ベライゾン、無料回線を配るのをやめたら客が9倍集まった

携帯を選ぶとき、「2回線目が無料」「端末が実質タダ」の文字に心が動いた経験は、多くの人にあるはずです。通信会社は契約を増やしたいとき、それを配ります。米通信大手ベライゾンは2026年7〜9月期、その常識を捨てました。無料回線はゼロ。それでも主力の携帯契約の純増は前年同期の9倍になり、取締役会が「誤植ではないか」と聞き返したほどでした。

ダン・シュルマンCEOがこの四半期に繰り返したのは、「あえて売らない」という判断です。タダの回線は配らない。速度が足りない地域では家庭向けネット回線を売らない。その選択が、眠っていた電波や古い電話局を新しい売り物に変えました。最後には、多くの人が気にしている「衛星で携帯は安くなるのか」という問いにも、CEOが自分の言葉で答えています。

無料回線は「解約予備軍」と切り捨て

7〜9月期の携帯回線(月額後払いの主力契約)の純増は40万6000件で、前年同期の9倍でした。シュルマンCEOが誇ったのは数字そのものではなく、「無料回線はゼロ」という中身です。無料回線は純増に数えない、あれは「解約予備軍」だと言い切りました。タダで入った客は、別の会社がタダを配れば出ていく。だから最初から配らない、という理屈です。

昨年と同じやり方なら、さらに数十万件を積めたとも語りました。端末や回線をタダで配ればいい。しかしそれをせず、新規獲得にかける販促費を前年比41%減らし、既存客の引き留め費用も30%減らして契約を伸ばしました。代わりに用意したのが、6月中旬に始めた端末値引きなしのプラン「Simplicity」です(前回の決算説明会では月45ドルと説明し、申込手数料や機種変更手数料の廃止、全客向けのポイント還元も同時に導入しています)。

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