アニメ制作からIP企業へと脱皮する「東映アニメーション」売上1000億円を支える世界戦略
東映アニメーション(以下、東映アニメ)といえば『ドラゴンボール』『ONE PIECE』など世界的人気を持つIP(知的財産)を数多く手掛けてきたアニメ制作会社です。
そんな同社は近年、単なる「アニメ制作会社」から「IP企業」へとビジネスモデルを転換しています。業績も好調そのもので、2025年3月期(2024年度)の連結売上高は1,000億円、営業利益も320億円をそれぞれ突破しました。

アニメ市場のグローバルな拡大を追い風に、同社は作品制作にとどまらずIPを核とした収益機会の拡大に注力しています。アニメ業界を取り巻く環境は良好で、海外市場におけるビジネスチャンスが拡大。一方で異業種からの参入により人気作品を巡る競争も激化し、業界の勢力図は変わりつつあります。
こうした中で東映アニメは、強力なIP群を武器にしながらも「IPを戦略の軸に据えたグローバル事業展開」を掲げています。アニメを制作するだけでなく、IPのライセンスや海外展開まで含めた包括的なビジネスモデルへのシフトを進めているのです。今回は、そんな同社の近況を紹介します。