クラウドERPやビッグデータなど!利益率の高いIT企業5社に見る「稼ぐ仕組み」

デジタルアーツ

本記事では、IT業界の中でも特に高い営業利益率を誇る5社を紹介します。今回取り上げる企業の事業内容を個別に見ていくと、その多くがクラウドサービスを基盤としたストック型のビジネスモデルを強みとしている様子が見えてきます。しかし、その事業アプローチは、基幹システムの構築からAIによる業務自動化、ビッグデータ活用など、極めて多岐にわたります。それでは、各社の具体的な事業内容を見ていきましょう。

鉄壁のワンストップ経営「オービック」

まず1社目は、独立系システムインテグレーターのオービック(4684)です。1968年に設立された同社は、会計・人事・生産・販売などを統合管理するERPソフトウェアのパイオニア的存在。特に中堅・中小企業向けに強みを持ち、長年にわたり日本の企業の基幹システムを支え続けてきました。

主力事業は、顧客ごとにシステムをオーダーメイドで構築する「システムインテグレーション事業」と、導入後の保守・運用を担う「システムサポート事業」。これら2つで売上高の9割以上を占めます。開発から販売、導入支援、サポートまでを外部に委託せず一気通貫で手掛ける「ワンストップ・ソリューション」が、同社の揺るぎないビジネスモデルの根幹です。

このビジネスモデルが驚異的な収益性を生み出しています。2025年3月期通期決算における営業利益率は64.6%と、極めて高い水準です。特に利益の源泉となっているのが、主力製品「OBIC7」をクラウドソリューションとして提供するシステムサポート事業で、2025年3月期通期決算では会社全体の営業利益の約58.6%を占めています。

この盤石な収益基盤を背景に、オービックは来期も売上高・営業利益ともに10.0%増という着実な成長計画を発表しています。創業以来の「お客様第一主義」を貫き、顧客との長期的な関係を築くことで、高い収益性を維持していく方針です。

安定のストック型収益「デジタルアーツ」

次に紹介するのは、1995年設立の国産セキュリティメーカー、デジタルアーツ(2326)。インターネットが普及し始めた当初から、Webサイトの閲覧を制御する「フィルタリングソフト」の分野に特化。有害サイトへのアクセスをブロックする技術で、官公庁や企業、学校など、高いセキュリティレベルが求められる顧客から絶大な信頼を得てきました。

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