2021年05月13日 07:00
少し似た企業を買収
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iPhone好きな人なら必ず知っておきたいのが「Jamf」だ。以前ご紹介したように、法人向けにApple製品を管理するソリューションを提供する企業である。

元はMac製品の管理に特化していたが、iPhoneやiPadの普及で市場が拡大。今では5万社を超える顧客がApple端末の管理に使うという。対象端末は2,180万台にのぼる

Jamfは2020年にナスダックへの新規上場を果たし、着実に事業を伸ばしている。2021年1〜3月期における売上高は8,117万ドル。うち7,492万ドルが定期課金だ。

Jamf

足元のARRは3.08億ドル(前年比37%増)。営業損益は赤字だが、フリーキャッシュフロー(uFCF)は100万ドルのプラスだ(直近12か月では6,900万ドルのプラス)。

決算とともに発表したのが「Wandera」の買収である。モバイル端末管理のための「ゼロトラスト」なセキュリティソリューションを提供する会社で、Jamfと同じくApple製品に強みを持つ。iOS端末の割合は80%だ。

WanderaのARRは約2,500万ドルで、買収額は4億ドル。Jamfにとっては過去最大の買収であり、ARRに対して16倍の金額を投じる。

Jamfの試算によると、2020年時点のTAM(潜在市場規模)は120億ドルだった。Wanderaの買収でアクセスできる市場は広がり、TAMは180億ドルになるという