値上げを我慢した小売が笑う?米オフプライス「ロス・ストアーズ」2桁成長の理由

Ross Stores, Inc.

米ロス・ストアーズは、有名ブランドの商品を通常の小売価格より安く販売するオフプライス業態の大手です。主力チェーンの「Ross」と、より低い価格帯の「dd's DISCOUNTS」を全米で展開し、店舗網は約2300店に上ります。メーカーの過剰在庫やキャンセル品(クローズアウト)を機動的に仕入れる調達力が競争力の源泉です。

同社が8月20日に発表した2026年5〜7月期決算は、売上高が前年比13%増の63億ドル、既存店売上高が10%増となりました。2四半期連続の2桁の既存店成長です。純利益は8.51億ドルと前年の5.08億ドルから7割近く増え、通期の利益見通しも引き上げました。決算説明会では、米国の消費と小売業界で進む変化を映す発言が相次ぎました。

全所得層・全世代がオフプライスに流れ込む

今期の既存店売上高10%増は、主に取引件数の増加によるものです。ジム・コンロイCEOは「単なる成長率だけでなく、成長の質に興奮している」と述べました。売上は5月から月を追うごとに加速し、前年に学校向け商戦で好調だった7月が最も強かったと説明しています。8月に入っても勢いは続いているとのことです。

成長の中身は4つに分解されます。まったくの新規顧客の獲得、2〜3年離れていた休眠顧客の復帰、既存顧客の来店頻度の上昇、そして客単価の増加です。コンロイCEOは「これ以上ない成績表だ」と評し、4つすべてが前年比で伸びていると述べました。

Ross Stores

注目すべきは新規顧客の構成です。コンロイCEOによると、新規顧客は「追跡しているすべての世帯所得層、すべての年齢層、すべてのエスニシティ」で増加しています。その横顔は既存顧客の「鏡写し」であり、若年層の取り込みも進んでいるとのことです。低価格店の顧客増を低所得層の防衛的消費と結びつける通説とは異なる姿が示されました。

休眠顧客の把握には、市販のクレジットカードデータを使っていることも明かされました。一定期間来店のなかったカード番号が再び使われたかを追跡し、マーケティングで戦略的に掘り起こしているといいます。コンロイCEOは「新しい筋肉のようなもの」と表現し、精緻ではないが方向性はつかめると述べました。

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