2022年06月24日 19:12
ソフトバンクG孫氏、Armの売却断念「言い訳抜きで良かった」株主総会で
Strainer

ソフトバンクグループは24日、本社を置く東京都港区で42回目の定時株主総会を開いた。傘下の英Armを米NVIDIAに売却する計画が頓挫したことについて、孫正義会長兼社長は「言い訳抜きで(各国政府の)許認可が降りなくてよかった」と笑顔を見せた。

何を語った?

孫氏は世界のユニコーン企業に投資している傘下ファンド「ビジョン・ファンド」とArmが、ソフトバンクGの新しい成長エンジンだと株主に強調した。

上場させる方針を決めたArmは「コロナが始まりどん底で、売らなきゃお金がない状態だった。今は戻ってきて良かった」とし、「インターネットトラフィックの増加と共に伸びていく会社だ」と述べた。

画像名 ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長=Strainer

ソフトバンクG株については、「上がったり下がったりが激しく、信用買いで買うのは危険。(信用買いなら)少し借りて、長く持っていただきたい。僕は必ず上がると信じている」と話した。

スピーチの終盤では、「これからが僕のやりたかったこと。やる気満々、夢満々。髪の毛だけが滅んでいく」と語って笑いを誘った。

株主との一問一答

ーー475社の投資先から、中国アリババ集団を超える規模の会社は出てくるか。

1社か2社か、うまくいって3社。可能性が十分にあるのがまさにArmで、将来はGAFAに相当する規模になる。

ーーArmをロンドンで上場させる考えは。

(Armの本社がある)イギリス、Armのお客さんが多いアメリカからラブコールをいただくが、まだ決めていない。本命はナスダックだ。

ーー投資成果が出るまでにあと何十年待てばいいのか。

何十年までは待たなくていいと思う。「桃栗三年柿八年」と果物でも時間がかかる。5、10年くらい待てば、かなり美味しくなる。

ーービジョン・ファンドの投資先の価値が大きく目減りしている。

世界中の株価も大半が目減りしているが、僕のビジョンは微動だにしていない。だから(情報革命の)進化に逆張りはしない(で投資する)。借入比率を25%未満に抑えていて、危ないときこそ、夜道はライトを付けて安全運転する。

ーー配当が低いのでは。

安定的な配当をし、代わりに機動的に自社株買いもしている。日本企業の中では自社株買いの規模が一番大きいのではないか。ソフトバンクGでは配当より、株式そのものの価値を増やしていく。