楽天銀行が上場申請 「独自の財務戦略が検討可能に」
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楽天グループは4日、子会社でネット専業銀行の楽天銀行が東京証券取引所に新規上場を申請したと発表した。上場時期や承認の可否は未定とした。上場後も、楽天グループの連結子会社とする方針だ。
狙いは?
楽天グループは上場申請の背景について、「各事業を取り巻く環境を踏まえ、資本効率を上げながら迅速な意思決定を可能とする体制の構築」により、グループの競争力と機動力を高めることが重要だと説明する。
上場を通じて、「より自律的な経営視点で成長戦略を遂行できるようになり、独自の資金調達を含む財務戦略が検討可能」とした。
楽天銀行の口座開設数は、5月末時点で1256万口座。ネット専業では、住信SBIネット銀行(3月末時点で535万口座)などを上回って国内最大規模の顧客基盤を持つ。
楽天グループは2021年9月に楽天銀行が上場準備に入ると発表。同社は2022年4月、中長期の経営計画を公表していた。2027年3月期までに口座数を約2500万口座とし、預金量も約2.5倍の約20兆円に引き上げる計画だ。
楽天グループは携帯子会社の楽天モバイルで、参入に伴う基地局の整備費用などがかさんでいる。2021年12月期の純損益は1338億円の赤字となり、3期連続の最終赤字を計上している。