2021年07月12日 07:00
お金の国境をなくす
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国際送金プラットフォーム「Wise」がロンドン証券取引所への直接上場を果たした。以前は「TransferWise」として知られていた会社だ。

創業は2011年。銀行の国際送金は手数料が高い上に、時間もかかる。これを「バカげている」と感じたのが創業の起点だ。

解決策はシンプルだ。国際送金したいユーザーをマッチングし、国内同士でやり取りを完結させる。こうすれば高い手数料もいらず、スムーズだ。トンチのような話だが、これが功を奏した

Wise

アクティブ顧客数は2021年3月までの一年で600万件、そのうち570万件が個人だ。決済総額は同じく年間544億ポンド(≒8.2兆円)。うち法人は123億ポンド(23%)を占める。

低コストが売りだけあって、テイクレートは0.77%と低い。それでも2021年3月期の売上高は4.21億ポンド、調整後EBITDAは1.09億ポンドと高収益だ。

近年は単なる送金サービスからの転身を図ってきた。すでに160万件のデビットカードを発行し、56もの通貨で利用されている。APIによって銀行や企業の必須ツールとして浸透させる戦略も進める。

使命に掲げるのは「お金の国境をなくす」こと。最終的には手数料を無料にすると宣言している。目指しているのは、銀行の海外口座を丸ごとリプレイスすることだ。