサービス保守運用も見据えてインフラをワンストップで提供する。

初期開発でクオリティの高い成果物、納期の遵守などの顧客ニーズを確実に満たすことで、リカーリングサービスにおける持続的な成長が可能となる。

③ その他

その他、上記2サービスに分類されないWebサイト開発など、スポットの案件が発生するケースがある。

経営方針と経営指標

Link-Uは「世の中の課題を技術で解決する」という経営理念のもと、自社設計のオリジナルサーバーを基軸としたデータ配信と、そのデータを適切に蓄積・分析・処理するAIソリューションを併せてワンストップで提供するサーバープラットフォームビジネスを展開している。

持続的な成長を通じた企業価値の向上を目指しており、売上高を重要な経営指標と位置付け、収益力の向上に邁進している。また、堅実な経営基盤を構築するため、営業利益を重要な経営指標と位置付け、経営の効率化を図っていく。

経営戦略と経営環境

インターネット利用状況の変化によってスマートフォンのトラヒック量は飛躍的に増加していくと予測し、Link-Uの強みである大量のデータを高速かつ安価にさばけることの優位性も比例して高まっていくと考えている。

既存サービスの収益力向上に努めるとともに、新規マンガサービスの積み上げと汎用的に応用可能な技術を活用し、マンガに限らず多様なコンテンツ配信サービスに取り組むことで収益力の基盤を固め、新たな収益力の基盤を構築して企業価値の向上に努めていく。

動画サービスにおいて、無料しか利用していないユーザーが、有料に移行する可能性もあり、有料動画サービスの潜在市場は大きくなると想定されている。

今後5Gの整備により、動画視聴サービスへの需要は高まると予測され、動画視聴サービス提供時のハードルとなりやすいDRMについても、Link-Uが一貫して提供することでサービス開始時のコストの最小化を実現している。

対処すべき課題

Link-Uが対処すべき課題は、システム技術の強化、新たなコンテンツホルダーとの契約の実現、将来に向けた新規事業・技術力向上について、海外事業展開の推進、優秀な人材の確保、知的財産権について、内部管理体制の強化の7つとして取り組みを進めている。

1つ目のシステム技術の強化では、今後予想される更なる1人当たりデータ配信量の増加、ユーザー数の増加、IoTデバイス等の新たなデバイスに対応した新しい技術の開発に取り組んでいく。

2つ目の新たなコンテンツホルダーとの契約の実現では、マンガを中心とした画像配信に加え、今後はアニメーション、ドラマ、映画等動画サービスを展開する上で、新たなコンテンツホルダーとの契約を実現していく。

3つ目の将来に向けた新規事業・技術力向上についてでは、今後、Link-Uの中長期の競争力確保につながる技術力の向上及びノウハウの蓄積を積極的かつ継続的に行うとともに、新規事業開発にも取り組んいく。

4つ目の海外事業展開の推進では、日本の電子書籍コンテンツを海外配信するため業務体制を強化し、世界に向けたビジネスを展開していきたいと考えている。

5つ目の優秀な人材の確保では、社内教育制度の整備、福利厚生の充実を図っていくとともに、サービスの提供を通じて業界での存在感をさらに高め、Link-Uの魅力を訴求していくことで採用強化につなげたいと考えている。

6つ目の知的財産権についてでは、事業拡大に伴って知的財産権の取扱いが増加することから、第三者の知的財産権を侵害することのないよう知的財産権への理解をさらに深め、管理体制の強化に努めていく。

7つ目の内部管理体制の強化では、適切かつ効率的な業務運営を遂行するために、従業員に対して業務フローやコンプライアンス等を周知徹底させ、内部管理体制の強化をするとともに、業務の有効性、効率性及び適正性の確保に努めていく。


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