RHは米国の高級家具・インテリア小売企業です。旧社名はレストレーション・ハードウェアで、ゲイリー・フリードマンCEOは26年かけて時価総額2000万ドルの経営難企業から年商約40億ドルのブランドへ転換したと説明しています。
「ギャラリー」と呼ぶ大型店舗にレストランを併設し、住宅の空間設計まで手がけるインテリアデザイン事業を展開しています。2025年9月から2026年7月にかけてパリ、ミラノ、ロンドンに旗艦店を相次いで開き、欧州展開の投資が集中する局面にあります。

2026年5〜7月期の売上高は9.2億ドルで前年比2.6%増となり、会社予想の上限を上回りました。正常化ベースの調整後EBITDAマージンは13.4%です。2027年1月期通期の売上成長率予想は5.5〜7%、調整後EBITDAマージンは15〜16.2%とし、海外展開に伴う開業費用が約340ベーシスポイントの押し下げ要因になると説明しています。2026年11月〜2027年1月期には売上成長率が16.1〜21.2%に加速する見通しで、新ブランド「RH Estates」の寄与を8ポイントと見込んでいます。
RHは2026年5〜7月期に5510万ドルの関税還付益を計上し、下期にさらに1390万ドルを見込んでいます。ただし、このうち5000万ドルは中東紛争に伴う原油価格の急騰でサプライチェーンに生じた想定外のコスト増の相殺に充てる計画です。利益に寄与するのは残りの1900万ドルにとどまります。関税の払い戻しがそのまま利益になる構図ではありません。
ジャック・プレストンCFOは決算説明会で、原油価格が開戦時の63ドルから109ドルに上昇したと述べました。この規模のコスト増は緩和できず、コストは上がり、インフレは進むとの見方です。金利についても「蓋をし続けることはできないだろう」と述べています。フリードマンCEOは、あらゆる原材料の価格が上がっており、すべてが原油の影響を受けていると説明しました。
フリードマンCEOは他社の事例も挙げました。ウォルマートは20億ドル、ホーム・デポは7億ドル超の関税還付を受けましたが、いずれもコスト増の吸収に回るとの認識です。「魔法の杖は誰も持っていない」「取引先を破綻させれば取引先はいなくなる」と語り、交渉力による価格引き下げにも限界があると述べました。紛争が明日終わったとしても、パイプラインに残るインフレによって今後6〜12カ月は高コストの環境が続くとの見通しです。
住宅市場についても踏み込んだ発言がありました。フリードマンCEOは「これまでのキャリアで18カ月を超える住宅市場の低迷は見たことがない」と述べ、今回は5年目に入ると説明しました。住宅販売は4年連続で年400万戸の水準にとどまっています。同社はこの環境を前提に、需要の回復を待つのではなく自社で市場を広げる方針を取っています。