Nanoxが発表した2026年1〜3月期決算は、ある矛盾を映し出しています。安価な画像診断を世界へ届けるという理想は明快で、その技術はすでに実機として動いています。それでも会社を支えているのは、看板である画像診断装置ではありません。売上は前年同期から増えた一方、最終損益は1,430万ドルの赤字でした。

エレズ・メルツァーCEOは、その隔たりを率直に認めます。「商業化は2年前に計画したほど速くは進んでいません。それでも、中核となる製品群の最終的な成功を確信しています」。理想を掲げながら、計画とのずれを認めたうえで自信を示す。確信と現実をどう埋めるのかが、今回の決算の核心です。
この四半期は、結果よりも仕込みの色が濃く出ました。販売代理店との連携づくりや主要施設での実績づくり、組織のスリム化に力点が置かれています。契約や引き合いは積み上がる一方、それが収益に変わるまでには間があります。土台を組み直す局面にある、というのが実情です。
掲げる理想と、足元で稼げている事業のあいだには、まだ大きな開きがあります。看板装置がこれほど売れていないなかで、Nanoxは何を頼りに収益を立て、その差をどう詰めていくのか。技術が本物であることと、それが商売になることのあいだに、問いが横たわっています。