2021年10月19日 19:48
エグレスフリーなクラウドストレージ
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Shutterstock

クラウドストレージ企業「Backblaze」が近くNASDAQに上場する。Amazon Web Servicesの「S3」に似た「B2」というソリューションを手がけ、成長を続けている。

重要な理由: 先日ご紹介したCloudflareも言及したように、S3はネットワーク転送にかかわる「エグレス料金」がかさむことがある。Backblazeも既存の料金モデルが不透明だと指摘する。

Backblazeは2007年の設立。今では175か国以上で48.5万もの顧客を有し、ARRは6,480万ドル(前年比24%増)。ネットレベニューリテンション(NRR)は110%にのぼる。

Backblaze 売上高

2021年上期の売上高は3,146万ドル(前年比24%増)。そのうちバックアップ製品(Computer Backup)が2,110万ドルを占める。

成長著しいのがS3互換のクラウドストレージ「B2」だ。同期間の売上は1,010万ドル(同60%増)にのぼり、NRRは130%。顧客数はバックアップ製品が43万社に対し、B2は6.75万社。

この時代、あらゆるデータがクラウドに移行しているのは言うまでもない。パブリッククラウド上に保存されたデータは2010年には世界で4%に過ぎなかったが、2024年には53%にのぼると予想されている。

強みとするのがインバウンドでのマーケティング戦略。新規ユーザーも登録して試すまでが簡単で、セルフサーブ型の獲得が2020年売上の80%超を占めた。

パートナーエコシステムも強力だ。先述したCloudflareやFastlyといったCDN(Content Delivery Network)と連携し、エグレス料金のかからないソリューションを提供している。