サイバーセキュリティ関連銘柄の本命5選!市場拡大に乗る注目企業とは

デジタルアーツ

サイバー攻撃の巧妙化・増加に伴い、企業や政府はセキュリティ対策の重要性を改めて認識しています。

特に、2023年には公共機関や企業を狙った大規模なサイバー事件が発生し、事業継続や社会機能に深刻な影響を及ぼすリスクが顕在化しました​。
加えて、リモートワークなど新たな働き方の普及により、セキュリティ対策の必要性は一層高まっています。

このような状況を踏まえ、政府もサイバー対策予算を拡充しており、2024年度は約2,129億円と前年の約1,379億円から大幅増額しています​。

こうした背景から、セキュリティ市場は今後も拡大が見込まれています。
そこで今回は、サイバーセキュリティ分野で注目の国内企業をいくつか選出し、ご紹介します。

トレンドマイクロ(4704):海外売上比率は6割超、そのグローバル戦略の裏側とは?

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トレンドマイクロは、ウイルス対策ソフト「ウイルスバスター」で広く知られていますが、その実態はBtoB事業、特に海外市場で強みを持つグローバル企業でした。
一般消費者向けのイメージとは裏腹に、売上の大半を法人向け事業が占めており、その成長を牽引してきました。

同社の成長戦略の鍵を握っていたのが、クラウドからエンドポイントまでを包括的に保護する「Hybrid Infrastructure Protection(HIP)」と呼ばれる領域です。
このHIP領域が法人向け売上の中で急速に存在感を増し、同社のグローバルな成長を支える屋台骨となっていました。

では、なぜ同社はこれほどまでに海外で成功を収めることができたのでしょうか?
その背景には、国や地域ごとに最適化された緻密な事業展開がありました。
同社のグローバル戦略と、過去にユーザーデータを無断送信したとされる問題の真相に迫ります。

▼「ウイルスバスター」だけじゃない、トレンドマイクロの海外戦略の全貌とは?詳しく解説
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デジタルアーツ(2326):なぜ学校現場で圧倒的?常識を覆す"ホワイト運用"

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デジタルアーツは、国産Webフィルタリングソフトの老舗として、特に教育市場で圧倒的なシェアを誇る企業です。
GIGAスクール構想を追い風に業績を大きく伸ばし、多くの教育委員会で導入されるなど、公共分野での信頼を確固たるものにしてきました。

同社の強さの秘密は、業界の常識であった「ブラックリスト運用」と一線を画す、独自の「ホワイト運用」にあります。
これは、問題が発生してから対策を講じるのではなく、安全が確認されたWebサイトやメールのみを許可するという逆転の発想で、未知の脅威にも対応できる堅牢性を実現しています。

この単純かつ効果的なアプローチが、なぜ多くの教育機関や企業から絶大な支持を集めるに至ったのでしょうか。
その背景には、運用負荷の軽減と高い安全性を両立させる、同社ならではのデータベース構築力と技術がありました。
その独自の強みと今後の成長戦略を紐解きます。

▼国内シェアNo.1の裏にある「ホワイト運用」とは?デジタルアーツの強さの秘密を解説
>>Webフィルタリングで国内トップシェア「デジタルアーツ」中期計画で更なる成長へ

サイバーセキュリティクラウド(4493):高成長の裏にあるM&A戦略、その次の一手は?

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サイバーセキュリティクラウドは、クラウド型のサイバー防御サービスを主力とした新興企業で、目覚ましい成長を遂げてきました。
主力製品である「攻撃遮断くん」や、AWS WAFなどの運用を自動化する「WafCharm」が事業の二本柱としてARR(年次経常収益)を力強く牽引しています。

同社の成長戦略で特に注目すべきは、積極的なM&Aと、それによる事業領域の拡大です。
2023年にリリースされた新サービス「CloudFastener」は、AWS環境のセキュリティ運用を丸ごと請け負うフルマネージドサービスで、既存事業を上回るペースで急成長を遂げました。

大型の資金調達を背景に、同社は今後どのようなM&A戦略を描いているのでしょうか。
国内外で販売パートナー網を拡大し、次々と新たな事業の柱を打ち立てる同社の成長モデルと、その未来像に迫ります。

▼国内外で販売パートナーを拡大、M&A戦略にも注力する同社の次なる一手とは?詳しく解説
>>サイバーセキュリティクラウドが好調。国内外で販売パートナー網を拡大、M&A戦略にも注力へ

ソリトンシステムズ(3040):海外IT巨人を抑え、なぜ官公庁でシェアNo.1?国産IDaaSの挑戦

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ソリトンシステムズは、ネットワーク認証やIT資産管理の分野で長年の実績を持つ、老舗ITセキュリティ企業です。
特に、主力製品であるネットワーク認証アプライアンス「NetAttest EPS」は、中央省庁を含む官公庁でトップシェアを誇り、高い信頼を獲得してきました。

クラウド時代への対応として、近年では新たな認証サービス、国産IDaaS「Soliton OneGate」の展開に注力してきました。
政府のセキュリティ評価制度「ISMAP」を国産IDaaSとして初めて取得し、海外の巨大IT企業が席巻する市場において、官公庁向けクラウド移行の波を捉えようとしています。

なぜ同社の製品は、厳格なセキュリティを求める官公庁から選ばれ続けるのでしょうか。
その背景には、高度な安全性と運用の容易性を両立させる独自の製品設計思想と、国産ベンダーならではの強みがありました。
海外IT巨人がひしめく市場で、同社が描く成長戦略とは。

▼官公庁が選ぶ認証基盤、その強さの秘密とは?ソリトンシステムズの“国産IDaaS”成長戦略を解説
>> 官公庁シェアNo.1の認証基盤――ソリトンシステムズが描く“国産IDaaS”成長戦略の企業情報

FFRIセキュリティ(3692):なぜ未知の脅威から守れるのか?研究開発型企業の独自技術

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FFRIセキュリティは、日本発のサイバーセキュリティ技術の研究開発に特化した企業です。
大手とは一線を画し、独自のセキュリティ研究チームを擁して未知の脅威に対抗する技術開発に取り組んでおり、特に官公庁や重要インフラ向けの分野で着実に実績を積み上げてきました。

同社の主力製品「FFRI yarai」は、パターンマッチング型の従来製品では検知が困難な、未知のマルウェアを振る舞い検知によって防御する、純国産のエンドポイントセキュリティです。
この独自技術こそが、同社の競争力の源泉となっています。

同社はどのような研究開発体制で、高度化するサイバー攻撃に対抗する独自技術を生み出し続けているのでしょうか。
また、今後の成長戦略や中長期的な経営計画はどのように描かれているのでしょうか。

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