PR TIMES 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 406億4100万 円
銘柄コード 3922(市場第一部(内国株))

本社は東京・南青山。2005年設立。
プレスリリース配信サービス「PR TIMES」を運営。
オンライン上で話題化を図るデジタルPRの戦略立案・実施や、キャンペーンの効果測定に使える「WEBクリッピングサービス」の提供、ソーシャルメディアユーザーのためのモニターサービス「conecc」、ブログマーケティングサービス「ブログタイムズ」、カスタマーリレーションサービス「Tayori」も運営。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

PR TIMESは報道機関向けのプレスリリース配信などを行なう企業。2005年にベクトルの子会社として設立され、本社は東京・南青山にある。2007年よりプレスリリース配信サービス「PR TIMES」の運営を開始した。2016年3月に東証マザーズに株式上場を果たし、2018年8月に東証一部に市場変更した。

オンライン上で話題化を図るデジタルPRの戦略立案・実施や、キャンペーンの効果測定に使える「WEBクリッピングサービス」の提供、ソーシャルメディアユーザーのためのモニターサービス「conecc」、ブログマーケティングサービス「ブログタイムズ」、カスタマーリレーションサービス「Tayori」も運営。

事業内容

PR TIMES(ピーアールタイムズ)グループは、企業と生活者をニュースでつなぐプラットフォーム事業を展開している。PR TIMESグループの提供サービスは、プレスリリース配信「PR TIMES」、プレスリリース関連サービス、広告その他サービスに分類される。

「PR TIMES」の利用企業は、「PR TIMES」上で新製品やサービスの発表、イベントやキャンペーンの告知、業績動向などのニュースを広めることで、高い投資効果を見込むことができる。

広告その他サービスでは、株式会社マッシュメディアが「IROIRIO」、「isuta」、「TECHABLE」など、生活者向けのニュースメディアを運営している。

PR TIMESグループは、株式会社PR TIMEおよび連結子会社であるマッシュメディアの2社で構成されている。

プレスリリース配信事業

今日では、ウェブメディアが急速に増大し、メディアとは無縁だった多くの企業も、ニュースで生活者とつながるという新たな機会を得ている。メディアのデジタル化や通信インフラの整備などにともない、情報流通量は増え、検索エンジンやSNSなどにより、生活者の情報接触行動の多様化はますます加速している。

このような環境の中、株式会社PR TIMEは世の中に驚きを与える新製品やイベントが日々発表され、そのニュースが相応に生活者へ伝わり、さらにみんなで共有して楽しまれるプラットフォームを目指している。そして、中核サービスである「PR TIMES」において、利用企業がプレスリリ―スを掲載できるほか、メディアの記者や編集者などへ報道向け素材資料として配信することもできる。加えて、「PR TIMES」が業務提携するウェブメディアやニュースアプリへ転載する機能も提供している。

「PR TIMES」では、クライアントからパブリシティの依頼を受け、顧客商品・サービスについての情報をプレスリリースとして配信している。

また当サイトだけでなく、産経ニュース、YOMIURI ONLINE、朝日新聞デジタル、毎日新聞Web、時事ドットコム、iza、東洋経済ONLINEなど月間1億PV以上の大手メディアと1000万PV以上のサイト25媒体を含む全業界対象メディアや、業界特化メディア、コラムメディアに転載している。またFacebookやツイッターにすべてのリリース情報をカテゴリ別に投稿し、リリース情報を更に拡散しているのも特徴である。

「PR TIMES」の主要機能は、サイトへの掲載、メディア(雑誌、新聞、Webサイト、フリーペーパー、テレビ、ラジオなど)への配信、提携メディアへの転載に大別される。

「PR TIMES」サイトへの掲載

「PRTIMES」サイトは2020年2月現在、月間最大2,700万PV超まで成長している。メディアの記者や編集者などがサイトを閲覧し、報道するための情報源として活用するほか、生活者がニュースとしてサイトを閲覧し、ソーシャルネットワークサービスなどで共有している。プレスリリースの情報価値に相応して、生活者へニュースとして直接的に届け、広めることができる。

