新作を減らしてもゲーム売上は2桁増。NetEase決算が映す中国ゲーム大手の「運営の時代」

NetEase, Inc.

新作を次々に投入し、当たった一本で稼ぐ。中国のゲーム大手に対するそんな見方は、もう古いのかもしれません。「荒野行動」や「第五人格」で知られるNetEaseは、この1〜2年で新作の本数を意図的に減らし、手持ちの看板タイトルに資源を集中させてきました。それでもゲーム売上は前年比で2桁の伸びを続けています。

背景にあるのは、稼ぎ方の重心が「新作の当たり外れ」から「一本を何年も育てる運営」へ移ったという構造変化です。しかも利益率を押し上げたのは開発費の削減ではなく、売上を誰と分け合うかという流通側の変化でした。古いタイトルほど記録を更新するという逆説が、同社の数字には表れています。

一方で、満を持して投入した新作には厳しい声も集まりました。創業者のウィリアム・ディンCEOは決算説明会で「序盤の学習曲線を十分に下げられなかった」と率直に認めています。その同じ席で同氏は、AIを使えば「同業他社の大半を上回る数の高品質な作品を生み出せる」とも言い切りました。

新作を絞った会社はどこで伸び、つまずいた新作にどう向き合い、次の一手に何を賭けるのか。2026年4〜6月期の決算説明会から、ゲーム会社の勝ち方がどう書き換わりつつあるのかを読み解きます。

新作を絞った先に何が残ったか

「この1〜2年、会社は新作の本数を意図的に減らし、主力タイトルに資源を集中してきた」。Goldman Sachsのあるアナリストは、質問の前置きでNetEaseの戦略をそう要約しました。パイプラインが細く、既存タイトルの水準がすでに高い中で、次の成長はどこから来るのか。この問いが、今回の決算説明会の核心でした。

数字は、この戦略が少なくとも現時点では機能していることを示しています。2026年4〜6月期のゲーム関連売上は250億元と前年同期比10%増。牽引役として挙がったのは、運営開始から20年を超える「Fantasy Westward Journey(夢幻西遊)」シリーズと、昨年投入した「Where Winds Meet(燕雲十六声)」という新旧の自社開発タイトルでした。

古参タイトルの動きは、単なる延命ではありません。武侠オープンワールド「Sword of Justice(逆水寒)」は6月の周年アップデート「New World」で初日のアクティブプレイヤーが1,000万人を超え、同時接続数は2年ぶりの高水準に達しました。夢幻西遊のモバイル版も新しい装備育成システムや「脱出」型モードを加え、記録的な勢いを4〜6月期まで持ち込んでいます。

パーティゲーム「Eggy Party(蛋仔派対)」は登録ユーザーが7億人に到達し、月間アクティブユーザーは1億人超を維持しました。ディンCEOはアナリストの問いに「本当に高品質な作品への投資はためらわない」と答えつつ、新作には「明確なビジョンと最高水準の品質」を条件に課すと述べています。本数ではなく、一本あたりの寿命で勝負する姿勢が明確になりました。

期待の新作に集まった厳しい声

決算説明会で最初にマイクを握ったアナリストが尋ねたのは、7月に中国で配信された新作「Sea of Remnants」のことでした。自社エンジンで開発され、海洋ファンタジーのオープンワールドに海戦と「脱出」型ゲームプレイ、ローグライク的な成長要素を組み合わせた意欲作です。その足元の評価と、今後の手直しを問われました。

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