カオナビ 事業内容・ビジネスモデル

フォロー
時価総額 489億4900万 円
銘柄コード 4435(マザーズ(内国株))

アクセンチュア出身の柳橋仁機氏が2008年に創業。
人事コンサルやシステム受託をへて、2012年に「顔写真を並べる」クラウド人材マネジメントSaaS『カオナビ』を正式リリース。
「社員の顔と名前が一致しない」「人事情報を一元管理できていない」という悩みを解決、急成長ベンチャーとなった。2019年3月東証マザーズに上場。

「カオナビ」は、企業の管理職が抱える「社員の顔と名前が一致しない」というシンプルな課題を解決するサービス。

大きな企業になるほど、「人事情報が紙や電子ファイルに分散していて、管理が大変」「社員のスキルや特性が見えないため、最適な人材配置が難しい」など、人材マネジメントに関する課題は少なくありません。

「カオナビ」の主な機能

人材マネジメントに関する問題を解決するために、カオナビでは大きく次のような機能を提供しています。

① 人材データベース

「カオナビ」というサービス名にもあるように、顔写真が並んだインターフェースがサービスの根幹です。「顔と名前が一致しない」という問題をシステム上で解決することで、より直感的な人材マネジメントが可能に。

② 社員リスト

会社に紐付けた人材データベースからは、自由に「社員リスト」を作成することができます。

特定の条件に基づいて社員を検索することができて、優秀メンバーをプロジェクトに抜擢するなど、柔軟な使い方が可能。

③ 配置バランス図

顔写真をアイコンに変えたり、評価や所属などを軸に配置バランスを俯瞰することができます。

④ 組織ツリー図

組織ツリー図にも顔写真が出ているので、配置や抜擢、人事異動などのシミュレーションが簡単。

⑤ 社員アンケート

異動希望や新事業のアイデアなど、社員の声をアンケート形式で集めることもできます。

⑥ 評価ワークフロー

MBOやOKR、360度評価など、あらゆる評価制度を柔軟に運用することができる、評価ワークフローを実装。

⑦ 社員データグラフ

男女比や資格保有比率など、見たい切り口から社員の傾向をグラフで可視化できます。

⑧ 社員情報ソート

評価や資格など、特定の条件で社員データを自由に並べ替えして、見ることができます。

1つ1つの機能は、一般的な人材管理システムであれば、それほど珍しいものではないようにも感じますが、全てが顔写真で管理できるというコンセプトを一貫させることで、サービスとしての特徴が際立っています。

顔を確認しながら社員を検索できることで、利用している時の心理的負荷が大きく下げられるほか、顔と名前が一致していることによるコミュニケーション深化→離職率の改善など、様々な効果が期待されるようです。

奇しくも、政府による「働き方改革」の推進を背景として、日本でもHR(人材)テクノロジーへの注目が高まっています。

この領域に2012年から参入しているカオナビは、クラウド型サービスとしては非常にタイミングが良かったと言えるでしょう。

カオナビのビジネスモデル

『カオナビ』はいわゆるクラウド型のSaaSとして、インターネット経由でソフトウェアを提供します。

売上の大部分は、使用ライセンス数と試用期間に応じて受け取る「サブスクリプション(月額課金)」収入であり、登録人数に応じて次のような料金体系となっています。

1つ目が、月額39,800円から利用できる「データベースプラン」。さらには、59,700円から使える「パフォーマンスプラン」、さらに高度な「ストラテジープラン(79,600円〜)」も提供。

基本的な機能は全て「データベースプラン」で利用できますが、評価ワークフローや社員アンケートは「パフォーマンスプラン」、配置バランス図と社員データグラフは「ストラテジープラン」を契約する必要があります。

サービスの継続利用が大前提となるため、いわゆる「ストック型」のビジネスモデルであり、既存顧客がいかに長期間、継続してくれるかというのが大きなポイントとなります。

顧客の獲得は、オンラインによる問い合わせから始まる直接販売のほか、紹介パートナーによるユーザー紹介もあり、その際には紹介手数料が支払われます。

また、カオナビデータベースを活用した「サービスパートナー」も存在しており、その場合にはオプションサービス手数料がユーザーからサービスパートナーに支払われ、その一部がカオナビに入るという形式。

人材業界の大手、リクルートホールディングスとも資本業務提携を結んでおり、適性検査サービス「SPI3」や、人材採用サービス「リクナビTalend Finder」とも連携。

代表の棚橋氏は、日本のビジネスパーソンの情報をクラウド上で一元管理することで、さらなる付加価値を生み出していきたいと発言しており、単なる人材管理ツールにとどまらない、二次的な活用を将来ビジョンとして考えているようです。

誰もが知るように、高齢化が進む日本社会では、労働生産性の向上と、労働力の確保が大きな課題となります。 限られた人材リソースをうまくマネジメントするという需要はうなぎのぼりであり、そうした社会的背景が、カオナビの成功をもたらしたと言えるでしょう。

カオナビの市場シェアは、2019年現在で国内の3割ほどを握っています。対象市場は依然としてホワイトスペースだとしており、積極的なセールス・マーケティング活動によって、成長を最大化させていく目論見です。

2018年には、大阪オフィスや名古屋オフィスと拠点を増やしているほか、オウンドメディアの運営など時間のかかる認知拡大施策も積極的に行なっています。

マネたま

おそらく、カオナビは全社導入が前提なのではないかと推察されますが、部分導入の顧客については、導入部署の拡大もアップセル余地となります。

## 参考資料 - 成長可能性に関する説明資料 - カオナビ 機能・料金