運転席に誰もいない車が、街の中で増えていく。テキサス州オースティンでこのひと月に起きたことを、テスラは2026年7〜9月期の決算説明会で数字とともに語りました。イーロン・マスクCEOらが描いたのは、無人タクシーを入口に、自動運転ソフトが車を売り、その同じAIが人型ロボットへ広がっていく道筋です。
無人タクシーは既存の配車サービスより安く走り、営業時間は深夜まで延びています。その裏では納車の大半がソフトの有料契約付きとなり、人型ロボットは最後の難所にぶつかっています。テスラは車を売る会社から、何に変わろうとしているのか。
ハンドルもペダルもない無人タクシー専用車「サイバーキャブ」が、テキサス州オースティンで営業を始めたのは約1か月前のことです。その台数はすでに10倍に増え、無人走行の累計マイルは7〜9月期中に8倍になりました。週ごとに2桁%の伸びが続いており、マスクCEOは週次のグラフを「ロケットが軌道に乗るようだ」と表現しました。テスラが次に売るのは車ではなく移動そのものだ、という宣言でもあります。
サイバーキャブ
伸びを支えるのは作りやすさです。車両技術担当のラース・モラヴィ副社長によると、サイバーキャブの部品点数は、テスラがこれまで作ったどの車より50%少ないといいます。製造現場からも最も量産しやすい製品だと評価されている、とヴァイバブ・タネジャCFOは述べました。年12万5,000台と公表した生産能力について、モラヴィ副社長は「今日走らせられる速度にすぎず、実際の上限はかなり高い」と説明しています。