メモリ半導体は需給の波に翻弄される「市況商売」──業界に長く根付いてきたこの通説を、過去のものにしかねない決算が出てきました。フラッシュメモリ大手のSandiskが8月5日に発表した2026年4〜6月期決算は、売上高・粗利益率・EPSのすべてが過去最高を更新し、いずれも会社計画の上限を超えています。
決算説明会でデイビッド・ゲッケラー会長兼CEOは「2026年6月期は、この事業が何になり得るかを定義し直した1年だった」と総括しました。2020年からこの事業を率いてきた同氏にとっても、節目と呼ぶにふさわしい1年だったようです。
数字の伸びは桁外れです。四半期売上高は前年同期比4.7倍に膨らみ、Non-GAAPベースの粗利益率は84.6%に到達。1年前には供給量の1割程度だったデータセンター向けが、今や4割近くを占める最大の成長エンジンに育っています。
ただ、この決算の本当の見どころは業績数字そのものではありません。同社は需給の波に揺れてきたNAND(データ保存に使われるフラッシュメモリの主流技術)の「売り方」を根本から作り替えようとしており、市場もその成否を測りかねています。市況の波は、本当に契約で消せるのでしょうか。