医療大手Johnson & Johnson(J&J)が、年間売上高で初めて1000億ドルの大台に乗ろうとしています。ところが2026年7〜9月期の純利益はわずか2.1億ドルでした。本業の勢いと最終利益の落差は、同社の歴史でも異例の大きさです。
利益を消したのは、長年くすぶってきた訴訟に区切りをつける巨額の費用でした。決算説明会ではもう一つ、看板の医療機器事業が失速した理由をめぐり、アナリストが経営陣に詰め寄る場面もありました。巨額費用の正体は何か。心臓ポンプはなぜ1本の論文で売れなくなったのか。そして飲み薬の乾癬治療薬が呼び込んだ「意外な患者」とは。
売上は絶好調でした。7〜9月期の売上高は254億ドル、為替の影響を除いた実質ベースで6%増と、アナリスト予想を上回っています。それでも純利益は2.1億ドル、1株利益は0.09ドルにとどまりました。前年同期は2.12ドルです。差を生んだのは、タルク(ベビーパウダーの原料)をめぐる訴訟の和解と買収関連の費用で、合わせて約70億ドルにのぼります。

和解の中身はこうです。J&Jは7月、卵巣がんをめぐるタルク訴訟を55億ドルで解決することに合意し、この金額を7〜9月期の損益に計上しました。合意には条件があり、残っている卵巣がん関連の請求のうち95%以上が参加しなければ成立しません。ジョセフ・ウォルクCFOは「95%の基準を満たす方向に進んでいる」と述べました。長年の重荷を一括で片付けようという判断です。