メディアへの配信

プレスリリースをメディアの記者や編集者などへ報道向け素材資料として配信し、パブリシティの機会を創出する。2020年2月現在、1万2,000媒体超のメディアリストをデータベース化しており、利用企業は発表する内容に即して、プレスリリースを配信したいメディアを容易に選択できる。

提携メディアへの転載

産経ニュース、YOMIURIONLINE(読売新聞)、朝日新聞デジタル、毎日新聞Web、時事ドットコム、iza、東洋経済ONLINEのニュースサイトや、LINENEWS、antennaなどニュースアプリと提携し、プレスリリースを転載している。またプレスリリースの内容や情報価値に相応して、それぞれのサイトやアプリをユーザーへニュースとして届けることができる。

ビジネスモデル

PR TIMESは、主に「PR TIMES」サイトでプレスリリースを配信する利用企業より一定の利用料金を収受している。プレスリリース1件あたり3万円の従量課金プランのほか、プレスリリースの利用機会が多い企業向けに月額固定の定額制プランがある。収益は概ねプレスリリース件数に比例し、サービス利用効果は、「PR TIMES」サイトの PV数や提携メディア数に連動する。メディアと生活者のアクセスを増大させるために、魅力的な利用企業、プレスリリースを多く集積することが肝要だが、加えてプレスリリースのコンテンツ価値の向上や波及効果の拡大につながる施策を実施している。

プレスリリース関連サービス

PR TIMESは一部の利用企業において、効果向上や業務効率化のためのプレスリリース関連サービスも提供している。なお関連サービスは、プランニングサービス、原稿制作サービス、クリッピングサービス(広告効果リサーチサービス)、広告その他サービスとなっている。

プランニングサービス

利用企業が新製品やサービスの発表、イベントやキャンペーンの告知といったニュースを広めるにあたって、より効果的にパブリシティを獲得し、ソーシャルネットワークサービスでより波及させるための施策の立案、及びその実施を提供する。PR TIMESが提供するプランニングサービスは、「PR TIMES」サイトのトラッキングデータや子会社が運営するウェブメディアの運営で培ったノウハウなどを活かしている点が特徴。

原稿制作サービス

「PR TIMES」で配信するプレスリリースの原稿を制作するサービスを提供する。

クリッピングサービス

広報効果リサーチサービスであり、メディアに報道されたパブリシティを収集し、利用企業へ報告するサービスを提供する。特に、ウェブメディアに特化した「Webクリッピング」はクローラシステムを自社開発することで、膨大なウェブメディアを巡回し、キーワード検索により、利用企業のパブリシティの収集を自動化した。

広告その他サービス

PR TIMES及び「マッシュメディア」が運営するウェブメディア及びスマートフォンアプリ(以下、ウェブメディア等)に広告枠を設け、主にアドネットワーク事業者(複数の広告主の広告出稿を取りまとめ、参画する多数のウェブメディアに広告を配信する事業者)が提供する仕組みを利用し、広告表示又はクリックに応じて広告収入を得ている。

対処すべき課題

PR TIMESグループが対処すべき課題は主に3つあるとしている。

継続的な成長

PR TIMESグループでは、「PR TIMES」を社会インフラとして成長させることが使命であると考えている。そのため、情報発信する企業や団体、提携するメディアを増やし、生活者にとって質の高い情報を届けられるよう、安定的なシステム運用と、継続して利用いただける顧客対応が重要であるとしている。

収益基盤の強化

主力事業の「PR TIMES」に加え、PR効果測定ツール「Webクリッピング」、プロジェクト管理ツール「Jooto」、カスタマーサポートツール「Tayori」のユーザー数は堅調に推移している。引き続き規律のある投資と業績管理を行い、第2、第3の収益事業として成長させていく方針だ。

内部管理体制の強化

PR TIMESグループが健全に成長を続けるには、コーポレート・ガバナンスと内部管理体制において、一層の強化が必要であるとしている。

事業等のリスク

景気の変動について

企業の広告宣伝・広報関連予算は、企業の景況に応じて調整されやすく、景気動向に影響を受けやすい傾向にあり、景況感が悪化した場合、グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

災害・事故等の発生について

企業の広告宣伝・広報関連予算は、自然災害、電力その他の社会的インフラの障害、通信・放送の障害、流通の混乱、大規模な事故、伝染病、戦争、テロ、政情不安、社会不安等が発生した場合、その影響を受けやすい傾向にある。したがって、これらの災害・事故等が発生した場合、グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

