花王 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 2兆7554億7500万 円
銘柄コード 4452(市場第一部(内国株))

花王株式会社は東京日本橋に本社をおく企業。1887年、初代・長瀬富郎が前身となる洋小間物商「長瀬商店」を創業。1890年高級化粧石けん「花王石鹸」、1900年化粧水「二八水」、1911年粗製グリセリンなどを発売。現在は化粧品、スキンケア・ヘアケア製品、ヘアスタイリング剤などのビューティケア事業、健康機能飲料やサニタリー製品、オーラルケア製品などのヒューマンヘルスケア事業、衣料用洗剤や食器用洗剤、住居用洗剤などのファブリック&ホームケア事業の3つの消費者向け事業を展開。


事業内容とビジネスモデル

事業内容

花王グループでは「コンシューマープロダクツ事業」「ケミカル事業」「その他」の3事業を展開している。コンシューマープロダクツ事業では、化粧品やスキンケア・ヘアケア、ヒューマンヘルスケア、ファブリック&ホームケア商品の製造・販売を行っている。ケミカル事業では、油脂化学、海面化学、高分子化学などにおける研究開発を行い、幅広い産業界の多用なニーズにチア王したケミカル製品を提供している。

花王グループは、花王及び関係会社(子会社116社、関連会社6社により構成)から構成されている。

コンシューマープロダクツ事業

コンシューマープロダクツ事業には、化粧品事業、スキンケア・ヘアケア事業、ヒューマン ヘルスケア事業、ファブリック&ホームケア事業が該当する。国内の主要会社は、「花王」「花王グループカスタマーマーケティング」「ニベア花王」「カネボウ化粧品」「エキップ」その他11社、計16社が該当する。海外の主要会社は、「花王(中国)投資有限公司」「上海花王有限公司」「 花王(合肥)有限公司」「花王(上海)産品服務有限公司」「 佳麗宝化粧品(中国)有限公司」「Kao(Taiwan)Corporation」「KaoIndustrial(Thailand)Co.,Ltd.」「Kao Commercial(Thailand)Co.,Ltd.」「PT Kao Indonesia」「Kao USA Inc.」「Kao Germany GmbH」その他53社、計63社が該当する。

ケミカル事業

ケミカル事業は、国内の主要会社は「花王」「花王クエーカー」「昭和興産」その他 1社、計4社が該当する。海外の主要会社は、「花王(上海)化工有限公司」「Kao(Taiwan)Corporation」「 Pilipinas Kao,Inc.」「Kao Industrial(Thailand)Co.,Ltd.」「 Fatty Chemical(Malaysia)Sdn. Bhd.」「Kao America Inc.」「 Kao Specialties Americas LLC」「Kao Chemicals GmbH」「Kao Chemicals Europe, S.L.」「Kao Corporation, S.A.」その他 17社、計27社が該当する。

その他として、国内の主要会社は、「花王ロジスティクス」その他 6社計7社が該当する。海外の主要会社は、「 Misamis Oriental Land Development Corporation」その他9社、計10社が該当する。

経営方針

花王グループは、消費者・顧客の立場にたって、心をこめた“よきモノづくり”を行い、世界の人々の喜びと満足のある、豊かな生活文化を実現するとともに、社会のサステナビリティ(持続可能性)に貢献することを使命としている。企業理念である「花王ウェイ」をグループ全員で共有し、考え方や行動の拠り所として日々実践してきている。そして、持続的な利益ある成長を続けていくために、近年では「脱デフレ型成長モデルの構築」やコンパクトで多様性に富む取締役会を目指すガバナンス改革等を実行している。さらに清潔で美しくすこやかな暮らしに役立つ商品や産業界の発展に寄与する工業用製品等を提供していくことで、消費者、顧客や社会へ貢献できるよう努めてきている。

しかし、取り巻く様々な社会情勢や自然環境は、目まぐるしいスピードで大きくグローバルに変化し、それに伴い人々の価値観も多様化している。このような状況に対応するためには、迅速な変化対応だけではなく、変化を先取りした取り組みが重要であると考えている。ポイントはESG(環境、社会、ガバナンス)であり、ESG経営に大きく舵を切ることを宣言している。人や社会、地球に貢献しながら利益ある成長を続け、より高いレベルでの企業価値の向上を目指していく。

