ロケットラボ、加入者250万人の衛星通信イリジウムを買収へ——ロケット会社が「宇宙で稼ぐ側」に回る

Rocket Lab USA Inc

ロケットを打ち上げる会社が、衛星通信の老舗を丸ごと手に入れようとしています。米ロケットラボが発表したイリジウム・コミュニケーションズの買収は、宇宙ビジネスの主戦場が「宇宙に行くこと」から「宇宙で稼ぐこと」へと移り始めたことを象徴する一手です。

決算説明会で創業者のピーター・ベックCEOは「宇宙アプリケーション時代の幕開けへようこそ」と高らかに宣言しました。打ち上げサービスと衛星製造に続く第三の柱を、ゼロから育てるのではなく買収によって一気に取り込もうという大胆な決断です。

足元の業績も勢いを増しています。2026年4〜6月期の売上高は前年同期比62%増の2.3億ドルと過去最高を更新し、打ち上げと衛星製造の両部門で大型契約の獲得が相次ぎました。その一方で市場には、打ち上げ能力の深刻な不足という異変が静かに進行しています。

なぜロケット会社が通信事業者を必要とするのでしょうか。そして、まだ一度も飛んでいない新型ロケットが、値引きなしで次々と売れていくのはなぜなのか。決算説明会での説明と質疑からは、逼迫する宇宙輸送の現在地と同社の野心が浮かび上がります。

「打ち上げる側」から「使う側」へ

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