「先に与えてから、得る」——コストコ創業家の"もう一つの会社"、15年ぶりの新市場へ

PriceSmart, Inc.

コストコと同じ設計図を持つ会社が、コストコのいない場所で成長を続けています。中米・カリブで会員制の倉庫型量販店を展開するPriceSmartが発表した2026年3〜5月期決算は、純利益が前年比12.3%増となり、2桁の増収増益を維持しました。ただ、今回の決算で目を引いたのは、業績そのものではありません。

デイビッド・プライスCEOは「これらの結果は、私たちの提供価値の強さと、会員のロイヤルティを反映したものです」と総括しました。通貨変動や貿易政策の揺らぎが続く中でも、14カ国に広がる会員基盤は厚みを増しています。その裏には、安売りをそのまま利益に変える独特の設計があります。

注目は、決算と同時に明らかになった15年ぶりの新規国進出です。同社が最後に国境を越えたのは2011年でした。以来、拡大を急がず既存市場を深掘りしてきた会社が、ついに次の一手を打ちました。行き先の選び方にも、この会社らしい計算が透けて見えます。

なぜ15年も動かなかったのか。そして、なぜ今なのか。その答えは、かつて通貨暴落に沈んだある市場での経験と、「先に与えてから、得る」という言葉に集約されています。プライス一族が磨き上げた拡大の作法とは、どのようなものなのでしょうか。

儲けを価格に変える会員制モデル

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