金融データ大手のファクトセット(FactSet Research Systems)が、2026年3〜5月期の決算を発表しました。年間サブスクリプション価値(ASV)は24.8億ドルに達し、オーガニック成長率は前年比7.1%と5四半期連続で加速しています。
売上高は6.2億ドル(前年比6.4%増)、調整後EPSは4.53ドル(同6.1%増)でした。調整後営業利益率は34%と、前年の約37%から低下しています。
利益率低下の主因は、AI関連を中心とした先行投資です。サノケ・ビスワナサンCEOは「今年実施してきた投資を反映したもの」と説明。ジョシュア・ウォーレンCFOも「利益率改善への道筋は明確に見えている」と述べました。数字だけを見れば堅調な決算ですが、注目すべきはその中身です。

同CEOが繰り返し語ったのは、顧客である金融機関のAI移行が同社のビジネスモデルそのものを変えつつあるという点でした。データの届け先がAIエージェントに広がり、課金モデルや契約形態、さらには自社の人員構成まで変化しています。
同社は資産運用会社の上位100社のうち95社、世界の大手投資銀行50社の85%超と取引しています。平均取引年数は16年を超え、ASV継続率は95%以上。金融業界の中枢に深く入り込んだ企業の決算だからこそ、そこで起きている変化は業界全体の縮図として読むことができます。