「肥満薬は富裕層だけ」ではなかった イーライリリーが読めなかった買い手

高額な肥満薬を自腹で買うのは、一部の富裕層だけ。そんな見方は、この1年で静かに崩れました。マンジャロを手がけるイーライリリーの2026年7〜9月期は売上が前年同期比39%増え、通期の売上見通しは年初から約100億ドル上がりました。経営陣自身が「読めなかった」と認める買い手が、海外と米国の両方に現れたからです。

浮かび上がるのは、肥満薬を薬というより消費財として買う人々の姿です。誰が、どの財布で、どの薬を選んだのか。上方修正の裏側を、経営陣の言葉から追います。

中間層が自腹で肥満薬を買い始めた

「御社の業績予想は当てにならない」。マンジャロを手がけるイーライリリーの2026年7〜9月期決算説明会で、あるアナリストがそう切り出しました。同社は年初に示した通期売上見通しを、約100億ドルも上方修正しています。デイビッド・リックスCEOは、読めなかった変数は2つだけだったと答えました。

1つは後述する米国の公的保険、もう1つが海外の「自腹」市場の深さです。リックスCEOは、自己負担で買う海外市場で「超富裕層の上澄みをすくっているだけなのか、中間層の家庭も規模をもって健康改善と減量に関心を持つのか」が分からなかったと語りました。答えは後者でした。買い手の層が想定より厚かったことが、上方修正の正体です。

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