中長期的な会社の経営戦略

長期経営戦略において2016年12月、2030年までに達成したい姿として、持続的な利益ある成長と社会のサステナビリティへの貢献との両立によって、『グローバルで存在感のある会社「Kao」』になる将来像を描いている。これを実現させるためには、ESG視点での“よきモノづくり”をベースとした既存事業の強化やESG視点から生み出される新規事業の創造、事業領域の拡大が重要となる。これまでの延長線上ではなく、「自ら変わり、そして変化を先導する企業へ」をスローガンに掲げ、活動することにより、グローバルで存在感のある会社「Kao」を目指していく方針である。

具体的には、「特長ある企業イメージの定着」、また「高収益グローバル消費財企業」として、売上高2.5兆円(海外1兆円)超、営業利益率17%超、ROE20%超、「ステークホルダーへの高レベル還元」を挙げている。また、2020年度は2017年からの4ヵ年を対象とした花王グループ中期経営計画「K20」の最終年度であり、2030年までに達成したい姿を実現させていくための礎となる重要な年と捉えている。

「K20」の目標(3つのこだわり)として、 第1に、「特長ある企業イメージの醸成へのこだわり」を挙げている。第2に、「「利益ある成長」へのこだわり」として、過去最高益更新の継続、実質売上高CAGR+3%、営業利益率15%を目指すこと、売上高1,000億円ブランドを3つ(ベビー用紙おむつ『メリーズ』、衣料用洗剤『アタック』、スキンケア製品『ビオレ』)を挙げている。第3に、「ステークホルダー還元へのこだわり」として、株主に連続増配継続(配当性向 40%目標)を、社員に継続的な処遇アップ、健康サポートを、顧客にWin-Winの最大化、社会に社会的課題への先進的取り組みを挙げている。

経営指標

花王グループは、投下資本のコストを考慮した真の利益を表す「EVA(Economic Value Addedの)」を経営の主指標としている。その本質は、株主等の資金提供者の視点を持って、資本を効率的に活用し利益を生み出すことにある。EVAを継続的に増加させていくことが企業価値の増大につながり、株主だけでなく全てのステークホルダーの長期的な利益とも合致すると考えている。そして事業規模の拡大を図りながら、EVAを増加させることを事業活動の目標としており、個別事業の評価、設備や買収等の投資評価、年度ごとの業績管理や報酬制度等に活用している。

会社の対処すべき課題

市場競争の激化や市場構造の変化、原材料市況や為替の変動等の事業環境は不透明な状況が続いている。消費者の環境や健康等に関する意識の変化やそれに伴う購買意識の変化、さらには高齢化社会の進行や衛生等の社会的課題も増大している。また、事業がグローバルに拡大し、さまざまな分野で構造的変化が進む中、事業を取り巻くリスクの変化に対応していく必要がある。そのために4つの課題に対し適切に対処していく。

第1に、事業を取り巻くリスクの変化に対応するため、経営への影響が特に大きく対応の強化が必要なリスクをコーポレートリスクと定め、管理体制を一層強化しグループ全体の企業価値を損なわないように取り組む方針である。

第2に、技術革新に伴う価値観の多様化、購買行動や流通構造の変化等が急速に進む現状において、マスを対象にしたビジネスモデルを、研究開発、生産、物流、販売、マーケティング等あらゆる方面で見直す必要がある。これらの課題を解決するため本質研究の強化やAI(人工知能)やIoT(Internet of Things)、ロボット等の先端技術の活用を積極的に進めていく方針である。

第3に、花王らしいESG戦略(KLP)を推進していくためには、花王グループのメンバー全員がその目的や内容を正しく理解し、それぞれの役割と責任をしっかりと果たすことが必要である。そのために、グローバルレベルでKLPを浸透させる啓発活動を充実させていく。また、取締役会やESG外部アドバイザリーボードからの第三者視点で のチェック・意見を活かし、活動をより一層充実したものにしていく方針である。

第4に、内部統制については、社会の変化にも柔軟に対応する必要があり、グループ全体でさらに有効かつ迅速に機能するよう、体制と運用の両面で一層の強化を図る方針である。