新幹線や次世代エネルギーなど!直近3ヶ月で株価が上昇した機械5社に見る事業機会
この記事では、直近3ヶ月で株価が市場の注目を集めた「機械」セクターの企業の中から、5社をピックアップしてご紹介します。その事業を俯瞰すると、老朽化するインフラの更新といった現実的な課題への対応から、水素活用など未来のエネルギー社会の構築まで、今の日本が直面する重要なテーマが見えてきます。各社がどのような強みを持ち、市場から評価されているのか。その動向から、日本の産業界の今を読み解いていきましょう。
まず一社目は、舶用エンジンや港湾クレーンなどを手がける三井E&S(7003)です。1917年に三井物産造船部として設立され、造船・機械メーカーとして日本の近代化を支えてきた老舗企業です。1世紀以上にわたり、日本の重工業の発展に貢献してきました。

現在の主力は国内トップシェアを誇る舶用ディーゼルエンジンです。また、近年はアンモニアを燃料とする次世代エンジンの開発や、AIを活用したモニタリングシステムの認証取得など、脱炭素・デジタル戦略を推進しています。
そんな三井E&Sは、8月6日に第1四半期決算を発表し、営業利益が前年同期比で倍増。この発表を機に株価は上昇基調を強めました。9月18日には、米国の国家安全保障に基づく需要を背景に、カリフォルニア州ロングビーチ港から大型クレーン2基を受注したと発表。当日の終値は4,090円でしたが、24日には一時4,600円まで上昇し、買いが集まりました。

好調な第1四半期決算の背景には、二元燃料エンジンの引渡しが順調に推移したことなど、脱炭素社会を見据えた技術開発があります。その後も9月にはアンモニア燃料推進LPG/アンモニア運搬船の基本設計承認を取得するなど、開発は着実に進んでいます。
また、相次ぐ大型受注も業績を後押ししており、8月にはベトナム向けに過去最大規模となるクレーン22基の受注を発表するなど、国内外で旺盛な需要を取り込んでいることが分かります。
次に紹介するのは、社会インフラを支える製品群を手がける栗本鐵工所(5602)。1909年に鋳鉄管の国産化を目指して創業して以来、水道やガス、橋梁といった社会基盤の整備に貢献してきた老舗企業です。