同業他社との競合について

プレスリリース配信サイトの開発は、企画力・開発力を持つ企業であれば比較的参入しやすいこと、当該企業の台頭などにより顧客の獲得競争が激化し、PR TIMESグループがプレスリリース配信事業の競争力や優位性を保つことが困難になった場合には、グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性がある。

メディアとの関係について

PR TIMESグループは、メディアとの広範かつ親密なネットワークを経営資源としているが、テレビ・新聞・雑誌・ラジオ・インターネットメディアといったメディアは、効果的なプレスリリース掲載を図る為の重要なインフラだ。PR TIMESグループは、メディア各社に対し有用な情報を長期的かつ継続的に提供することにより、メディア各社との信頼関係を構築してきたが、PR TIMESグループが誤った情報の提供等により、メディアとの信頼関係を失った場合、グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

技術革新への対応等について

PR TIMESグループはインターネット関連技術に基づいた事業を展開しており、今後も適時適切にプレスリリース配信を行っていく方針としている。しかしながら、PR TIMESグループを取り巻く業界は、新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われており、非常に変化が激しいものとなっている。そのため、技術革新に対する対応が遅れた場合には、PR TIMESグループの競争力が低下する可能性があることに加え、急速な技術革新に対応するためにシステム又は人的投資への金額が増大する可能性がある。

知的財産権について

PR TIMESグループは、第三者の知的財産権を侵害しない体制として、社内のチェック・教育の実施や顧問弁護士への確認・相談を実施しているが、万一、PR TIMESグローバルが事業推進において第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴訟を提起される可能性があり、グループの業績及び社会的信用に影響を及ぼす可能性がある。

法的規制について

プレスリリース配信事業は、プロバイダ責任制限法や不当景品類及び不当表示防止法、下請法等関連法規による規制がある。PR TIMESグループでは社内のチェック・社内教育の実施や顧問弁護士によるチェック等、法令に抵触しないよう法令に準じた運用の徹底を図っているが、これらの法規の変更が行われる場合、又は運用の不備等により当社事業が法令に抵触するような事態が起こった場合、グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性がある。

システムトラブルについて

PR TIMESグループは、アクセス過多によるサーバー停止やネットワーク機器の故障及び自然災害や事故、火災等によるシステムトラブルの発生を回避するために、サーバーの負荷分散、稼働状況の常時監視、定期的バックアップの実施等の手段を講じることで、システムトラブルの防止及び回避に努めている。しかしながら、顧客情報やコンテンツを管理しているサーバーや閲覧・予約システムにおいて何らかのトラブルが発生することで、顧客への情報提供等に障害が生じる可能性もあり、当該障害が生じた場合には、グループの業績に影響を与える可能性がある。

新規事業について

PR TIMESグループは、培ったノウハウを生かし、更なる成長を目指してプレスリリース配信事業の積極展開を進めている。新規事業開発は慎重な検討を重ねたうえで取り組んでいるが、当該事業を取り巻く環境の変化等により、当初の計画どおりの成果が得られない場合、グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

親会社との関係について

親会社グループにおける位置づけ:
PR TIMESグローバルは、親会社である株式会社ベクトルを中心とした企業集団(以下、ベクトルグループ)に属している。ベクトルグループはPR TIMESグループの議決権の58.3%(2020年2月期末時点)を保有する筆頭株主であり、ベクトルグループは企業の戦略的広報活動を支援するPR事業を主力事業としている。ベクトルグループにおいては、従来からの広報業務に加え、広告宣伝分野でPRを活用する「戦略PR」を通じ、企業の広報活動の支援やコンサルティング業務を実施している。なお、「戦略PR」とは、クライアントの情報をメディアの制作・編集担当が記事やニュースとして取り上げたくなる形に加工することで、広告に比べて低コストで、注目度の高い情報を幅広いメディアに拡散させていく手法を指す。

