Spotify 2Q25決算:10億人構想へ視界良好も、広告事業に「実行上の課題」
音楽ストリーミング大手「Spotify」は2025年7月29日(現地時間)、2025年4〜6月期の決算を発表しました。月間アクティブユーザー数(MAU)と有料会員数が共に市場予想を上回るなど、ユーザー基盤の拡大は好調に推移する一方で、広告事業には課題が残る結果となりました。
MAUは前期比1,800万人増の6.96億人、有料会員数は同800万人増の2.76億人に達し、ともにガイダンス(会社予想)を上振れ。特に上半期における有料会員の純増数は前年同期比で30%以上増加しました。長期目標として掲げる「有料会員10億人」に向け力強い成長を示しています。

CEOのダニエル・エク氏はカンファレンスコールの中で、広告事業の進捗が「期待を下回っている」ことを率直に認めました。成長の鈍化は戦略上の問題ではなく、技術スタックの刷新などに時間を要している「実行上の課題」であると説明。今後のテコ入れを急ぐ姿勢を鮮明にしました。
本記事では、Spotifyの最新決算の内容を基に、好調なユーザー成長を支える要因と、広告事業が直面する課題を分析します。さらに、生成AIの活用や将来の収益モデルに関する同社経営陣の発言から、オーディオ市場の巨人が描く今後の成長戦略を読み解きます。