ウルグアイ発のdLocalは、新興国に特化した決済プラットフォームを運営する企業です。1回のシステム連携で60以上の新興国市場の決済手段にアクセスできる「One dLocal」を提供し、ナスダックに上場しています。顧客には世界的なEコマース、動画配信、ライドシェア、送金企業など760社超のグローバル企業が名を連ねます。
同社が発表した2026年4〜6月期決算は、総決済額(TPV)が177億ドルと前年比92%増を記録しました。粗利益は1.27億ドル(前年比29%増)、純利益は5500万ドル(同28%増)です。好調な上半期を受け、通期のTPV成長率ガイダンスを前年比60〜70%増に引き上げています。

4〜6月期のTPV成長率92%は、2022年1〜3月期以来の高水準です。ペドロ・アーントCEOは「この四半期だけで、2023年12月期の通年を上回る金額を処理した」と述べました。TPVの伸びは7四半期連続で50%超、直近3四半期は70%超で推移しています。しかも成長率は直近5四半期にわたって加速し続けています。
成長の中身も特定顧客への依存ではありません。既存顧客からのTPV維持率は188%、売上ベースの純収益維持率は153%に達しました。純収益維持率が140%を超えるのは5四半期連続です。顧客が国、決済手段、製品を次々と追加している構図です。
一方で市場シェアはまだ小さい水準にとどまります。同社は既存顧客の決済額に占める自社シェア(シェア・オブ・ウォレット)を10%台前半、新興国デジタル決済全体に占めるシェアを1桁台前半と推計しています。アーントCEOは「成長してもなお、深耕と新規獲得の機会は巨大なままだ」と強調しました。
地域面ではアジア太平洋を戦略的優先地域に位置づけています。アーントCEOは同地域を「最大かつ急成長中で、高度に断片化された市場」と表現しました。ブラジルやアルゼンチンといった成熟市場でも大型顧客の急拡大が続いており、機会は新興地域に限らないとの認識です。
4〜6月期の成長を最も牽引したのはライドシェアです。アーントCEOは「ライドヘイリングは前四半期比で倍増した。前年比ですらない数字だ」と述べました。新興国で事業展開する4大ライドシェア企業がdLocalを利用しています。複数の市場への急速な展開と、大口顧客におけるシェア拡大が重なった結果です。