PR TIMESは、戦略PR事業を主な事業とするベクトルグループにおいて、「テクノロジーカンパニー」という位置付けでプレスリリース配信事業を営んでいる。ベクトルグループは、プランニングから実行までの比較的大規模なPRビジネスが主流であり、PR TIMESのプレスリリース配信事業の重要性は低いと考えている。また、ベクトルグループ内にPR TIMESと競合となるサービスはない。しかしながら、ベクトルグループの方針や環境が変わり、グループ他社から競合となるサービスが創出された場合にはPR TIMESの事業及び業績に影響を与える可能性がある。

ベクトルグループとの取引関係:
ベクトルグループとの取引については、PR TIMESのプレスリリース配信サービス「PRTIMES」をベクトルグループ各社が利用している。2020年2月期におけるPR TIMESグループの連結売上高に占めるベクトルグループ向け売上高の割合は6.2%となっている。何らかの要因で、ベクトルグループとの取引が困難となった際は、PR TIMESの事業及び業績に影響を及ぼす可能性がある。

ベクトルグループとの取引条件については、定期的に契約の見直しを行っている。また、ベクトルグループに限らず関連当事者取引等については、経営戦略上又は営業戦略上必要な場合を除き、原則行わないという基本方針を定めている。関連当事者取引等の実施については、当該取引がPR TIMESグループの経営の健全性を損なってはいないか、当該取引が合理的判断に照らして有効であるか、また、取引条件等は他の外部取引と比較して適正であるか等に特に留意して、かつ、監査役会で審議を行い、取締役会の決議により行う方針としている。

ベクトルグループとの人的関係:
2020年2月期末現在におけるPR TIMESグループの取締役4名のうち、ベクトルグループとの間で兼務関係にある役員は取締役の長谷川創氏1名。

長谷川創氏は株式会社ベクトルに入社後、ベクトルグループの複数の企業で取締役を歴任しており、経営に関する幅広い経験を有するため、PR TIMESから同社へ要請し取締役就任に至った。PR TIMESがベクトルグループから役員を受け入れる目的は、経営戦略に対する有益な助言を得るためであり、PR TIMES独自の経営判断を妨げるものではないものと認識している。したがって、特段の必要がない限りにおいては役員を受け入れることはないが、受け入れる際にはベクトルグループからの一定の独立性を確保するように努める方針。また、2020年2月期末現在、PR TIMESグループに、ベクトルグループからの出向者は存在しない。ベクトルグループからの出向者は、原則として受け入れない方針であり、人員が必要な場合にはPR TIMES自身で採用する方向で考えている。

なお、2020年5月26日開催の第15回定時株主総会をもって長谷川創氏はPR TIMES取締役を退任し、ベクトルグループから新たに戸﨑康之が取締役に就任することが同総会にて決議された。

その他、ベクトルグループとの間の関係について:
ベクトルグループでは、「関係会社管理規程」に基づき、業務執行における報告事項及び事前承認事項が定められているが、PR TIMESは株式会社ベクトルとの間で、PR TIMESの株主としての権利を除き、PR TIMESが東京証券取引所マザーズ市場に株式上場した2016年3月31日をもって「関係会社管理規程」の適用除外とする旨の覚書を締結している。

情報管理について

PR TIMESグループは事業を推進していく中で、顧客情報や個人情報を扱う機会がある。情報管理については必要な措置を講じており、その一環として2009年11月にプライバシーマークを取得した。しかしながら、不測の事態によりこれらの情報が流出した場合には、グループの業績及び社会的信用力に影響を及ぼす可能性がある。

特定経営者への依存について

代表取締役である山口拓己氏は、2009年5月以来代表を務めており、2007年4月にプレスリリース配信サービス「PR TIMES」の運営を開始するなど、PR TIMESグループの経営方針や事業戦略の決定・遂行、多様なサービスラインの開発・導入に重要な役割を果たしている。PR TIMESグループは、取締役会等における情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めているが、何らかの理由により同氏が業務を継続することが困難となった場合、グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性がある。

新株予約権行使による株式価値の希薄化について

PR TIMESグループでは、取締役及び従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用している。現在付与している新株予約権が行使された場合は、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性がある。なお、2020年2月期末現在における新株予約権による潜在株式数は37万9,400株であり、同日現在の発行済株式総数672万8,600株の5.6%に相当している。

2020年2月期 有価証券報告書(提出日:2020年5月26日)